子どもの筆記用具として根強い人気のえんぴつ。じつは幼児期からえんぴつを使うことは、子どもに好影響を与えると言われています。えんぴつを使い続けることで得られる4つのメリットのご紹介です。
1.巧緻性・集中力が高められる
子どもがえんぴつに興味を持ち出し、パパママの監督のもと安全に使えると判断できたら「持ち方の練習」から始めてください。
保育園・幼稚園の入園前の2歳くらいから、えんぴつデビューする子が多いようです。この時期は握力も弱く、集中持続時間は5分程度。そこで正しくえんぴつを持ち、書くことで、指先と脳の良いトレーニングになるのです。
正しいえんぴつの持ち方
【幼児が覚えやすい持ち方】
1.えんぴつの先から2.5cmあたりを人差し指と親指で持ちます。親指は人差し指より少しだけ後ろに置きます。
2.中指を人差し指より少し前に出して、自然に沿わせましょう。
えんぴつは紙に対して50~60度倒して書くのがちょうどよいです。
2.文字を正しく覚えられる
力の加減で濃淡・かすれが表現できるえんぴつは、幼児の文字練習に最適。子どもの弱い握力と筆圧でも、留め・はね・はらいがしっかり表しやすいためです。
また、えんぴつはシャープペンシル・ボールペンと比べて紙との摩擦が直接手に伝わります。そのため、正しい書き順・文字の形が子どもの記憶に残りやすいとも。えんぴつを使うことで視覚と触覚を適度に刺激しながら、書く・描くことができるでしょう。
3.正しい姿勢が身につく
猫背や横座りは、背骨や骨盤の歪み・内臓の圧迫につながりかねません。血流が悪くなり、目や体も疲れやすくなります。正しい筆記姿勢で集中力をキープしましょう。
【正しい筆記姿勢のとり方】
1.椅子の背もたれに寄りかからず座ります。背もたれに背中をべったりつけるのはNG。
2.机と体は握りこぶし1個分程度空けます。
足がぶらぶらしてしまうと、集中力はそがれてしまいがち。椅子が高すぎる場合、踏み台などを利用するのもおすすめです。
4.準備する能力と物への愛着が育つ
文字練習・お絵描きなどが終わったら、片付ける前に「明日すぐ使えるように、えんぴつを削っておこうね」と声かけをしましょう。先を見越して準備をする習慣づけは、小学校生活のスムーズなスタートにもつながります。
また、えんぴつは使った分だけ短くなっていくので、自分の成果(頑張り)を視覚で確認できるでしょう。詰め替え芯を入れ替えれば半永久的に使えるシャープペンシルに対して、使えば使うほど消耗していくえんぴつ。たくさん書けたら、それだけ愛着も湧く筆記用具と言えます。
正しい持ち方と姿勢は親の声かけで身につく
文字練習が上手にできなくても、えんぴつを正しい姿勢と持ち方で使えたら大いに褒めてあげてください。学習効果の高いえんぴつの持ち方を定着させるには、根気よく褒めることがコツです。
イヤイヤ期と重なってパパママの指導を聞かない場合、強制する言い方は避けます。「もっと背中をピーンとしたらかっこいいね」「ぐーで握ると手が疲れちゃうよ」など、促す・気づかせる言い方をしてみましょう。