2018年9月12日 公開

エリクソンの【ライフサイクル論】とは?ぜひ知っておこう

モンテッソーリ、シュナイターなどの教育理論や知育おもちゃは、日本でもよく知られています。では【エリクソンのライフサイクル論】は、耳にしたことありますか?幼稚教育理論で重要な、発達心理学者エリクソンの【ライフサイクル論】についてご紹介します。

エリクソンはどのくらい影響力のある人なの?

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BlurryMe / Shutterstock.com
実はエリクソンは、保育士や学校の先生なら知らない人はいないくらい、保育士試験や教員採用試験にも頻出する、とても有名な人物です。

特に、アイデンティティ(自我)の概念や発達心理学において、精神分析学者として有名なフロイトの理論を発展させたとしてよく知られています。

また、文部科学省による学習指導要領は、子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題を「乳幼児期」「学童期」「青年前期(中学校)」「青年中期(高等学校)」の4段階に分けて挙げているのですが、実はこれもエリクソンの発達理論を元に作成されているのだそうです。

ライフサイクル論の概要と8つの段階

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Monkey Business Images / Shutterstock.com
みなさんご自身の精神はどのようにして発達したと思いますか?

教育、環境、他者との関わり、社会規範によって……などなど、いろいろな回答があるかと思います。

エリクソンは人間の一生を「ライフサイクル」と捉え、精神発達の過程を8つの段階に分けるとともに、各段階にある課題を克服することで精神的発達を遂げるとして理論化しました。

心理学のみならず教育においても影響をあたえているエリクソンの発達理論は、一般的に【ライフサイクル論(心理的社会的発達理論)】と呼ばれます。

エリクソンによれば、人間の成長は下記の8段階に分けて考えられます。

1:乳児期
2:幼児期
3:遊戯期
4:学童期
5:思春期・青年期
6:成人期
7:壮年期
8:老年期

ライフサイクル論では、各段階において、プラスの力(発達課題)とネガティブな力(危機)が対になっており、その両方の関係性が人として発達していくのに大きく影響するとされています。なので、プラスの面だけ習得する、ネガティブな面だけ習得するということではありません。また、ネガティブな力を克服することでプラスの力にもなり得るし、プラスの力は各段階以降に取得することも可能だとエリクソンは説いています。

1~3の乳児期、幼児期、遊戯期の3つの段階について、もう少し詳しく見ていきましょう。

乳児期

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Joana Lopes / Shutterstock.com
乳児期は0歳~1歳6カ月頃を指します。

この時期の乳児は、話すことができず、あらゆる行為をするために他者の力が必要です。パパママなどから受ける愛情を通じて成長します。

この時期の発達課題は「基本的信頼 対 不信」です。

「基本的信頼」は、おむつを替えてもらったり、おっぱいやミルクをもらったり、世話をされることで他者から受ける信頼と、その信頼を受けて自分に対して抱く信頼感を意味します。

逆にこの時期に信頼感が欠如すると「不信」へと繋がり、将来のアイデンティティ形成へ影響があるとされます。

幼児期(早期幼児期)

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Bartosz Budrewicz / Shutterstock.com
幼児期は1歳6カ月~4歳頃を指します。

この時期の子どもは、身体・運動能力もさらに発達し、自由に歩けるようになるなど、自分の意思で動けるようになります。

さらに、言語能力の発達に伴い、自分の意思を他者に伝えられるようになります。一方で、しつけなどを通じてルールを学んで社会性を身に付けていく時期でもあります。

発達課題は「自律性 対 恥」です。

他者との生活において自分をコントロールすることができるようになること、すなわち「自律性」を身に付けていく一方、できないことを「恥」ととらえて自信をなくしてしまう可能性もあります。

トイレトレーニングを例えにするとわかりやすいのですが、自分でおしっこ・うんちをすることをコントロールできるようになり、自律性を習得します。

しかしもしうまくできない場合、それを恥ずかしいと思い、さらにはできないことを他者に知られたくないという羞恥の思いが芽生えます。

この段階でも、自律性というプラス面が、「恥・羞恥」というネガティブ面を上回ることが重要とされています。

遊戯期(幼児後期)

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遊戯期(幼児後期)は4~6歳頃を指し、遊戯という名の通り、おままごとなど、子ども自ら自主的に遊ぶことが多い時期。集団生活の中で自分の社会的役割を見出し、規範やルールに従い、まわりに合わせて行動できるようになります。

発達課題は「積極性 対 罪悪感」です。

あらゆることに挑戦する積極性(自発性)が高まる一方で、自分の行動が失敗すれば、まわりから怒られたりしてしまうかもしれないという恐れ(罪悪感)を持つようになります。

この時期には、罪悪感というネガティブ面ばかりを抱えずに、自発的に行動できるようプラス面が上回るようにすることが大切です。

もっと知りたい方へオススメの1冊

あなたは人生に感謝ができますか? エリクソンの心理学に教えられた「幸せな生き方の道すじ」 (こころライブラリー) | 佐々木 正美 |本 | 通販 | Amazon (111149)

タイトル:あなたは人生に感謝ができますか? エリクソンの心理学に教えられた「幸せな生き方の道すじ」
著者  :佐々木 正美
出版社 :講談社

ベストセラー「こころのまなざし」をはじめ、数々の育児書を執筆されている児童精神科医の佐々木正美先生の著書。

エリクソンのライフサイクル論が、育児に活かせるようわかりやすく解説されているので、もっと知りたいという方へオススメの1冊です。

筆者自身、ライフサイクル論を知ったことで、子どもの発育に関して客観的な視点で見れるようになりました。

みなさんも、エリクソンのライフサイクル論を学んで、ぜひ育児に役立ててみてくださいね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

早野沙織 早野沙織  在仏3年目、フランス人旦那と二児(2歳と0歳男児)とアルプス地方グルノーブル市在住のママライター。慶応義塾大学法学部卒業。現地から日本ではあまり知られていないフランスの地方・育児事情をお届けします!