2018年06月29日 公開

海外はほめ上手?オーストラリアで知った「子どもをほめる言葉」

一般的に、「日本に比べて海外では人をよくほめる」といわれます。筆者は5年前からオーストラリアに住んでいますが、こちらでは特に、子育ての中で子どもをほめることがとても多いと感じます。筆者の印象に残ったほめ方やほめるシチュエーションを紹介します。

一般的に、「日本に比べて海外では人をよくほめる」といわれます。筆者は5年前からオーストラリアに住んでいますが、こちらでは特に、子育ての中で子どもをほめることがとても多いと感じます。筆者の印象に残ったほめ方やほめるシチュエーションを紹介します。

海外ではどんなふうに子どもをほめる?

Kids School · Free photo on Pixabay (98928)

日々の子育ての中では、どうしても子どもの「できない」「足りない」部分に目が行きがちです。ついつい「~しないとダメ」「もっと~しなきゃ」という言葉がけが多くなってしまい、わが子をほめる機会がない……と悩むパパママも多いのではないでしょうか。

一方、海外の人は「ほめ上手」と言われますが、それは本当でしょうか?

筆者は、5年前にオーストラリアに家族で移住しました。こちらで、大人が子どもたちにどんな言葉をかけるのか、を間近で観察してきましたが、特に印象に残ったのが、「子どもをよくほめる」「ほめ言葉の表現が豊富」ということです。

そこで、「オーストラリアでは、子どもをどんなふうにほめるのか」を紹介します。

まずポジティブなことを言う

Girl Swimming Goggles · Free photo on Pixabay (98931)

子どもはよく、図工などで作品を作ったり、運動や何かの活動ができるようになったときなど、周りの大人にそれを見せたがりますよね。そのとき、大人は必ずといってよいほど、とにかくまずポジティブな言葉を言います。

定番の言葉は、“Great job!(よくやったね!)”。

ほかには、“Awesome!”、“Fantastic!”、“Amazing!”、“Fabulous!”、“Excellent!”(「すごいね!」「すばらしい!」「ステキ!」などの意味を表す)などです。

また、オーストラリアでは”Well done!(よくやった!)”という表現も一般的です。

こうした言葉は、まず子どもの成果を見たときの「最初の反応」として、躊躇なく使われます。

また、“You are amazing!”、“You are special!”、“You are a superstar!”、など、「あなたはすばらしい!」と称賛する表現も惜しみなく用います。

日本語で考えたら、わが子に「あなたはスーパースターだよ!」と言うなんて考えられないかもしれません。……が、英語では割と普通にこのような表現をします。

親子だけでなく、先生が生徒をほめるときにも使われます。

「私は~が好き」と言う

Drawing Child Figure · Free photo on Pixabay (98934)

ただ「すごい!」「ステキ!」と言うだけでなく、「私は~の部分が好きだよ(“I like ~”)」という言い方も、相手をほめるときによく使われます。

たとえば、子どもが描いた絵を見たときに、「ステキな絵だね!特にこのお花の色が(パパもしくはママは)好きだよ」と言うような感じです。

このように、自分の意見や感想を述べることは、日本では「ほめる」という意味ではとらえられないかもしれません。しかし、こちらでは相手をほめるときに、割とよくセットで使われる表現です。

ただし、出来を評価したり、批評するわけではありません。

自分が主観的に「いいな」と思う部分を、具体的に伝えます。ほめられた子どもは、「自分のやったことをちゃんと見てもらえた」と感じ、満足感が増すようです。

失敗したときにはどういう言葉をかける?

Portrayal Portrait Crying · Free photo on Pixabay (98937)

一方、子どもが一生懸命やったのに、失敗したり、うまくできないときもあるでしょう。

そんなときには、“Good try!” と言うことがあります。tryとは、「やってみようと試みる」という意味です。

たとえば、筆者の息子が水泳の授業で、教わったように泳ごうとしてうまくできなかったとき、先生は”Good try!” と言ったそうです。

誰でも、がんばって取り組んでもうまくいかないときもあります。ですが、まず「やろうと試みた」ことをほめるのですね。このようなときも、Goodというポジティブな言葉を使うのが、印象に残りました。

最後に

Child Boy Bike On · Free photo on Pixabay (98940)

今回ご紹介した表現は、ほんの一例です。ほめるときの英語表現はほかにもたくさんあります。

筆者が感じるのは、【日本語に比べ、英語ではよりほめる言葉がカジュアルに使われる】ということです。また、子どもに限ったことではなく、大人同士、家族同士でもほめ言葉はよく使われると感じます。

ところで、日本の感覚で「ほめるとき」というのは、たとえば「学年で●位以内だった」とか「賞を取った」とか、あるいは「上手だ」「見た目がよい」など、人と比べて出来がよいときではないでしょうか?

一方、オーストラリアで出合った「ほめ言葉」とは、「その人自身が何かに取り組んだ」という、その行動に対する称賛だといえます。

まず「やってみた」ことそのものがすばらしいことなのだから、それを率直にほめる、という価値観があるような気がします。

成長過程にある子どもは、失敗を恐れず新しいことにチャレンジする経験が大切です。「やってみたことをほめる価値観」は、筆者自身の子育てにも取り入れていきたいな、と考えています。

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この記事のライター