2019年04月17日 公開

豊かな心を育む「情操教育」とは?家庭で実践する方法やおすすめ習い事

子どもが小さなうちから、読み書きの勉強に力を入れているパパママもいるかもしれません。しかし子どもが小さいときこそ、机に向かうよりもっと大切な教育があります。それが「情操教育(じょうそうきょういく)」です。こちらでは情操教育の概要や、家庭でできる実践方法について詳しくご紹介します。

子どもが小さなうちから、読み書きの勉強に力を入れているパパママもいるかもしれません。しかし子どもが小さいときこそ、机に向かうよりもっと大切な教育があります。それが「情操教育(じょうそうきょういく)」です。こちらでは情操教育の概要や、家庭でできる実践方法について詳しくご紹介します。

情操教育とは

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情操(じょうそう)とは、美しいものや尊いものなどに接したときに感じる感情、情緒のことをいいます。情操教育の目標を一言で表現するなら、「子どもの豊かな心を育てる教育」と言えるでしょう。

この情操教育は、身につけたい力ごとに大きく4つの分野にわけられます。

4つの力を育てる教育

1. 道徳的価値観を養う教育
他者を思いやる気持ちや協調性を育てる教育です。自分から善い行いをしたり、社会性を身につけたりできるでしょう。

2. 命の尊さを学ぶ宗教的教育
宗教とは何か決まった教えのことを指しているのではなく、命の大切さなどもっと広く一般的なものを指します。命の大切さを知ることで、自分や周囲の人、生き物などを大切にしようという気持ちが生まれるかもしれません。

3. 美的センスを育てる教育
美しいものを見て感動し、自分でも何かを表現することで美的センスが育まれます。また想像力や個性を養うこともできるでしょう。

4. 自ら考える力を養う教育
子どもたちは知的好奇心のかたまりです。いつでも「なぜ?」「どうして?」と感じているもの。この好奇心は、上手に育てると学びへの原動力となります。

学ぶことが楽しいと感じられれば、自分から勉強をする姿勢が身につくでしょう。また自発的に学ぶことによって、自分で考えて問題を解決する力も育まれます。

情操教育を始める時期は?

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一般的に脳は0~6歳の幼児期に大きく発達するといわれています。情操教育を効果的に取り入れるなら、この脳が発達する時期に合わせて始めることが必要です。とはいえ厳密に「何歳から始める」と決まっているわけではありません。お子さまの年齢や発達に合わせて、無理なく取り入れてみてください。

「うちの子どもはもう小学校に入学している」というパパママもご安心を。10歳まではまだまだ脳の発達が大きい時期です。そのため小学校低学年までに始めれば、大きな効果が期待できるでしょう。

読み書きなどの勉強系は、成長してからスタートしても効果は見込めます。しかし情操教育に関しては、できるだけ小さなうちから取り入れたほうが効率的。机に向かわせる勉強だけに片寄らず、積極的に情操教育も取り入れることをおすすめします。

情操教育で養われる力とは?

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情操教育を取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか?まずひとつに、情操教育では子どもの心を育てるため、五感を通して刺激を得る経験をたくさんさせます。こういった経験から感性や内面の豊かさを育めるという点です。

また自分の価値観や個性も育てられ、自己表現力を養うこともできるでしょう。価値観や個性を大切にすることは、自信にもつながるかもしれません。また習い事など特別なことをしなくても、情操教育は各家庭の日常生活のなかで十分に取り入れることができます。

家庭で実践できる情操教育

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では家庭でも実践できる情操教育を具体的にご紹介しましょう。大きく5つの方法が考えられます。

絵本の読み聞かせ

知的好奇心や語彙力を育てようと、絵本を読み聞かせているパパママは多いのではないでしょうか。読み聞かせは言葉や絵本への興味を引き出すだけではなく、情操教育にも効果が期待できるとされています。

しかし、絵本をただ読めばよいというわけではありません。パパママもお子さまと一緒に、楽しみながら読み聞かせることが大切です。親子で楽しいことを共有する体験は、お子さまの情緒を豊かにします。また絵本には、現実では不可能なことが描かれた作品も多いもの。その世界について想像を膨らませることで、想像力の発達も促されます。

絵本を読み聞かせるとき、お子さまのなかにはなかなか最後まで聞けなかったり、本のページをすぐにめくろうとしたりすることもあるかもしれません。このとき怒らずに、お子さまの行動を見守ります。焦らずにお子さまの成長に合わせてあげてください。無理強いはせず、パパママ自身が絵本を楽しむ姿を見せ続けましょう。きっとその様子を見て、お子さまも興味を持ってくれるはずです。

生き物(動物や植物)や自然との触れ合い

動物を飼うことは、子どもにとってプラスの影響を与えるとよく耳にします。じつは情操教育の観点からも、生き物や自然と触れ合うことは効果的です。動物や植物のお世話をすると、命の大切さを感じることができます。また命あるものをお世話するうちに、責任感も養われるでしょう。

特に動物の場合、どんなときでもお世話を欠かすことはできません。動物の都合に合わせなければならない場面もたくさんあります。かわいい面だけでなく手間も受け入れることで、生き物に対する理解や愛情がさらに深まるでしょう。また生き物を飼う際、死を避けては通れないもの。身近な存在の死に直面することで、命の尊さをいっそう実感するはずです。

自然との触れ合いは、肌で感じる気温の変化、風の音、花や緑のにおい、水の冷たさなど五感をたくさん刺激します。外の風景を見て、美しさを感じることもあるでしょう。そういった経験は、お子さまの感性を豊かにしてくれます。

芸術や文化に触れる(音楽や絵など)

小さなうちから芸術に触れさせることは、子どもの美的センスを育てます。たとえば昔の骨董屋さんは、新人の店員を育てるために、非常に高価なホンモノばかりを扱わせたという話も。これはホンモノとニセモノを見分ける力をつけるためであり、それは子どもの感性にも同じことが言えるのではないでしょうか。

まっさらな感性を持つ子どもに、たくさんの芸術にふれる機会を与えることで、美的感覚が養われていきます。「子どもにはわからないのでは」「楽しめないのでは」と不安に感じるパパママもいるかもしれません。しかし子どもは、大人とは異なった感性を持っています。きっと大人が思いもよらない感じ方や楽しみ方をするでしょう。

最近は美術館でも、子ども向けの絵画や彫刻などの芸術作品の鑑賞会を開いたり、ワークショップを行ったりしています。また親子向けのクラシックコンサートが開催されていることもしばしば。そういったものを利用してみるのもおすすめです。

季節の行事や食べ物を大切に

昔から続く季節の行事は、日本人の感性を育くんできました。こういったものを取り入れることで、季節の移り変わりや情緒を感じられます。またその季節に旬のものを味わうことで、季節感を養うとともに、食べ物の本当のおいしさを知ることもできるでしょう。

スーパーマーケットやコンビニでは、季節に関係なく1年中さまざまな野菜や果物が手に入ります。そんな時代だからこそ、食べ物の旬を伝えることは大切です。親子で家庭菜園を行うのもおすすめ。より旬を意識でき、自分で育てることで食べ物の大切さやありがたみも身に染みます。

宗教行事への参加(お墓参り・法事など)

宗教行事というと、抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかしお墓参りやお正月の初もうで、近しい方の法事なども宗教的行事に入ります。行事の意味や大切さをお子さまに伝えつつ参加させると、より意味のあるものとなるでしょう。法事やお墓参りは、命について考えるいいきっかけになるかもしれません。

子どもとの触れ合いで気をつけたいことは?

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情操教育は、普段のお子さまとの関わり方を少し工夫するだけでも効果を期待できます。忙しくてなかなか時間のとれない方は、まずお子さまとの触れ合いを見直してみてはいかがでしょうか。

大切なことは「子どもへの肯定」

情操教育には、お子さまを肯定し褒めることが不可欠です。褒めるといっても、ただ成果を称えるだけではあまり意味がありません。上手にできなくても、お子さまの頑張ったところを見つけて褒めてあげましょう。

うまくできたときだけじゃなく、いつでもお子さまを受け入れ、共感し安心させることが大切です。そうすることでお子さまは自信を持ち、さらにやる気になってくれます。

情操教育におすすめの習い事

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情操教育は習い事でも効果を期待できます。最もおすすめなのが、バイオリンやピアノなどの音楽系の習い事です。情操教育にいいだけでなく、練習を通して集中力が身についたり、演奏には手の細かい動きが必要なため、脳が刺激されたりもします。

ただ音楽系の習い事は、練習を強制するなどあまり無理強いすると教育的に良くありません。それどころか音楽自体が嫌いになってしまうこともあります。子どもの意思を尊重し、楽しめる範囲で行うことがポイントです。

情操教育で人間力を育てよう

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情操教育は心を豊かにするだけでなく、将来生きていくうえで大切な人間力を育ててくれます。幼児教室などに通い、勉強などさまざまな早期教育に取り組むことももちろん悪くはありません。しかしお子さまの心を育てることも同じくらい、もしくはそれ以上に大切なことです。

情操教育は家庭だけでも十分に取り組むことができます。毎日の生活のなかで、少しずつ意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事のライター