オランダの小学校はテストがない?宿題がない?などと噂されますが、実際はそんなことはありません。学校が自由な裁量権を持つ反面、小学校1年生から全国共通テストも実施されています。オランダの教育現場から、小学校1年生の成績表についてご紹介します。
学校ごとに特徴のある教育
オランダはさまざまな教育哲学や宗教観のもと、学校を設立することができます。また公費負担が大きく教育費の家庭負担が少ないため、子どもやご家族の教育方針に合わせて自由に学校選択することができます。ちなみに、実際にオルタナティブ教育を実施しているところは、オランダで10%ほどです。
年に3回の成績表は学校によっても違う
筆者の子どもはグループ3に在籍していますが、読み、スペリング、書き方、計算、ジム(体育)、英語、音楽、メディア(iPadを使ったレッスンなど)、クリエイティブ(工作や絵画など)が評価対象となっており、5段階評価で記載されています。
授業態度や社会性もきちんと評価
集中力、自主性、計画性、協調性、クリティカルシンキング(批判的思考力)、問題解決能力などが同じく5段階評価で記載されています。
日本の成績表のように先生からの総評も個別に書かれています。オランダの学校は担任の先生が1人ではなく複数のことが多いのですが、よく目が行き届いていると感じ、総評からも学校での様子が伺えます。
小学校1年生から全国共通テスト
日常の到達度をはかるテストで、特にテスト勉強は不要ですが、まだ小さな子どもたちは、「お友だちの答案を見ない」「おしゃべりをしない」など、普段とは違った空気感に慣れるため、事前に訓練をしていました。
今回の成績表にはこのCITOの成績も記されていました。全国平均の中でどのくらいか、という評価が5段階で書かれています。
グループ8(日本の小学6年生)の際に行われるCITOはとても重要視されており、日本でいえば大学入試センター試験のようなもの。大半の学校がこのテストを取り入れており、結果は中学校への進路選択でも重視されます。
最後に
面談では、先生は必ず子どものよいところを褒めてくれ、そのおかげか、のびのびと個性を伸ばせているように感じます。また、学業の面でもその手厚さを実感していますので、オランダの教育はバランスが取れているといえるかもしれませんね。