2019年09月06日 公開

【おうち探究学習】これからの時代に必要な力は「6つのC」

これまでは、賢さとは学力で測るものとされていました。しかしこれからの時代は学力が高いだけでは活躍することができないと言います。では、どんな力が必要なのでしょうか。日本初のSTEM教育スクール「ステモン」を主宰する中村一彰さんに聞きました。連載最終回です。

           

これまでは、賢さとは学力で測るものとされていました。しかしこれからの時代は学力が高いだけでは活躍することができないと言います。では、どんな力が必要なのでしょうか。日本初のSTEM教育スクール「ステモン」を主宰する中村一彰さんに聞きました。連載最終回です。

おうちでできる探究学習【全4回連載】

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日本ではじめてのSTEM(ステム)教育スクール「ステモン」主宰の中村一彰です。

「STEM教育」とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字をとったものです。

STEM教育は、よく“理数教育”ととらえられますが、そうではありません。
想像力表現力問題解決能力個性を大切にすることこそが、STEM教育の根底にあるものです。

『おうちでできる探究学習』をこれまで3回にわたり連載してきましたが、最終回では、これからの時代を生きる子どもたちに必要な力と、それを養うための学校と家庭の役割について、お伝えします。

学力はこれから必要な6つの力のうちの1つでしかない

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これまで、賢さの定義といえば「学力」でした。
テストや通知表で評価される学力が高い子=賢い子とされてました。

しかし、社会が変化する中で、「賢さ」の定義も変わっていきます。

そこで私が主宰する教室では、次の6つの指標を置いて子どもたちを評価しています。

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(1)Collaboration=協力してつくる力
(2)Communication=伝える
(3)Content=学力
(4)Critical Thinking=批判的に考える
(5)Creative Innovation=創造する力
(6)Confidence=失敗を恐れない気持ち
(参考:「科学が教える、子育て成功への道」より)

これからのAI社会では、これら6つのCを高めていくことが重要になります。
つまりこの6つのCが、Vol.3の最後に出した問いの答えです。

「学力」は3番目の「Content」に相当しますが、これからの社会で生きていくための必要な6つの力のうちの1つでしかありません
6つすべてのCを高め、AI社会でゼロからイチをつくる人へとお子さまを育てていきましょう。

ゆるやかな集団の中で学びをシェアする

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親世代は、受験戦争にはじまり、就職戦争、出世戦争と、競争の連続でした。周りの同世代に「勝つ」ために、戦ってきた方が多いことでしょう。
こうした自身の体験から、子どもに対しても「我が子には勝ってほしい」「自分の子だけはうまくいってほしい」というような意識に繋がっているのだと思います。

しかし、これからの時代は、一人でやるよりも仲間とコラボすることが大切です。
今はインターネットを通じて24時間世界中とつながっている時代です。気づきや製作したものを誰かとシェアできる方が、可能性も能力も学びも、どんどん広がっていくのです。

実は、子どもは自然体でいると「お友だちと一緒に何かを作り上げていきたい」という純粋な欲求があります。
これは、私が主宰している「ステモン」での子どもたちの様子を見ていると、よくわかります。ぜひ、そうしたお子さまの気持ちを大事にできるといいでしょう。

学校教育で「できること」と「できないこと」

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これから必要な6つのCの中に学力も含まれている通り、知識や学力を身につけることはとても大切です。
日本の学校教育は、基礎学力を身につけていくうえでは大変優れています
世界でもトップクラスの教科教育を、全国どこでも無償で受けることができる。
これは、日本で学ぶ利点といえるでしょう。

しかし、いくら知識を増やしてもそれだけに留まっていては意味がありません。
その知識をどう活かすかが大切です。
記憶したことを学び、理解する(=インプット)という学びは学校教育が適していますが、それらの知識を活用する力は、今の学校教育だけでは難しい現状があります。

だからこそ、子どもが知識を活用(=アウトプット)する力を、ご家庭や民間教育で補っていくことが求められています​。

この連載の1回目や2回目でご紹介したような言葉がけを意識するだけでも、子どもへの影響は大きく変わってきます。

私が運営しているSTEM教育スクール「ステモン」や民間学童保育「スイッチスクール」では、学校だけで学ぶことが難しい「活用する力」「創造する力」「表現する力」を育むことを意識しています。

現状の学校教育だけでは行き届きにくいことを補える場を作ることで、これからの時代を生きていくために必要な6つの力を養っていきたいと考えています。

強くてよいコミュニティを作って、子育てに活かそう

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東大や京大に多く送る中高一貫校の駒込学園では、2019年2月から「STEM入試」が導入されました。
このSTEM入試の内容を見てみると、いわゆるこれまでの学力だけではなく、知識の応用や仲間と協力できるか、コラボして良いものを作れるか、という力が求めらます。

試験でも採点の基準となるほどに、周りとのコラボを通して知識を活用する力が求められるのです。

こうした力をお子さまに身につけてもらいたいと考えたとき、一番大きな影響を与えるのは、コミュニティです。コミュニティは、能力だけではなく、精神面での安定や人格形成にも関わります。そして、子どもにとっての居場所でもあります。

家庭でも塾でも習い事でも、どんな場所でもいいので、子どもが伸び伸びと個性を発揮できる居場所を作ってあげましょう。

私はステモンを運営する上で、「強くてよいコミュニティ作り」を大切にしています。お子さまにとっての居場所の一つとして、ステモンを活用していただけたら大変嬉しい限りです。

中村一彰先生プロフィール

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-STEM教育スクール「STEMON(ステモン)」代表
-小学校教員免許
-LEGO® SERIOUS PLAY® facilitator
埼玉大学教育学部卒業後、民間企業に就職。大手企業を経てITベンチャー企業に転職。創業期から東証一部上場までの成長期にて新規事業開発や人事責任者を担当した際に、「学び続ける力」や「IT教育の重要性」を感じ、教育事業を行う株式会社ヴィリングを創業し日本初のキッズ向けSTEM教育スクール「ステモン」を主宰。
2017年度は小金井市立前原小学校にて5年生の理科講師としても勤務。
2児の父親。
著書:「AI時代に輝く子ども」(CCCメディア出版)

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欧米で重視されている「STEM教育」、すなわち 「Science(科学)」「Technology(先端技術)」 「Engineering(工学技術)」「Mathematics(数学)」の 頭文字に、これらをONするという意味で「ステモン」と 名付けた教育を展開している著者による、「AI時代に 輝ける子ども」を育てるための教育論&教育実践。2020年より小学校でのプログラミング教育が必修化されるなか、公立小学校でのプログラミング授業実施実績では日本一という「ステモン」の考え方と、プログラミングやロボット工作を手段として「トライ&エラー」を繰り返す中で学びを深めていく方法論を紹介。
中村一彰さんが主宰するSTEM教育スクール「ステモン」はこちら
プログラミングも学べるSTEM教育スクールSTEMON
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(取材・文/池本エイミー 構成・編集/洪愛舜)

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CHIIK!編集部 CHIIK!編集部