2018年11月05日 公開

イギリス小学生の放課後事情は?遊びも親が付き添うって本当?

イギリスの小学生は、学校の登下校を一人でしてはいけないというルールがあります。また放課後に友だちの家に遊びに行くときは、どうしているのでしょうか?今回は、習い事などイギリスの小学生の放課後の過ごし方や、友だちとの遊ぶ場合に気になったことをお伝えします。

イギリスの小学生は、学校の登下校を一人でしてはいけないというルールがあります。また放課後に友だちの家に遊びに行くときは、どうしているのでしょうか?今回は、習い事などイギリスの小学生の放課後の過ごし方や、友だちとの遊ぶ場合に気になったことをお伝えします。

一人で登下校してはいけないって本当?

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イギリスの小学校と日本の小学校との大きな違いに、登下校の付き添いがあります。聞いたことがある方もいるかもしれませんが、イギリスの小学校は、基本、子ども一人で登下校ができません(保護者なしの登校ができません)。

多くの学校は、Year 5の学年(9~10歳)になれば、保護者が申請書を学校に出すことで、一人登下校が認められるのですが、必ずしもそうする親ばかりではないようです。理由は、犯罪や交通事故防止などの安全面、車で登校する家庭が多いなど、学校までの通学距離の問題等が挙げられます。

そういったことも含めて、登下校時は、生徒とその保護者で学校敷地内およびその周辺は、非常に人口密度が高くなります。

兄弟姉妹が小さい場合、毎日、登下校の時間に合わせて一緒に連れて行かなければならず、親が仕事・用事がある場合は、代わりに登下校してくれる保護者(多くの場合は祖父母)、またはチャイルドマインダーに頼まないといけないなど、正直面倒なところもあります。しかし、子どもの安全面を考えると、親として安心できるシステムといえます。

毎日学校に行くため、日々顔を合わせる他の保護者の方と顔見知りや友だちになりやすいというメリットもあり、最初は”Hi!”という短い挨拶程度だった関係も徐々に近くなり、ママ友に発展というケースも。ママ友ができると、お迎えまでの待ち時間がおしゃべりタイムになったりして、楽しくなりますよ♪

放課後は忙しい子どもが多い!

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イギリスの小学生の放課後の過ごし方を考えたとき、習い事をしている子どもの割合が多いことに気づきます。

学校外で、個人教師について音楽やダンスや語学を習ったり、サッカーやテニス、スイミングなどのスポーツの教室に入るなど……。日本の習い事事情とあまり違いはないかもしれません。

さらに、それに並行して、学校内の放課後の各スポーツクラブ(曜日によって内容が異なる)にも参加している生徒も多いです。こちらは、日本の部活動に少し似ているかもしれません。

学校主催、または学校と提携した団体が主催しているので、費用が学外の習い事よりも抑えて設定してあり、気軽に参加しやすいのが特徴です。

他にも、習い事や放課後のスポーツクラブがない日に、保護者のお迎えの時間まで預かってくれる「アフタースクールクラブ」で過ごす生徒もいます。これは日本の学童に似ていますね。

このように、学外の習い事、学内のクラブ、アフタースクールクラブなどで、放課後は忙しくしている子どもの姿をよく見かけます。

親が遊びのスケジュールを調整しなくちゃいけない!

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保護者なしの登下校ができないということは、上記でお話した通りですが、習い事などもなく、友だちの家へ遊びに行く場合はどうなのでしょう?

こちらも、子どもが自分一人で放課後に友だちの家へ遊びに行くことは、通常ありません。子どもから「誰々の家で遊びたい」とリクエストがあったら、親が相手の親とスケジュールを話し合って、「プレイデート」と呼ばれる、遊びの日を設定します。

プレイデートの日が決まれば、その放課後は遊びに行く相手の保護者の方が、双方の子どもを学校へ迎えに行き、相手のお家まで連れて帰ってくれます(こちらへプレイデートに誘うときはその逆)。そして親たちが決めた時間まで、子どもたちを遊ばせてくれます。

ここで忘れてはいけないのが、担任の先生に「その日のお迎えを遊ぶ相手の保護者にお願いしたことを伝える」ということ。そうしなければ、子どもは教室を出てお友だちの家へ行くことができません!

プレイデートに誘ったら、晩御飯まで考えるべし

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ところで、プレイデートには晩御飯までセットになるケースが多く、わが家もプレイデートに誘われた際に、「ご飯はピザでいいかしら?」「好き嫌いはある?」「アレルギーは?」と聞かれ、最初は「ええ!?ご飯まで出してくださるの?」と驚きました。他の方に聞くと、晩御飯まで一緒にというのはよくあることなのだとか。

子どもが招待されるときは、晩御飯まで食べて帰ってくるので親としては気楽で良いのですが、招待された後は、こちらにもお招きするのがマナー。ご飯は何にしよう?食べてくれるかしら?とお友だちを呼ぶ前には、正直少し不安になります。

せめてもの救いは、簡単なメニューで良いということです。ピザやチップス(フライドポテト)、パスタなど、子どもが好きそうなもので大丈夫なので、子どもが遊んでいるときにササっと用意することが可能です。

晩御飯まで出すのは義務ではなく、おやつを食べてお迎えの時間まで遊んだら終了というパターンでも、もちろんOKです。

気軽に遊びに行っていた、子ども時代が懐かしい……

イギリスでは子どもたちだけで、公園で遊ぶということもありません。公園遊びにも親が付き添います。たしかに、今のご時世、安全面を優先に考えれば、登下校にも、友だちのお家に行くにも保護者の付き添いが必要なのは理にかなっているように思います。

……ですが、自分の子ども時代を思い返すと、
「〇〇ちゃんの家に遊びに行ってくるね!」
「〇時までに帰ってくるのよー!」
なんていう親子のやり取りが、ちょっと懐かしくも感じます。

時代も違うのですが、国が違えば、子どもの放課後事情もさらに違うのだなぁと、子育てをしながら、英国の空の下でしみじみ感じています。

取材・文・イラスト:いしこがわ理恵
在英13年目の2時の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。

※いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの過去記事はこちら↓↓↓

イギリスの教育事情を現地発信! 英国すくすくレポ

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この記事のライター

いしこがわ理恵
いしこがわ理恵

在英12年目ハンドメイド好きの2児の母。武蔵野美術大学卒業。現在は教育に携わる仕事の他に、日本にルーツのある子どもたちを対象とした日本語子ども会活動・児童文庫活動も行っています。興味の範囲が幅広いので、常にいろいろな方向にアンテナをはりつつ情報収集が日課です。ハッピー子育てに役立つ情報をみなさまにお届けできれば嬉しいです。Instagram @rie.ishikogawa