2020年12月01日 公開

イギリスで子育てして驚いた!違いを感じた!体験談【英国すくすくレポ】

国が変われば『当たり前』も変わる!現地で子育てをしていて感じる、日本の育児との違いや、イギリス人の子どもへの接し方・言葉がけなどを、イラスト入りでご紹介します!

国が変われば『当たり前』も変わる!現地で子育てをしていて感じる、日本の育児との違いや、イギリス人の子どもへの接し方・言葉がけなどを、イラスト入りでご紹介します!

人前で抱きしめる、愛情表現をする!

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子育てをしていて、「さすがイギリスだなぁ!」と文化の違いを感じることの一つに、学校の送り迎えの愛情表現があります。

イギリスは、基本的に、小学生の間は保護者の送り迎えが必須です。(小学校高学年になると、学校と保護者が承諾の元で、1人で登下校する子どももいます。)

筆者の子どもが通う学校は、中央の校庭から各教室へ入れるドアにアクセスできるようになっていて、保護者は子どもの教室の前まで一緒に登校します。また、下校のときは、保護者が各教室のドアの前まで迎えに行って、1人1人子どもをお迎えします。

そのときに見かける光景は、登校時であれば、行ってらっしゃいと頬にキスやハグをされて、安心して教室の中に入っていく子どもたちと、笑顔で手を振る保護者(ママやパパ、祖父母など)の姿。
さらに下校時は朝より時間の余裕があるからか、ママパパに朝より盛大に抱きしめられて愛情を受けている子どもたちを、大勢見かけます。

中高学年の男子ともなると嫌がるのかな?と思い、こっそり横目で見てみたら、しっかりハグを受け入れてまんざらでもない表情の子どもたち。文化の違いを感じつつ、心がほっこりする毎日です。

ママパパが「お帰り!学校はどうだった?」と声をかけるときも、ただ子どもの名前を呼ぶのではなく、「お帰りハンサム!」「ゴージャスボーイ!」「スウィーティー」など、大好き全開の呼び方なのです。

自己肯定感が上がりそうで、羨ましい子育てですよね。

大人の会話を邪魔するのはタブー!

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マナーの違いもあります。大人同士で会話をしているときに、子どもが親に話しかけることを、イギリスでは良しとしません。もちろん日本でも似たような認識はありますが、イギリスではもっと厳しいようです。

日本では、例えばママ同士が会話をしていて、子どもが「ママ!」と呼ぶと、早い段階でママ同士の会話が一度中断して「なぁに?」と子どもに対応するのをよく見かけますが、イギリスでは違います。

イギリスの子どもたちは「今、お母さんたちは話し中だから、待ちなさいね。」と諭されて、会話が終わるまで待たされることが一般的。会話の途中に入ってくるのはマナー違反とされています。小さい子どもでも、しっかりルールを守って、大人の会話に耳を傾けていたり、待っている子どもたち同士で交流したりと、しっかりしています。

イギリス在住でも、日本人ママ同士の集まりでは、どちらかといえば子どもへの反応が早い傾向にあるようで、文化の違いだなぁとしみじみ感じます。

どちらかが良い・悪いではなく、文化的な違いだったり、どのように自分が(現在子育て中のママパパ自身が)育てられてきたかの違いなのではないでしょうか。

もちろん、イギリス人ママが会話に夢中になっていても、子どもの安全や心のケアが必要な場合は、この限りではありません。子どもが本当に親のヘルプが必要なときは、ちゃんと飛んでいきますよ!

謙遜したり、自虐ネタは言わないママが多い。

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つい冗談めかして自虐ネタや子育ての愚痴を言ってしまいそうになる筆者が「ハッ」とさせられること。それは、イギリス人ママは「子どもに関するネガティブなことを言わない」という姿勢です。(特に、子どもの耳に入る可能性があるときには、その傾向が大変強いです。)

「うちの子ゲームばっかりして困っちゃう!」「テレビの前でぐーたらして・・・」と、一見よく子育てで聞きそうなフレーズを、イギリス人ママたちは、あまり言いません。
相当悩んでいて、悩み相談として打ち明けられる…という場合はありますが、冗談めかして日常会話に子どものネガティブな部分を発言しないのです。

また、多くのママと話してみて気づいたことなのですが、「○○ちゃん、本当によく出来たお子さんですねぇ。」と相手のお子さんを褒めると、「そうなのよ。うちの子、親切で社交性があって、助かってるわ。」とサラリと褒め言葉を受け止めて、さらに子どもの良いところを言うママが多くて、すごい!と驚かされます。

子育てを始めた頃は、日本文化も影響してか、私は「相手の前で身内を褒める」ということが上手にできませんでした。褒められても、つい「イヤイヤ、そんなことありませんよ~。」と返答してしまっていました。

子育てだけではなく、大人同士、本人同士の会話でも似たような状況はよくあります。「~が上手ね!」「頭がいいわね!」と褒められると「ありがとう。」「こういうの得意なんだよね。」とサラリと返答できるママたちが眩しいです・・・!

スマートにお礼を言える練習が必要そうです。

子どものベッドタイムがかなり速い!

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日本とイギリスの子育てで違いを感じることは、マナーや言葉がけ、愛情表現だけではありません。生活のリズムにも大きな違いがあるんですよ。

その一つとして、子どもの就寝時間が早いということが挙げられます。
幼稚園や保育園の年齢くらいだと、多くの家庭で子どもの就寝時間として設定しているのは、なんと夜7時という声がとても多いのです。また、体力がついてきて、さすがに夜7時には寝られない小学生でも、低学年~中学年くらいまでは夜8時台という驚きの早さ!

これはどうやらイギリスだけではなく、ドイツや他のヨーロッパ諸国でも同じという声を聞きました。

(たとえ眠れなくても、ベッドルームに行って寝る準備をする、ベッドに入っていなければならないなど、家庭によって細かいルールは違うようです。)

もちろん早く寝るので、朝、子どもたちは早起きです。6時~7時には起きますし、夏の朝日が昇る時間が早い季節などは5時台に起きてしまう…という育児の悩みあるあるも良く聞きます…!

自己肯定感を育む、イギリス式育児

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学校や他の人が見ている前でも、子どもを抱きしめて愛情表現をしたり、子どもへの褒め言葉を肯定的に受け止める姿勢など、カルチャーショックを感じることも多いイギリス式の子育て。ですが、そんな環境で育てられている子どもの気持ちを想像すると、愛されている、認められているというポジティブな感情を得ることができて、自己肯定感が育つと言えます。

大人も子どもも、自分に自信がある人が多いのは何故だろう?とイギリスに来て不思議に思っていましたが、子育てを見ていると、そういったポジティブな感情の中で育ったからこその、この国民性なのではないかと感じるようになりました。

子育ては、次世代にも伝承されていくもの。国の文化的な違いに正解・不正解はありませんが、お互いに良いと感じるものを取り入れてみたり、価値観を尊重しつつ、ハッピーな育児ができれば一番ですね。

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この記事のライター

いしこがわ理恵
いしこがわ理恵

在英12年目ハンドメイド好きの2児の母。武蔵野美術大学卒業。現在は教育に携わる仕事の他に、日本にルーツのある子どもたちを対象とした日本語子ども会活動・児童文庫活動も行っています。興味の範囲が幅広いので、常にいろいろな方向にアンテナをはりつつ情報収集が日課です。ハッピー子育てに役立つ情報をみなさまにお届けできれば嬉しいです。Instagram @rie.ishikogawa