2017年04月05日 公開

時間割が空欄だらけ!?カナダの小学校事情は日本とこんなに違う!

国が違えば小学校制度も異なるもの。カナダでは日本の文部科学省のような機関がなく、教育制度は州ごとに定められており、義務教育や小学校の年数は州によってさまざまです。他にはどんな違いがあるのでしょう。筆者が暮らすケベック州を中心にカナダの小学校を紹介します。

国が違えば小学校制度も異なるもの。カナダでは日本の文部科学省のような機関がなく、教育制度は州ごとに定められており、義務教育や小学校の年数は州によってさまざまです。他にはどんな違いがあるのでしょう。筆者が暮らすケベック州を中心にカナダの小学校を紹介します。

カナダの小学校には入学式がない!?

カナダも日本と同じように義務教育は小学校からです。入学・新学年の始まりは、8月下旬または9月初旬。幼稚園が小学校に併設されており、そのまま進級するケースが多いので、入学を大々的にお祝いする習慣はありません。もちろん、入学のために特別な洋服を準備する必要もなし!

カナダの小学校も日本と同じように、新学年が始まる前に「学用品の名前付け」をします。学校から配布される学用品のリストには、鉛筆の本数やファイルの色まで細かい指定がずらりと記されています。

8月になると「Back to School Sale」という学用品のセールがはじまり、多くの人がリスト片手に買い物をします。新学年が始まる直前の週末は指定の学用品を求めてレジに長蛇の列ができ、会計までに30分ぐらいかかることも。

通学はパパやママと一緒!

 (47827)

unguryanu / Shutterstock.com
一般的に日本では、小学生になると子どもだけで通学しますよね。けれども、カナダは徒歩圏内の児童でも、多くの親が歩いて送り迎えをしています。小学生になると子どもと一緒に過ごす時間が少なくなるので、筆者はこの送り迎えの時間も息子との大事なコミュニケーションの時間だと感じています。

通勤前のパパが子どもを送っていく場合も多く、父親同士の井戸端会議があちこちで見られます。また、通学の手段については制限はなく、自転車はもちろんスケートボードやキックボードに乗って通うことも可です。

時間割は空欄だらけ

 (47828)

k_samurkas / Shutterstock.com
息子がカナダの小学校に入学して筆者が驚いたことのひとつが、時間割が空欄だらけなことです。

時間割に書かれているのは、曜日ごとに時間が固定されている体育や音楽などの専門教科のみ。時間割に、国語(息子の学校の場合はフランス語)や算数などの文字は一切ありません。

子どもたちは、学校に着いてからその日のスケジュールを担任から知らされます。黒板に書いておく先生もいれば、口頭で説明する先生もいます。時間割が配られないのですから、教科書などの教材は基本的に学校の机の中に置きっぱなし。宿題に使うものだけを学校から持ち帰ります。

昼休みはカフェテリアや学童、自宅で過ごす

 (47826)

Africa Studio / Shutterstock.com
カナダの小学校には、カフェテリアがあって児童が食べたいものを購入できるようになっていることもあります。ただ、ケベック州の公立小学校のほとんどにはカフェテリアはありません。学校で食べる場合はお弁当を持っていくか、事前に学校へ食事を注文しておくことになります。

日本では、教室で担任の先生とクラスメイトと給食を食べるのが当たり前ですよね。けれども、カナダの小学校は、昼休みは担任の先生にとっても休み時間。昼休みが1時間30分ほどあるので、家に帰って昼ごはんを食べる児童もいます。学校に残る児童は、学校に併設されている学童保育(有料)の教室へ移動します。

夏休みの宿題は基本的になし!

カナダの小学校の夏休みは6月下旬から2か月ほど。この期間に宿題は一切ありません。宿題が出たとしても、夏休み明けには進級してクラスが変わるので提出する場所がないというのが理由のひとつです。

夏休みだけではなく、週末や学年途中の春休みや冬休みにも宿題はありません。子どものときから「休みの日は休む」ということを習慣にできるのですね。

自由度が高く自分で選択する機会が多いカナダの小学校

 (47829)

Syda Productions / Shutterstock.com
カナダの小学校は、日本に比べて先生にとっても児童にとっても自由度が高いです。大きな枠組みは決まってますが、通学、授業、昼休みなど学校で過ごす時間の中で自主性を持って選択をしていく機会が多いです。日本で教育を受けた筆者は、事前にスケジュールなどは細かく決めたくなります。けれども、カナダ方式で、なるべく息子に任せて自由な選択をさせるように気をつけています。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

LOA
LOA

カナダ在住の英日翻訳者・フリーライター。Web媒体で子育てや語学学習についての記事を多数執筆。8歳の息子が0歳のときからはじめた絵本の読み聞かせは、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。これまでに息子と読んだ絵本や児童書は、日本語、英語、フランス語を合わせて数千冊。息子が笑顔になる絵本を見つけるのが喜びです。