「うそ」にはいろいろな種類があり、一概に「すべてのうそが悪い」とは言い切れません。そのため子どもにうそについて教えるのはなかなか難しいもの。そんなときは、絵本を利用してはいかがでしょうか?今回は、うそにまつわるさまざまなストーリーの絵本をご紹介します。
うそについて考えるきっかけに
著者 :中川ひろたか(作)、ミロコマチコ(絵)
出版社 :金の星社
「うそをつくのはいけないこと」とお子さまに教えることが多いかもしれません。しかし、うそのなかにもいろいろな種類があり、なかには相手を思ってつくうそもあります。「絶対ダメ!」と言い切れないところが、うその難しいところ。そんな「うそ」について、深く考えるきっかけになる絵本です。
本を読み終えた後に、お子さまと「うそって何だろう?」「うそをつくことはいけないことなの?」など、親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。
楽しいうそってどんなうそ?
著者 :サトシン(作)、山村 浩二(絵)
出版社 :文溪堂
うそには、人をだますためのものもあれば、人を喜ばすためのものもあります。この絵本に出てくるうそは、人を喜ばせる楽しいものばかり。
なかには、いいうそと悪いうその違いがなかなかわからないお子さまもいるかもしれません。そんなときは、このお話を読んであげてはいかがでしょうか。
テンポの良いストーリー展開とナンセンスなうその応酬で、最後まで楽しみながら見ることができそうです。絵本の読み聞かせが苦手なお子さまにもおすすめです。
うそをついたときのもやもやした気持ちがわかる
著者 :なかえ よしを(作)、上野 紀子(絵)
出版社 :ポプラ社
うそをついてしまったとき、なんとなくもやもやしたバツの悪い気持ちになります。そして「うそなんてつかなければよかった」と後悔することも。そんなうそをついたときのイヤな気持ちが、ねずみくんを通し、素直に表現されています。
うそをついたときの気持ちがわかると、自然と「うそはつかないほうがいい」と感じられるかもしれません。短いお話なため、小さなお子さまにもわかりやすいのではないでしょうか。
小さなお子さまにおすすめ
著者 :佐古 百美(絵)、高寺 夏代(文)
出版社 :ひかりのくに
子どもは、2歳くらいになるとちょっとしたうそをつき始めます。小さなお子さまのうそは、他愛がなくすぐにうそと見破れるものばかり。でも少しずつ、「うそは良くない事態を生み出すことがある」ということは伝えておきたいもの。小さなお子さまに、やんわりとうその悪い側面を伝えたいときにおすすめなのがこの絵本です。
おさるさんが思わずついてしまった小さなうそ。でもそのうそがどんどん大きくなってしまい、おさるさんはバツが悪い気持ちに。
「たとえ他愛のないうそだったとしても、大ごとに発展してしまうことがある」ということを、優しく伝えてくれます。小さな子どもは先を見通すことが難しく、うそがどんな事態を招いてしまうのか、なかなか想像できないでしょう。
でもこの絵本を読むことで、うそをついた後のことを想像しやすくなり、うそをつくことが少なくなるかもしれません。
うそをつくとどうなるのか教えてくれる
著者 :蜂飼 耳(文)、ささめや ゆき(絵)
出版社 : 岩崎書店
「うそ」というと、この絵本を思い出す方は多いのではないでしょうか。長く語り継がれるだけあり、「うそはなぜいけないか」が的確に表現されたストーリーです。
子どものなかには、注目を浴びたくてついつい小さなうそを重ねてしまう子もいます。そんなお子さまにこの絵本は、「たとえ他愛のないうそでも、重ねると大変なことになる場合がある」ということを、ストレートに伝えてくれます。
「うそをついてはいけません」と何度伝えても、お子さまにはなかなかピンとこないことも。しかしこの絵本が、「うそはなぜいけないか」を理解するきっかけになるかもしれません。
絵本を使って「うそ」を子どもにもわかりやすく
うそにまつわるさまざまなストーリーの絵本をご紹介しました。「うそはいけない」と伝えるものだけではなく、「楽しいうそ」に関するものあります。「うそ」にはいろいろな側面があるため、さまざまなストーリーのものを読んでみてはいかがでしょうか。
絵本を読んだあとはうそについて親子で話し合ってみると、さらに深く理解できるかもしれません。「うそは良くない」と言葉で伝えても、お子さまにはなかなか伝わりにくいもの。でも絵本を利用することで、「うそとはなにか」ということが、じんわり伝わるのではないでしょうか。