2019年07月25日 公開

ながぐつとぼくら~子どものこんな表情、知ってる?

雨の日と子どもー。この組み合わせは、普段見ることができないストーリーが生まれます。お出かけ先で見かけた子どもたちの興味深い姿をお伝えする、保育士まゆ先生の徒然こども絵日記シリーズ。今回は雨の日には欠かせない「ながぐつと子どもたち」のお話です。

雨の日と子どもー。この組み合わせは、普段見ることができないストーリーが生まれます。お出かけ先で見かけた子どもたちの興味深い姿をお伝えする、保育士まゆ先生の徒然こども絵日記シリーズ。今回は雨の日には欠かせない「ながぐつと子どもたち」のお話です。

雨+ながぐつ+子どもが組み合わさると……?

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雨の日はながぐつが履ける、子どもたちにとってなんだかちょっと特別感があるうれしい日。雨の日登園してくる子どもたちも、足元を意識しながら大きく闊歩しながら自慢げに「見て、せんせい」なんて言ってきたりします(笑)

まゆ先生のつれづれ子ども絵日記の第3弾、今回は街で見かけた、ながぐつをはいた子どもたちのお話です。ながくつをはいてお出かけすると、非日常感が子どもたちの世界を広げてくれるようですよ。

↓↓↓まゆ先生のつれづれ子ども絵日記シリーズです。

そのとき彼は確かにヒーローだった

横殴りの霧雨が降っていた日でした。傘差していても、地味にしっかり濡れるような雨。「あー、これ以上濡れたくないなー」とちょっと憂鬱な気分になり、雨宿りしようと目の前の雑貨屋さんに足を向けたときのことでした……。
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子どもから目を放すわけでもなく、でも邪魔するわけでもないお母さんの姿もちょっとツボでした。親と子の絶妙ないい距離感!もっと見つめていたかったのですが、これ以上は無粋かなと私はひとつ手前のお店に入ったのでした。

ああ、彼は確かにこの瞬間ヒーローなのです。横殴りの霧雨は、どんな試練を彼に与えているのでしょう。勝利することはできるのかしら?……なんて、私はお店の品物をにこやかに吟味するふりをしてにやけていました。

霧雨のヒーロー、楽しい雨宿りの時間をありがとう!

晴れ渡る空とながぐつとぼく

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その日、雨予報なんて全然出ていなかったんですよ。芋ほりとかの季節でもない、さわやかな初夏のある日のことでした。

手をひかれて半分引きずられるようだったにもかかわらず、彼の顔はそれでも明るく、自分の足元を眺めつつ歩いていました

きっとおうちの玄関で「ながぐつ履く!」「履かない!」で、お子さんと揉めたんだろうな。「そんな日もあるさ!ドンマイ、ママ!」と声を掛けたくなるような表情

でも彼の気持ちは、上がり調子。晴れの日のながぐつから被るちょっとした問題は、きっと難なくクリアしてくれるはず……多分(笑)。

あ!登園する朝、同じようなシチュエーションになったときは、運動靴を持ってくることをお忘れなく!
庭で走り回って遊ぶとき、ながぐつはやっぱりちょっと危ないのですからね。お手数おかけしますが、よろしくお願いします!

子どもの世界がわからない……?とお悩みのパパママへ

「先生すごい!よく子どもの言ってることわかりますよね? 私、子どもの考えてることがちっとも分からない」と園に通うお子さんのママから言われた言葉です。

大丈夫ですよ!私たちだって、すべてをわかることはできません(笑)。だって同じ人間じゃないんだもの。でも、いろいろな子どもたちに出会ってきて、その子と園生活の中で共有することがあって、結果「こうかな?」って寄り添って確認してるんです。わりと訓練ですかね。

そうそう。NHKのEテレで放送されている番組「みいつけた!」の1コーナー、「おててえほん」は、参考になるかもしれません。

おててをぱんぱんとたたいて絵本のように広げ、子どもたちが自分で作ったお話を語ってくれます。これがなかなか興味深い。ときどき、時間があるときに見るくらいですが思わず聞いちゃいます。

とてもステキなコーナーで、子どもの世界が分からないという方は必見です。

子どもの世界は、大人の声掛けや態度ひとつで世界はヒュンと消えたりもするし、ぱーっと広がっていったりもします。子どもが自分たちの世界に入り込んでいるとき、大人が見てることがわかると「へへ」って照れたりする姿ありませんか?

以前、園で「想像力がたくましすぎて心配……」というような相談を受けたことがありますが、大丈夫。子どもは空想の世界が現実とは違うってちゃんと分かってるんです。
ときどき入り込みすぎちゃうときもあるけれど、ホントじゃないから大丈夫よーって落ち着かせてあげたら無問題です。

それに頭の中でお話を作るってすごく高度なこと。提供されたことを受け取るだけより、それぞれのストーリーを自分の中でつじつまを合わせていくのも、「考える」トレーニングになっているんじゃないでしょうか。

大人が見て見ぬふりしてあげる時間も、子どもたちの心を豊かに育ててくれるのだと思いますよ。

そんなことを考えながら、また楽しい子どもの世界が垣間見える姿はないかな~とファミレスでさり気なく親子連れの姿にアンテナを立てながら、この文章を練っているまゆ先生でした。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

いわいざこまゆ
いわいざこまゆ

イラストレーター・造形作家です。7年間の保育士勤めを経て、主に保育の専門誌や書籍でイラストやまんがを描いたり、保育のための造形やアイデアを発表しています。現在も、近所の保育園に助っ人保育士として時折出没します。著書に「まゆ先生の保育な毎日」(世界文化社)「縫わずにできる手作り衣装BOOK」(メイト)「おりがみよくばり百科」(ひかりのくに/津留見裕子・池田かえる共著)他。鹿児島県出身。神奈川在住。