子どもの頃からわからないことを辞典で調べる習慣をつけておけば、学力をつけていくうえでの大きなプラスになります。「ことばえじてん」はその第一歩として、絵を楽しみながら楽しく学べる頼もしい存在です。対象年齢、絵の好みなどで、長く愛用できる1冊を選びましょう。
「ことばえじてん」って? 買うタイミングは?
図鑑が写真などで物や生き物などを系統的に説明しているのに対し、ことばえじてんは言葉から入りその意味や使い方が絵とともに簡潔に記されているので、幼児の言葉の習得に役に立ちます。
親からすると簡単な言葉ほど、どう説明してよいか窮してしまいますが、ことばえじてんを使うと専門家による正しい表現によりきちんと伝えることができます。
また、小学校に入ると国語辞典など使うようになりますが、幼児の頃からじてんを引くことに慣れ親しんでおいたり、言葉を調べる楽しさやコツを身につけるようにしておくと、子どもが自発的に知識を本から学ぶ良い習慣が身についていきます。
とは言え、あまり押しつけるのではなく、最初に絵本の読み聞かせのように親子で一緒に楽しく引いてみて、あとは図鑑や地図などとともに子どもがいつでも手にとれるリビングなどに置いておくと良いでしょう。
ことばえじてんの選び方
1.収録されている言葉について
子どもの年齢や興味に合っているか?収録されてる言葉は難しすぎず、かといって簡単すぎないか?もちろん長く使うことを念頭に充分な数の言葉が網羅されていることも大切です。
2.イラストについて
子どもや親の好みに合っているか?好みは個人差が大きいので好き嫌いもあって当然です。
3.本のカタチについて
大きさ・重さ・ページのめくり具合など。興味をもったらすぐに引きやすいことも大事ですし、やはり長く使うので強度も必要です。
4.じてんとしての機能について
ある言葉を引いてみて、それを出発点に連鎖的に言葉の世界に広がりを感じることができると楽しいです。最近子どもからたずねられた言葉を試しに引いてみて、その意味の説明文で出てくる言葉をまた引いて、なんて繰り返してみて、親からみて納得できる説明がつきそうだと共感できたら良いですね。
本屋さんや図書館などで子どもと一緒に実物を手にとりながら選んでみると良いでしょう。
2歳~6歳向け 『こども ことば絵じてん 増補新装版』
著者 :金田一春彦(監修), 三省堂編修所(編)
出版社 :三省堂
三省堂のロングセラーで、6歳までに必要とされる約2,900語が50音順に収録されています。
ひとつの言葉をイラスト中心に右に意味・左に使い方などが簡潔に掲載されているので、親が子どもに言葉を教えるヒントにもなります。またイラストは幼児の「身近な生活」が描かれているので、言葉と経験が結びつけやすく親子の会話が絵本のように広がります。
言葉の使い方がわかる例文や、反対語、仲間分けなども載っていて言葉のイメージを掴みやすく、じてんを引く楽しさを伝えることができます。
今回の新装版では「ていねいにはなそう」という敬語の基礎表現の項目が増補され、幼児の日常生活のさまざまな場面をとりあげて解説されています。
3~6歳向け『小学館 ことばのえじてん』
著者 :篠崎晃一(監修), 小学館国語辞典編集部(編集)
出版社 :小学館
3,100語収録されているのは今回紹介しているものの中では最も多く、幼児に身近な英単語も160語掲載されています。
動きやもののようすをあらわすことばが充実していて、言葉の説明はイラスト中心に右に例文、左に意味が配置されいています。
言葉の仲間を集めた「まとまりのことばのページ」では、「どうぶつ」など子どもが興味を持ちやすいトピックが写真で表示されているので図鑑のように楽しめます。
ひらがな、かたかなの書き順表も掲載されています。
2~6歳向け『くもんのことば絵じてん』
著者 :公文公(監修)
出版社 :くもん出版
くもんのことば絵じてんは、50音順ではなく「グループ分け」された場面ごとにイラストとともに構成されている「図鑑+辞典」形式になっています。
幼児の日常生活でつかわれる言葉を約1500語収録されており、索引をつかっての辞書引きもできます。
グループ分けされた場面構成は幼児が言葉をイメージしやすく、仲間の言葉が見開きにちりばめられ、バリエーションも豊富です。
50音順の配列ではちょっと、、、と感じる方にはおすすめのロングセラーです。
『0さいからの にほんご えいご ことば絵じてん』
著者 :下薫(監修)
出版社 :東京書店
この本の最大の特徴は、付属の音声ペンでタッチすると音声で言葉を教えてくれることです。英語の発音も確認できます。親も一緒に英語を学ぶことができるという声もあります。動物の鳴き声も聴けるので子どもは喜びそう。
乗りもの、動き、気もちなど約3,000語収録。ゲーム、クイズ、歌も楽しめます。50音順。
遊び感覚で親子で楽しみながら学びましょう
また、寝るときに毎日3語ずつ見る、などしていけば辞典を見る習慣もつけやすいですね。言葉を使って「お話」を作ってみれば、想像力も高められますね。親も面白がっている姿を見せると自然に興味を持ってくれるものです。読んでみると、大人も改めて気づくことが多いはず。