2022年04月18日 公開

ボーディングスクールはどんなところ?利点や特徴をイギリスからレポート

日本に続々開校する英国名門ボーディングスクール。発祥の地イギリスだけでなく、欧米をはじめアジア圏でも注目され、留学先にも選ばれています。ボーディングスクールとは、選ぶメリット、将来への影響をイギリス在住の筆者が解説します。

           
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日本でも増えてきて人気上昇中のボーディングスクール。特に、2022年9月にはパブリックスクールであるハロウ校、2023年9月にはラグビー校が日本校であるRugby School Japanを開校するなど、イギリスのボーディングスクールの日本進出が話題になっています。
イギリスのボーディングスクールとはどのようなものなのでしょうか。その利点や特徴を現地イギリスからレポートします。

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ボーディングスクールはイギリスが発祥

イートン校
travellight / Shutterstock.com

ボーディングスクールとは一般的には寮(寄宿舎)で生活をしながら日中は学校で学ぶスタイルの学校の事です。ボーダーと呼ばれる寮生たちが、寄宿生活を意味するボーディングで学校生活を送ることから、ボーディングスクールと呼ばれます。

発祥はイギリスで15世紀ごろから始まったと言われています。当時、英国上流階級の子どもたちは8歳から寮生活を始めるのが基本でした。
1700年頃になると、アメリカ・カナダ・オーストラリアにも普及し始め、その後ヨーロッパ各地、現在ではアジア圏にも増えてきています。公立・私立ともにボーディングスクールは存在しますが、数が多いのは圧倒的に私立のほうです。イギリスで有名な私立ボーディングスクールのイートン校やハロウ校の名前を一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
2022年にはそのハロウ校が日本に開校することでも話題ですね。

ボーディングスクール卒業生は、いわゆるオックスブリッジと呼ばれる「オックスフォード大学」や「ケンブリッジ大学」のような英国トップ大学への進学率が高く、また王室や上流階級出身の生徒も多いことから、世界に通用するリーダーやエリートの育成、人脈を作る場としても注目されています。

ハウスマスターやハウスミストレスと呼ばれる寮常駐教師や、寮に住んでいる先生方もおられます。学生の生活や子どもたちの可能性を最大限に引き出すサポートを24時間体制で受けられることも魅力のひとつです。

意外と柔軟な通い方が選べます

ボーディングスクールと聞くと、ハリーポッターの通うホグワーツのように、全校生徒が全寮制の生活をしているのだろうか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、学校によっては必ずしもそうではありません。

たとえば、イギリス南部の私立女子校では、一学年のうち約1/4弱がボーディングの生徒で、残りは通学の生徒です。また、寮生活を選ぶ際に学校の休暇(夏休みなど)以外は寮でずっと生活をするか、平日だけ寮生活をして週末は実家に帰省する生活にするかを選ぶことができます。この平日だけ寮生活をすることをウィークリーボーディングと呼びます。逆に学校の休暇期間以外はずっと寮生活をすることを、フルボーディングと呼びます。

別の男子校の場合、月曜から金曜日までは学業、土曜日はスポーツをして、土曜日の夕方に実家に帰省するというスタイルをとる生徒さんもいるそう。「うちの子は忙しい方が合っている!」とあえてスケジュールがギュッと詰まった生活を子どものために選ぶ親御さんも多いのだとか。

また、もともとボーディングスクールは学期中に授業をみっちり集中して行い、休みを他の学校より長くとる傾向があるようです。例えば夏休みは約2か月、イースターホリデーが一般の学校が2週間のところを、私立ボーディングスクールでは3~4週間ほど、それに加えてクリスマス休暇やハーフタームと呼ばれる休みもありますので、年間の休みは意外と多く、一年の約1/3は家族と過ごすことができます。

ボーディングスクールは中等教育(シニアスクール)以上というイメージがある方が多いかもしれませんが、実際には学年がYear 4 ※8歳~9歳から入寮する学校もあります。これをプレップスクール(プレパラトリスクール)と呼び、Year 8 ※12~13歳以下の学校までがこのくくりです。
Year 9 からYear 13はシニアスクール+シックスフォームの学年で、この年齢になるとウィークリーボーディングよりもフルボーディングの寮生が多くなります。また、留学生が多い学校もフルボーディングが多い傾向にあります。

学校の長期休暇中には、寮に残ることができません。Exeat(発音はエクシアートに近い)という必ず寮を離れなければいけない期間とされています。この期間は寮に住んでいるハウスマスター/ハウスミストレス、他の先生方やスタッフの方も休みを取る必要があるためです。この期間は各学期ごとに2回、年間6回あります。生徒たちは各々の実家に戻ります。
留学生は自国に帰って家族と過ごしたり、逆に家族がイギリスに遊びに来て、家族で旅行に出ることもあるようです。家に戻れない事情のある生徒は、ボーディングスクール入学時に契約をしているガーディアンの元へ行くことが多いようです。ガーディアンとはイギリス留学時の後見人にあたり、緊急事態などに対応してくれます。
(※18歳未満の長期留学ではガーディアンとの契約が義務付けられています)

なぜボーディングスクールを選ぶのか?

ボーディングスクール
Monkey Business Images/Shutterstock.com

ボーディングスクールと一言で言っても、学校によって形態はさまざまで、どういうシステムを採用しているのかをしっかり出願までに見極める必要があります。学校ごとに力を入れていること、特色、得意としている分野などがあるので、リサーチがとても大切です。

さて、そもそもなぜ世界中の子どもたちとその親がボーディングスクールを選ぶのでしょうか。多くの有名なボーディングスクールには長い歴史があります。その歴史の中で多くの優秀な生徒を輩出してきたこと、トップクラスの大学へ進学率が高いことなど、高い水準の教育が受けられるということが大きな理由の一つと言えます。

近年では留学生も多くなっていることから、学業・生活両方の面で、世界中から集まった生徒たちと毎日の生活を共にし、国際的な感覚を育んでいける場ともなります。寮生活は集団生活なので、コミュニケーションや協調性を養えるのと同時に、少人数制でしっかりと行き届いた教育が受けられるため、子ども一人一人の才能・能力を伸ばすことができると言われています。

シニアスクールからのボーディングスクール入学よりも、年齢が幼いプレップスクールの方やその準備段階であるプレ・プレパラトリスクール(2~3歳から5~6歳対象)では、入学テストでそこまでアカデミックさを求められないこともあり、幼少の頃からボーディングスクールに入学させ、教育のエスカレーターにのせる家庭もあります。日本の幼稚園・小学校「お受験」に少し似ていますね。

さらに私立のボーディングスクールには親の十分な経済力と家柄、そして学年が進むにつれて、しっかりとした学力と精神力を身につけていくことが必要となります。

伝統的な聖歌隊に入るため寮生活をする

イギリスにある有名なプレップスクールの一つに、その学校の聖歌隊(chorister:コリスター)に入るためには寮生にならなければいけないという決まりがある学校があります。この聖歌隊はイギリスでも有名な大聖堂で歌うことができる名誉と伝統のある聖歌隊です。Year 4の学年である8歳から、親元を離れて寮生活をする理由は、

1. 夕方以降の礼拝や、歌の練習の時間を確保するため
2.歌の練習だけではなく、楽器も2つ習得しなければいけない上に、学業もおろそかにしないように寮生活でしっかりサポートするため

などがあります。

この理由を聞くと、幼い子どもたちにはなかなか過酷なような気もしますが、それでも聖歌隊&寮生活を選ぶのは、いくつか理由があるようです。

もちろん歌が好きで聖歌隊で歌いたいという子どももいます。他にも、寮生活や聖歌隊の経験を活かして子どもの可能性を伸ばしたいと考えているご家庭だったり、このプレップスクール期間を通ることで、次のシニアスクールの受験が有利になることを見越して入学させている場合もあるようです。
他にも、聖歌隊の活動により学費が減額されるというメリットや、宗教的な理由や親自身が聖歌隊に入っていた経験から恩恵を受けていたので、同じように子どもにもチャンスを与えたいからという意見もあります。

逆に、ボーディングスクールに入れたくない(子どもと過ごす時間を多く持ちたい)、時間をなるべく学業に使いたい、子どもらしく育てたいなど、いろいろな理由から聖歌隊を断念・視野に入れないご家庭もあります。

どちらの選択にせよ、子どもの将来や成長を最優先に考えての選択の結果ということです。

ボーディングスクールの寮の中はどんな感じ?

ボーディングスクールの寮の中はどんな感じなのだろうかと、気になったことはありませんか?現代の寮の中は、インテリアも明るくセンスが良く、子どもたちが安心して毎日過ごせるような工夫が随所にあります。大人でも思わず「私も子どもに戻って入寮したい!」と言ってしまうほど。

イギリス南部の女子校ボーディングスクールは、広い食堂の2階を利用した作りになっており、屋根の斜めを活かした作りがとても可愛らしい寮です。家族や実家のペットと離れて暮らす子どもたちがホームシックにならないように、写真を集めて飾っておけるスペースが設けてあったり、使いやすいキッチンやランドリースペースで生活スキルを学びながら暮らすことができるようになっています。

Year 7(11~12歳)の子どもたちは、数人ずつに区切られた空間にベッド・机・ワードローブがコンパクトにまとめられたスペースで共同生活をし、学年が上がると個室が割り当てられます。みんなが集まれるようなリビングルームもあり、ボードゲームをしたり生徒同士で交流ができるので、とても楽しそうな雰囲気です。

ボーディングスクールの魅力

Standret/ Shutterstock.com

学習面、生活面、精神面、人間関係など、さまざまな面でメリットが多いボーディングスクール。留学生の受け入れも積極的に行っている学校も増えてきたことから、お子さまの将来の進学先のひとつとして視野に入れているご家庭もあると思います。

学校によって、ボーディングのスタイル、教育方針や環境も異なりますし、学習・寮生活両方についていける十分な英語力も必要です。お子さまに合ったボーディングスクールを見つけるには早いうちから学校探しを始め、準備をしておくことが重要です。

■いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの記事はこちら↓↓↓

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WRITER

いしこがわ理恵 いしこがわ理恵 在英12年目ハンドメイド好きの2児の母。武蔵野美術大学卒業。現在は教育に携わる仕事の他に、日本にルーツのある子どもたちを対象とした日本語子ども会活動・児童文庫活動も行っています。興味の範囲が幅広いので、常にいろいろな方向にアンテナをはりつつ情報収集が日課です。ハッピー子育てに役立つ情報をみなさまにお届けできれば嬉しいです。Instagram @rie.ishikogawa