2019年10月26日 公開

英語のことわざを子どもと一緒に日常会話で使ってみよう

昔の時代を生きた人たちが残した諺(ことわざ)。先人の知恵が詰まった諺に、人生を支えられる場面がありますよね。英語でもたくさんの諺があります。日本語と同じ表現のもの、表現は異なっても同義のものなど、さまざまです。お子さまと一緒に英語の諺に挑戦してみましょう。

昔の時代を生きた人たちが残した諺(ことわざ)。先人の知恵が詰まった諺に、人生を支えられる場面がありますよね。英語でもたくさんの諺があります。日本語と同じ表現のもの、表現は異なっても同義のものなど、さまざまです。お子さまと一緒に英語の諺に挑戦してみましょう。

英語にもたくさんのことわざがある

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世の中の物事をシンプルにわかりやすく表現する言葉、諺(ことわざ)。受け継がれてきた教訓がぎゅっと詰まった言葉から、勇気やエネルギーを与えられることもあるでしょう。英語にもたくさんのことわざがあり、日常会話・映画やドラマのワンシーン・メールやSNSでもよく見聞きします。

使われる単語・フレーズ・文法がシンプルで、文章が短いものも多くあります。英語学習の気分転換に、お子さまとのやりとりに簡単に取り入れられるでしょう。

有名な英語のことわざ15選

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お子さまと一緒に覚えられるような、英文のことわざを紹介します。簡単な単語からなる短い文章のものばかりですので、ぜひ声にだしてみてください。

1. Failure teaches success

【日本語訳】失敗は成功を教えてくれる
【日本の諺】失敗は成功のもと
【解説】これまで偉人と呼ばれる多くの人たちが、失敗を繰り返して成功にたどり着くと伝えてきました。子どもたちには小さいうちにどんどん失敗して、学び、自立の道を見出してもらうことが期待されます。失敗は恥ずかしいことではないと、教えてあげましょう。

※類義のことわざに、"Good comes out of evil"(災い転じて福となす)があります。

2. After rain comes fair weather

【日本語訳】雨のあとには晴天がやってくる
【日本の諺】雨降って地固まる
【解説】もめ事などのあとには、かえって状態がよくなることを言います。雨の日で憂鬱そうなお子さまと、てるてる坊主を作りながら伝えたい諺ではないでしょうか。

※fair weather :晴天
※After a storm comes a calm(嵐の後には凪がくる)とも言います。

3. The pen is mightier than the sword

【日本語訳】ペンは剣よりも強い
【日本の諺】ペンは剣よりも強し
【解説】イギリスの作家エドワード・ブルワー=リットンによる戯曲で用いられた言葉とされています。類似する表現が多数あり、「言論は武力に勝る」ことを訴える人は昔から世界中に多く存在しました。テレビや新聞を通して武力や暴力などに関する出来事を目にしたときなどで、子どもに伝えたい言葉でもあります。

※mightier : mighty(形容詞:強力な)の比較級
※sword : 剣、武力

4. Birds of a feather flock together

【日本語訳】一つの羽(=同種の羽)を持つ鳥たちは群がる
【日本の諺】類は友を呼ぶ
【解説】日本では「類友(るいとも)」と省略されて使われることもあるおなじみの諺です。英語では、BOFと省略して表現することもあります。お子さまが楽しそうにお友達とのエピソードを話してくれるときに教えてみてはいかがでしょうか。

※flock : 群がる(動詞)
※人間関係に纏わる諺の例として、”A friend in need is a friend indeed” (まさかのときの友こそ真の友)や、"Love begets love" (愛は愛を生む)があります。

5. When in Rome, do as the Romans do

【日本語訳】ローマにいるときは、ローマ人のするようにしなさい
【日本の諺】郷に入っては郷に従え
【解説】新しい土地、新しい組織(環境)になじもうとしているときなどに教訓となる言葉です。今後、外国とのつながりが多くの場面で見られるようになるであろう日本。変化に対応する柔軟な姿勢も培っていくことが求められます。

※when in Rome : when you are in Romeの省略形
※as : ~のように
※the Romans : ローマ人

6. There is no time like the present

【日本語訳】今のようなときはない
【日本の諺】思い立ったが吉日
【解説】何か新しいことを始めたりするときに、後押ししてくれる諺です。子どもの「やってみよう」の気持ちを行動に変える魔法の言葉になるかもしれません。

※時間やタイミングに関する諺も多くあります。以下に例を挙げました。
"Procrastination is the thief of time"(先送りにするのは時間泥棒)
"Never put off till tomorrow what you can do today"(明日やろうは馬鹿野郎)
"Better late than never"(遅くてもしないよりはまし)
"The early bird catches the worm"(早起きは三文の徳)

7. Killing two birds with one stone

【日本語訳】ひとつの石で二羽の鳥を殺す
【日本の諺】一石二鳥
【解説】日本でもよく使われる諺ですが、17世紀のイギリスの諺を翻訳したものです。ひとつの行為からふたつの利益を生む、という意味を指します。

8. The fear is worse than the pain

【日本語訳】恐れは痛みより悪い
【日本の諺】案ずるより産むが易し
【解説】あれこれ心配したのに、実行したら思いのほか簡単だったこと、ありますよね。お子さまが先を案じて挑戦しようか迷っていそうなときに、包み込む笑顔で伝えたい諺です。

9. Even Homer sometimes nods

【日本語訳】ホーマーさえ、ときには居眠りする
【日本の諺】弘法も筆の誤り
【解説】ホーマーとは、かの偉大なギリシャ詩人を指します。名人でも失敗することがある、のたとえ。失敗を恐れなくて良いよ、誰でも失敗するよ、というメッセージとして教えたい言い回しです。

※類似の諺ではEvery dog has his day.(犬も歩けば棒に当たる)もあります。

10. Don't cry over spilt milk

【日本語訳】こぼれたミルクのことで泣いても仕方ない
【日本の諺】覆水盆に返らず
【解説】済んだことを後悔してもどうにもならない、の意味です。意図的でも偶然でも、やってから後悔するような場面はきっと誰しもあるでしょう。終わったことに対してくよくよせず、これからどうすればよいのかを一緒に考えながら伝えたい諺です。日本語では「水」ですが、英語では「ミルク」なのが面白いですね。文化の違いがうかがえます。

※spiltはspill(動詞:こぼす)の過去分詞
※"It's no use crying over spilt milk"とも言います。

11. Seeing is believing

【日本語訳】見ることは信じること
【日本の諺】百聞は一見に如かず
【解説】自分で見たものは確かで信じられる→何事も自分の目で確かめよう、という意味です。物事の仕組みを説明されるよりも、実際に見たらあっという間に理解できた経験はありますよね。お子さまとの社会見学の機会などで使ってみたい諺です。

※"A picture is worth a thousand words"とも言います。

12. Bad news travels fast

【日本語訳】悪い知らせは早く広まる
【日本の諺】悪事千里を走る
【解説】子どもを脅かしたくはありませんが、悪いことはできないというたとえは世界各国で共通認識といえるでしょう。簡単な言い回しなので覚えやすいです。

13. Time is money

【日本語訳】時間はお金である
【日本語の諺】時は金なり
【解説】時間の使い方、大切さを教えるときに伝えたい諺です。

※お金にまつわる諺はいろいろあります。
"Money will come and go" (直訳:お金は来ては去っていく=金は天下のまわりもの)
"Money doesn't grow on trees" (金のなる木はない)
"Money is root of all evil"(金は諸悪の根源)

14. Practice makes perfect

【日本語訳】練習が完璧をもたらす
【日本語の諺】習うより慣れよ
【解説】絶え間ない練習によって更なる上達ができる、という意味です。努力や継続の大切さを伝えたいときに教えたいですね。英文と日本文のニュアンスに差があるように感じますが、慣用句としてはこの組み合わせで認知されています。ひとつのことに打ち込んで極めていく意味合いの諺です。

※対義する諺を挙げてみます。
"A rolling stone gathers no moss"(転がる石には苔が生えぬ=職業や住まいを転々とする人は成功できない)
"Jack of all trades, master of none"(多芸は無芸)

15. Haste makes waste

【日本語訳】急ぐことは無駄をうむ
【日本の諺】急がば回れ
【解説】たとえ時間を要しても、確実な方法を選んだ方が効率よく進むことのたとえです。あわてんぼうさんにおまじないのように教えてあげたい言葉です。

※Haste : 急ぎ、急ぐこと(名詞)
※"Make haste slowly"(焦りは禁物)とも言います。

親子のやりとりに使ってみよう

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成長とともに環境や人間関係が入れ替わるお子さまたちも、日々葛藤を繰り返しているはずです。お友達とやりとりがうまくいかなかったとき、習い事で失敗してしまったとき、いろいろあるでしょう。沈んだときの特効薬はパパママの心からの言葉。「大丈夫、安心してね」の思いを込めて英語のことわざを伝えてみてください。

リビングやトイレなど、よく目に留まる場所に大切な諺を書いた紙を貼るのも効果的です。勇気をもらえる言葉から、心の安定はもちろん英語の表現力アップも期待できるでしょう。

そもそも「ことわざ」は英語でなんという?

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英語で諺とは、"proverb"や"saying"と表現します。proverbの方が、教訓を強く提示する言い回しとされていますが、意味合いに大きな差はないと言ってよいでしょう。

【proverb】
教訓や助言を含むような言葉。昔から伝えられている真実や体験に基づく教訓からなります。

例:As the proverb says, "No pain, no gain."
(諺にもあるとおり、「苦労無くして利益無し」だよ。)
例:As the proverb goes, "A good medicine tastes bitter."
(諺にもあるように、「良薬は口に苦し」さ。)
例:My favorite proverb is "Tomorrow is another day."
(一番のお気に入りの諺は、「明日は明日の風が吹く」です。)

【saying】
世間一般に広く使われる短文で、助言を含む場合が多いです。

例:As the saying goes, "Look before you leap."
(俗に言うように、「転ばぬ先の杖」だよ)
例:As the saying runs, "Too many cooks spoil the broth."
(俗に言うとおり、「船頭を多くして船山に登る」さ。)
例:I like the saying "Like mother, like daughter."
(「この親にしてこの子あり」がお気に入りよ。)

日常会話やSNSに取り入れてみよう

Girls Children Kids - Free photo on Pixabay (137651)

お気に入りのことわざは、人生の折に触れて自分を奮い立たせてくれるものです。格言や名言がもたらす力を改めて感じられるはず。心安らぐ英語のことわざをお子さまと一緒に諳んじてみましょう。親子共通の合言葉で、絆も深まるはずです。

また最近では、SNSで近況発信する場合にことわざを用いている外国人も多く見受けられます。伝えたいことを簡潔に、おしゃれにまとめたいときにもことわざは大活躍するはずです。

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この記事のライター