「見立て遊び」という言葉をご存知でしょうか?目の前にあるものを、その場にない別物に見立てて遊ぶ遊びです。発想力や想像力、コミュニケーション能力を伸ばすのに役立つとされています。手軽にはじめられるため、子どもとの遊びの内容に迷うパパママにもおすすめです。
見立て遊びとは
見立て遊びとは、身近にあるものを本物のように見立てて、イメージを膨らませて行う遊びです。たとえば家のソファを駅に見立てて積み木で電車ごっこをしたり、丸い紙皿をハンドルに見立てて運転の真似をしたりといった遊び方が当てはまります。
このように見立て遊びには、子どもの自由な想像力が不可欠です。1歳頃になると、見立て遊びを始める姿がよく見られるでしょう。見立て遊びは、想像力が身に付いてきた成長の証とも言えます。
【年齢別】どんな遊びをするの?
見立て遊びの内容は、年齢ごとで具体的にどのように変化するのでしょうか?1歳~2歳頃は、食べ物のつもりで積み木を食べるふりをして「おいしいね」と言って楽しむなど、簡単な見立て遊びができるようになります。この頃の赤ちゃんは、大人の行動を真似するのが好きな時期。パパママも一緒に遊んで、遊びの世界を広げてあげましょう。
発想力にも発達の芽が出る3歳~4歳頃になると、ごっこ遊びやなりきり遊びに変化していきます。おもちゃを使ったままごとやお店屋さんごっこ、ヒーローごっこなどがその例です。自分で場面を展開したり、子どもたちで役割を決めたりができるようになります。
5歳以降はさらに遊びに世界観が出るように。お医者さんごっこのように、立場や状況に合う言葉使いや仕草などを真似るなどの様子が見られます。高度な表現力が必要とされるでしょう。
見立て遊びの効果とは
子どもは見立て遊びを通して、いろいろな能力を身に付けます。
・観察力や記憶力が身に付く
たとえば親の動きを模倣するには、観察力や記憶力が必要になります。実際にない物を代用することで、発想力も育てられるでしょう。
・コミュニケーション能力がアップする
子どもは友だちと一緒に遊ぶようになると、他者との関わり方で協調性や社会性を身につけ、また相手の気持ちを理解できるようになります。遊びを通して自然とたくさんの能力を身につけられることが、見立て遊びの大きな魅力です。
見立て遊びとごっこ遊びの違い
見立て遊びが発展することで、ごっこ遊びに繋がっていきます。見立て遊びには役割りなどがなく、ただ単純に「空のコップをあたかも飲み物が入っているかのように飲む仕草を真似る」といった内容です。
一方のごっこ遊びは、見立て遊びがよりリアルに発展したもの。「ままごとセットを使ってぬいぐるみをお客さまに見立て、ティーパーティーを開催する」などより複雑な設定が加わるという違いがあります。
見立て遊びをするときのポイント
大人が積極的に見立て遊びをすることで、子どもの表現力を伸ばしてあげられるといいます。積み木やブロックなど近くにあるものを別物に見立てて、子どもの想像力を引き出してあげましょう。子どもが小さいうちは、ご飯に見立てた石や砂利などを口に入れないようパパママが見守ることも大切です。
市販品で遊ぶだけでなく、新聞紙や紙コップ、段ボールなどを使って、アイテムを手作りするのもおすすめです。見立て遊びのポイントは想像力。子どもの自由な発想を尊重し、伸びやかに遊ばせてあげてください。