2016年5月15日 公開

タイガーマザーって知ってる? 超スパルタ教育の果てにあるもの

「スパルタ?放任? 」 親だったらわが子の教育について誰もが一度は悩みますよね。でも、エイミー・チュアに迷いはありませんでした。世界中で論争を巻き起こした『タイガー・マザー』をヒントに、あるべき親子関係について考えてみましょう。

超スパルタ!秀才ママの書いた傑作ノンフィクション

タイトル:『タイガー・マザー』
著者  :著者 エイミー・チュア,翻訳者 齋藤孝
出版社 :朝日出版社(日本語版)

彼女はハーバード大学を首席で卒業後、弁護士となり、イェール大学のロースクールで教授をしています。夫のジェドも同じ大学の教授というこのエリート一家には、ソフィアとルルという2人の娘がいます。『タイガー・マザー』は、娘たちへの超スパルタ教育の顛末を赤裸々につづったノンフィクションです。

テレビもゲームも遊びもすべて禁止!

テレビもゲームも友達と遊ぶのも、すべて禁止。エイミーが娘に課したルールは過酷です。特にピアノとバイオリンに対する執着は強く、娘たちが課題曲を完璧に弾けるまでトイレに行くことも許しませんでした。その結果、娘たちの腕前は、「国際コンクール優勝、カーネギーホールで演奏会」という栄誉を受けるまでになります。

もうガマンの限界!次女の反抗

娘たちは、その素質とエイミーのスパルタがうまくかみ合い、「神童」と呼ばれるまでになります。
エイミーも自分の正しさを確認し、幸せの絶頂にありました。ところが次女のルルが、13歳を迎える頃から激しい反抗期に入ります。それはただの反抗期ではなく、公衆の面前でエイミーを「たちの悪い母親」と罵倒するほど深刻なものでした。しばらくして、エイミーは白旗をあげます。ルルのレッスンをすべてストップしたのです。ルルと対照的なのが長女ソフィアの態度でした。彼女は「もし私が明日死んだとしたら、110%の密度の人生を生きたという思いで死ねることでしょう。ありがとう、ママ」と感謝の手紙をつづっています。

タイガーマザー式は是か非か……巻き起こる論争

『タイガー・マザー』の反響は大きく、日本を含む16カ国でベストセラーになりました。
エイミーの教育の話題性だけがその理由ではありません。エイミー自身が告白しているように、この本は「自らの教育方針に間違いがあったことを認め、悔い改めるために」書かれたのです。
ところが多くの読者が「エイミーの教育に間違いはない」という感想を示しました。そのため賛否両論、激しい論争が起きたのです。

「タイガー式」の教育は万能か?

グローバル化は教育現場にも広がっています。英語の早期教育を筆頭に、子どもを国際人として育てるためにどんなレベルの教育を、いつ、どのように与えるのか。
タイガー式は、「早く、高密度に、徹底的に」を信条とします。その結果、子どもは図抜けた知性と技芸を身に着けました。しかし、親と子の心はつながりを失い、その絆はいまも完全には戻っていません。知識や経験を与えるだけが教育なら、タイガー式は抜群に効果を発揮します。ですが、子どもの感情や人格の形成となると、タイガー式の守備範囲を超えてしまうようにも思えます。
みなさんはどう考えますか?

教育法を選択する前にすべきこと

『タイガー・マザー』と「教育の成功(失敗)」はリンクしません。事実エイミーの場合も、次女の失敗とは対照的に、長女へのスパルタは彼女が幸せな人生を歩むことに貢献しています。
一番肝心なことは、子どもの個性を注意深く判断し、これから与えようとする教育がその子にふさわしいかをしっかり見きわめることなのかもしれませんね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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takutaku takutaku  雑誌の編集を経験後、フリーライターとして活動しています。