そもそも台風とは、熱帯の海の上空で生まれた低気圧の中でも、中心付近の最大風速が秒速17.2メートル以上のものを指します。

国際的な取り決めにより、最大風速が秒速33メートル以上のものをタイフーンと呼んでいます。

熱帯などの温かい海域では、太陽が発する日射しによって海水の温度が上昇します。暖まった海水は周りの空気の温度を上昇させると共に、大量の水蒸気を含んだ上昇気流を発生させます。

そして上昇気流によって水蒸気が上空に運ばれ雲を形成します。
これを繰り返すことで、上空に巨大な積乱雲が形成されます。

水蒸気が凝結して雲に変化する際に潜熱と呼ばれる熱を解放します。
この潜熱は、大気を暖め、積乱雲内部にある上昇気流をさらに強化する働きをします。ここに微量の低気圧が形成されます。そして、高温多湿の空気が低気圧の中心あたりに吹き込まれます。

結果、さらに雲が積み重なり、より上空が暖められ台風は発生します。

この熱によって水蒸気を含む空気が雲を発生し、台風へと発達します。
よって、海水の温度が高い海域は、常に台風にパワーを供給しています。

逆に、本土に上陸することで台風はパワーの供給を受けることができず、次第に勢力を弱める、ということなんです。

特に沖縄では非常に勢力の強い台風が頻繁に上陸しますよね。
テレビのニュースなどでもご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか？
ではなぜ台風が日本に度々上陸するのか？

それは、日本の地理的要因が関係しています。

台風の原型は「低気圧」であると先ほどご紹介しました。
日本の南東の海上では、台風の卵と言われる熱帯、または亜熱帯低気圧が非常に多く発生します。その発生した台風が、風の流れに乗って日本に上陸しているのです。

ですので、日本の地理が変形しない限り、台風とは切っても切れない関係にあるわけなのです。

ハリケーン…北大西洋で生まれた台風の仲間
サイクロン…北インド洋で生まれた台風の仲間

また、台風に関わりの深い言葉で「エルニーニョ現象」というものがあります。ちなみにエルニーニョ現象とは、日付変更線付近からペルー沖にかけての海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年ほど続く現象です。これにより、世界の熱帯低気圧の活動に大きく影響を与えていると言われています。

モンスーンも台風の仲間と勘違いしている方がいますが、インド洋及び南アジア、東南アジアにおいて吹く季節風のことを指します。
あわせて覚えておいてくださいね。