2017年01月04日 公開

お正月に食べる「春の七草」って?その伝統と習わしとは

日本の伝統行事として、毎年1月7日、お正月松の内の最終日に七草がゆを食べる風習があります。この日の朝に七草がゆを食べると、万病を除け、邪気を払うとされています。そこでこの七草に秘められた意味と子どもたちへの伝え方をご紹介します。

日本の伝統行事として、毎年1月7日、お正月松の内の最終日に七草がゆを食べる風習があります。この日の朝に七草がゆを食べると、万病を除け、邪気を払うとされています。そこでこの七草に秘められた意味と子どもたちへの伝え方をご紹介します。

春の七草とは?

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七草がゆに使われる七草とは、それぞれ、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろのことを指します。
現在では便利なことに、スーパーなどでセットになって売られています。
自分で探そうとすると、なずな、ごぎょう、はこべらは現代でも畑や田んぼ、川の土手などで見つけることができます。
すずな、すずしろは、かぶと大根の一種です。ただせりには毒のある種類があって注意が必要です。また、ほとけのざは自生している数が少なく、自分で探そうとすると大変だったりします。

七草の効果

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七草には、ビタミン、ミネラルが豊富で薬膳効果が高いと言われています。

年末からお正月にかけて疲れた胃や肝臓の調子を整えて、冬の風邪予防や喉をいたわってくれます。
普段から緑黄色野菜を食べることは現代の食生活においてとても重要ですが、一種類をたくさんよりも数種類を組み合わせて食べることが望ましいとされています。
その点、七草粥は旬の緑黄色野菜が複数同時に食べられるので、理にかなった食べ物といえます。

七草それぞれに込められた意味

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七草には、それぞれの効能とは別に、縁起を担ぐ意味で込められた意味合いがあります。まず「せり」には競争などで相手に競り勝つという意味があります。「なずな」は撫でて汚れを落とし、「ごぎょう」は「御形」と書いて仏様のお姿のことを表しています。「はこべら」には繁栄がはびこるという意味があります。「ほとけのざ」はそのまま、ありがたい仏様の座っているお姿のことを指します。「すずな」は神様を呼ぶ鈴のことで、縁起物の意味があります。そして「すずしろ」の名は、清廉で汚れのない精白を表しています。

七草がゆが定着するまでの経緯

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「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」という歌が百人一首にあるように、そもそも日本には昔から「若菜摘み」(わかなつみ)といって、無病息災を願って若菜(初春に採れる葉菜類)を食べる習慣があり、体にいい若菜を食べて邪気を払い、今年一年を元気に過ごそう、という願いがこめられています。
七草がゆを食べる日は「人日の節句」(じんじつのせっく)といい、江戸時代に制定されました。幕府の正式な制定によってこの日に七草がゆを食べるという風習が、武士や一般庶民の間にも定着していったのです。

春の七草について子どもに教える方法

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詳しく説明するにはあまりに情報量が多いので、「なぜ食べるのか」、「どうやって覚えるか」にしぼって教えるといいでしょう。

食べる理由については「お正月に食べたご馳走で疲れたお腹を休めてくれるんだよ」「病気や災いから守ってくれると言われているんだよ」と教えてあげましょう。

覚え方としては、五七調で「セリ ・ナズナ / ゴギョウ ・ハコベラ / ホトケノザ / スズナ ・スズシロ / 春の七草」と歌うようにしてみましょう。親子で一緒に歌い、楽しみながら覚えるのがポイントです。

春の七草で縁起良く

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七草がゆには縁起物としての意味もあります。「縁起がいい」、「縁起をかつぐ」といった言葉は今でも自然と口をついて出てきます。脈々と受け継がれ、最早日本人のDNAとして定着している文化を、きちんと子どもたちに伝えていきたいですね。

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この記事のライター