「とんち」は日本の昔話によく登場します。スカッとする話や笑える話が多く、お子さまへの読み聞かせにもピッタリ。本が苦手なお子さまでも、飽きずに最後まで聞くことができるでしょう。ここでは有名なとんちのお話や、読み聞かせにおすすめの絵本をご紹介します。
とんちって?
このとんちは、日本の昔話にもよく登場します。とんちの昔話と聞き、きっと多くの方が思い浮かべるのが「一休さん」。このほかにも「彦一話」「吉四六話」など、昔話の中にはとんちを題材とした楽しいお話がたくさんあります。
とんちばなしの定番「一休さん」
著者 :杉山亮(文)、長野ヒデ子(絵)
出版社 :小学館
一休さんのお話のなかで、とくに有名なのが「虎退治」。彼のとんちのうわさを聞きつけた将軍様は、ある日一休さんを呼びつけます。そして将軍様は一休さんに、「このついたての中にいる虎が、飛び出して暴れるので困っている。この虎を縛ってほしい」と無理難題を押し付けるのです。
この難題を、一休さんは得意のとんちで難なく切り抜けます。いばっている将軍様にひと泡ふかせる、スカッとするお話です。
この絵本には、虎退治のほかにも「このはしわたるべからず」などおなじみの作品が収録されています。パパママのなかには、小さな頃に一休さんのアニメを見ていたという方も多いのでは?記憶を思い起こしつつ、お子さまと一緒にとんちを楽しんでみてはいかがでしょうか。
悪知恵が働く「吉四六さん」
著者 :寺村輝夫(文)、ヒサクニヒコ(画)
出版社 :あかね書房
吉四六さんは要領がよく、ときに悪知恵が働く人物。しかしどこか憎めないところが人気を集めています。自由奔放な吉四六さんの振る舞いは、子どもの目には魅力的にうつるかもしれません。その代表的なお話のひとつに、「柿の見張り番」があります。
これは彼が子どもの頃のエピソード。吉四六さんの家の庭に柿がなりました。彼の両親は柿が盗まれないよう見張っておくように、吉四六さんにいいつけます。でも吉四六さんも柿を食べたくてたまりません。そこへ友人がやってきて、「食べよう」とけしかけました。
吉四六さんは友人の誘いに乗り、柿をすべて食べてしまいます。帰ってきた両親は吉四六さんをこっぴどく叱りますが、とんちを聞かせた一言でこの場を切り抜けるのです。
この本には有名なエピソード数話がおさめられています。1話1話が短いので、読み聞かせにはピッタリ。また吉四六さんのお話は、子ども向けだけではなく大人向けのものも数多くあります。お子さまの本とともに、パパママ向けのお話も探して読んでみるのも楽しそうです。
親しみやすい人柄「彦一さん」
著者 :寺村輝夫(文)、ヒサクニヒコ(画)
出版社 :あかね書房
キツネやタヌキと化かしあいをするなど、一目でフィクションとわかる話が多いところも彦一さんの特徴です。そんなお話のなかで特に有名なのが「タヌキと彦一」。
ある日、彦一さんの家にいたずら好きのタヌキがやってきました。彦一さんはタヌキをからかってやろうと知恵を絞り、まんまと騙すことに成功します。
楽しく明るいお話ばかりなので、小さなお子さまにも安心して読み聞かせられるでしょう。「このあと、どうなるのかな?」とお子さまとお話ししながら楽しんでみてください。
とんちの話を親子で楽しもう
またとんちは頭の柔軟性を鍛えたり、脳の活性化を促したりといった効果があるとも言われています。とんちの絵本をお子さまの知育に上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。