2021年02月18日 公開

【春の二十四節気】「雨水(うすい)」は草木が芽生える頃、2021年は2月18日

春の二十四節気、二番目は「雨水(うすい)」です。雪が解け、草木が芽ぶきはじめ、春の訪れを感じる頃です。雨水に雛人形を飾ると良縁に恵まれるという言い伝えも。寒さがゆるみ冬眠していた動物が活動を始める時期に、子どもと楽しめるおでかけ場所や早春の行事食などをご紹介します。

雨水春の二十四節気、二番目は「雨水(うすい)」です。雪が解け、草木が芽ぶきはじめ、春の訪れを感じる頃です。雨水に雛人形を飾ると良縁に恵まれるという言い伝えも。寒さがゆるみ冬眠していた動物が活動を始める時期に、子どもと楽しめるおでかけ場所や早春の行事食などをご紹介します。

二十四節気(にじゅうしせっき)って何?

みなさんは二十四節気という言葉を聞いたことがありますか? 約半月ごとに一年を二十四等分、つまり季節ごとに六つに分けて美しい名前をつけたのが二十四節気(にじゅうしせっき)です。江戸時代まで使われていた旧暦では、暦(こよみ)と実際の季節にずれが出ました。そのため生活するのに不便になり、本来の季節を感じる目安として二十四節気を用いたのです。日本には春・夏・秋・冬の四季があるので二十四節気を知っていると季節の変化を敏感に感じられ、暮らしが楽しくなりますね。

二十四節気

二十四節気

春分や秋分は祝日となっており、夏至や冬至は季節の変わり目の大切な日です。このように二十四節気は日常生活に密着し季節を深く知ることができます。そのため多くの行事が二十四節気をもとに行われています。

雑節

二十四節気は中国から伝わった考え方ですが、節分や彼岸など「雑節(ざっせつ)」と呼ばれる、より日本の生活に根付いた考え方もあります。

二十四節気 雑記

七十二候

さらに二十四節気に関連して、七十二候(しちじゅうにこう)があります。二十四節気のひとつを「初候(しょこう)」・「次候(じこう)」・「末候(まっこう)」と三つに分け、季節の移ろいを表現したものです。花鳥風月を用いた具体的なことばなので、季節をより鮮明にイメージできますよ。

【解説】春の二十四節気「雨水(うすい)」ってどんな日?

福寿草と名残雪

春の二十四節気の二番目である雨水は、どんな時期でしょうか。「雨」や「水」という字が入るので、梅雨のように雨が多く降るのかな?と思いがちです。しかし実際は、雨に混ざっていた雪が消える頃、積もった雪や氷が解け出し水になる頃と言われています。

草木が芽ぶく頃とも言われ、春の訪れを少しずつ感じます。農作業を始める目安とされています。もともと二十四節気は、農業など外で仕事をする人たちが季節の移り変わりを察知するために使われていました。

このように雨水を迎えると春を感じることが増えてきます。寒さが和らぐので江戸時代にはお伊勢詣でに行き、農作の成功を祈ったそうです。立春を過ぎて初めて吹く南風「春一番」が吹くのも雨水の頃。とはいえ三寒四温というようにまだ肌寒さも残りゆっくりと春に向かうのも、この二月下旬です。

【いつ?】2021年の雨水は2月18日から

それでは2021年の雨水はいつでしょうか? 雨水は立春から啓蟄(けいちつ)の間で、立春から数えて十五日目頃にあたります。2021年は立春が2月2日だったので、今年の雨水は2月18日から3月4日までとなります。
暦のずれについては毎年2月に国立天文台が翌年の暦要項を発表しているので、参考にしてください。

国立天文台 天文情報センター 暦計算室

七十二候(しちじゅうにこう)で「雨水」の季節を知る

雨水草花が芽吹く

それでは雨水の七十二候をそれぞれみていきましょう。

■ 初候/土脈潤い起こる(どみゃく うるおい おこる
春の雨が大地を潤しはじめるという意味です。雪の代わりに早春のしっとりとした雨が降りはじめ、大地がうるおいと湿り気をもち、脈打ち、息づき始めます。
七十二候・第四候(2021年2月18日~22日)

■ 次候/霞始めて靆く(かすみ はじめて たなびく)
山々に春の霞がたなびくという意味です。春になると空気中の水分が多くなり、遠くの景色が霞がかってぼんやりしてみえる頃を指します。
七十二候・第五候(2021年2月23日~27日)

■ 末候/草木萌え動く(そうもく もえうごく)
草木が芽吹きはじめるという意味です。枯れていた野山や木々にうすい緑色の小さな芽が見え隠れする時期です。地面からは草芽が生え、木の枝には新芽があふれ、春の目覚めが広がります。
七十二候・第六候(2021年2月28日~3月4日)

いかがですか?少しずつ春に向かう様子がイメージできますね。

また、霞も霧も似た状態ですが、春には霞(かすみ)、秋には霧(きり)、夜には朧(おぼろ)と呼びます。時期や昼夜で呼び分け、季節を知ることができます。このように中国より伝わった七十二候は、日本の気候や風土に合わせ少しずつ変化してきたそうです。

【豆知識】文学からみた二十四節気「雨水」

二十四節気は春の季語として俳句や短歌、手紙を書く際には時候の挨拶にも用いられています。雨水の時期だと「雨水の候」「草木が芽吹く季節になりました。」等、文頭に使ってみてもいいですね。

この季節をわかりやすく表現した俳句を一句ご紹介します。

明治の俳人・後藤夜半の俳句
「雨水より 啓蟄までの あたたかさ」

引用元:2月の季語 30の【一覧】と例句 | ジャパノート -日本の文化と伝統を伝えるブログ-

雨水は早春や二月下旬を指すので、まだ寒さが残り春が浅いということを表現しています。二十四節気を知ると、俳句の繊細な季節感がイメージできますね。

旬な食べ物・花や鳥

獺祭魚 カワウソ

旬の食べ物や花鳥風月で季節を感じることができます。例えば、カワウソが魚を獲って並べる様子がご先祖に魚を祀る祭儀のようだとされた「獺祭魚(だっさいぎょ)」は、雨水の頃に見られる風習です。

食べ物

果物:いよかん、はっさく
魚貝:はまぐり、トビウオ、シロウオ、いとより、ヒラメ、金目鯛
野菜や山菜:春キャベツ、蓮根、からし菜、菜の花、ふきのとう

花や鳥

花:梅・クロッカス・福寿草
鳥:鴈
その年にはじめてとれた野菜や果物、魚のことを「はつもの」、はつものを食べると七十五日長生きすると言われています。江戸時代の人々はこれを楽しみにし、競い合うように食べたそう。ぜひ旬の食材を意識して取り入れ、元気に暮らしましょう!

雨水にゆかりのある行事「桃の節句」

雨水おひなさま

3月3日は「桃の節句」です。現代ではお雛様を飾り女の子の成長を祝う日ですね。それではお雛様はいつ飾るといいか気にしたことはありますか?一般的に雛人形は立春の翌日から、一夜飾りを避け3月1日までの大安や友引の日に飾るのがいいそうです。その中でも「雨水の日にお雛様を飾ると良縁に恵まれる」という説があり、雨水をお雛様を出す日に決めている園もあるそうです。

またお雛様は早くしまうほうがいいとされますが、雨水の次の節気である「啓蟄(けいちつ)」の日にしまうといいとする説があります。2021年にあてはめると、2月18日にお雛様を飾り、3月5日にしまうと縁起を担げるようなので参考にしてみてください!

流しびな

ひな祭りは紙で作ったひな人形をわらで作った船などに乗せて川や海に流し、穢れや災いを払った儀式が起源のようです。平安時代にこの流し雛の人形で貴族の女の子が遊んでいたことから現在のひな祭りに発展しました。和歌山県の淡島神社では現在も3月3日の正午から「雛流し」の神事をしています。

淡島神社 年中行事 (kada.jp)

ひな祭りの起源が水に関係があることから、雨水に雛人形を飾ると水の神様が良縁を運んできてくれるという説に結びついたようです。「水戸のひな流し」や横須賀の「淡島神社祭礼」でも例年はひな流しを大切な行事とし開催しているそう。いずれも今年は中止のようで残念です。来年以降、お近くの場所で開催される行事を楽しみにしましょう。

雨水の時期にある行事「秋吉台山焼き」

秋吉台野焼き

良く晴れた風のない日に枯れ草を焼く、野焼きや山焼きと呼ばれる季節の行事があります。山口県の「秋吉台山焼き」は雨水の頃に行われ、600年以上も続く春を呼ぶ風物詩となっています。秋吉台のカルスト台地の1138haにもおよぶ草原の山焼きは日本最大規模です。

焼かれた草木が炭や灰になりミネラル成分を含むため、山焼きで黒くなった草原は5月には綺麗な新緑におおわれます。雨が降るとこの成分が地面に浸透し、豊かな土壌になり、新芽の肥料になるからだそう。雨水は農業を始める目安の時期なので、とても理にかなった行事ですね。

子どもと楽しむ雨水

二十四節気はその季節がどんな時期かという目安です。せっかく四季のある日本で暮らしているからこそ、それにちなんだ知育や子育てにつながる取り組みをおうちでも行ないたいですよね。ここでは、食べる、作る、体験するアイディアを紹介します。

旬の食べ物でつくろう、食べよう!

ひしもち

ひな祭りに欠かせないのがひし餅です。赤の餅、白の餅、緑の餅が重なっていますが、色に意味があるのをご存知ですか?赤は生命や魔除け、白は雪の大地や清らかさ、緑は草や芽、健康を表しているそうです。赤の餅にはくちなしの実、緑の餅には厄除けの薬草であるよもぎを加えて作ります。また黄色を加えた4色のひし餅やくず餅でできたひし餅も売られています。「ひし餅風お寿司」

縁起のよさにあやかり、子どもと一緒に手軽に作れる「ひし餅風お寿司」はいかがでしょうか?ひな祭りのおうちごはんが華やかになりますよ!

<材料>
・炊いたご飯
・すし酢やちらし寿司のもとなど
・ほうれん草(ゆでて下味をつけ食べやすく切る)
・桜でんぶ
・炒りたまご
・飾り(エビやいくら、スナップエンドウ・絹さやなど)

<作り方>
1)ごはんが熱いうちにすし酢や市販のちらし寿司のもとなどを加え、切るように混ぜる。

2)ほうれん草をゆでて冷水につけ、緑の鮮やかさを出す。絞ってしっかり水気を切ったら、醤油や出汁で下味をつける。子どもが食べやすいように細かく刻む。

3)炒りたまごを作る。マヨネーズを少し加えるとふんわりと仕上がります。

4)スナップエンドウ(緑)とエビを下茹でする。

5)白=すし飯、緑=ほうれん草、白=すし飯、赤=桜でんぶ、白=すし飯、黄=炒りたまごを順にひし餅風に重ねる。色のコントラストは自由で、桜でんぶをトップにしても華やかです。

6)エビやいくらやスナップエンドウ・絹さやを飾りつける。

小学生ならひとりでも作れる簡単メニューです。ポイントはひし形になるようにすることで、ラップを使って1工程ごとに手で整えればOKですが、牛乳パックを使うと簡単で綺麗にできます。

参考:ひし餅風すし太郎|アレンジレシピ|永谷園 (nagatanien.co.jp)

「はまぐりのお吸い物」

旬の食材「はまぐり」は、左右の貝がぴったりと合うのは1組しかないことから、幸せな結婚を願う縁起物とされてきました。「貝合わせ」という昔の遊びに使われたのもはまぐりです。

<材料>
はまぐり
菜の花
水・昆布・酒・塩

<作り方>
1)はまぐりは砂抜きをしっかりする。3時間は塩水に浸して砂出しすると安心です。

2)水に昆布を30分以上つけたあと火にかけ、はまぐりをいれる。沸騰直前に昆布を取り出す。

3)菜の花は熱湯でゆでる。

4)はまぐりの口があいたら塩と酒で味をつけ椀に盛り、菜の花を添えてできあがり。

白とピンク色の生麩や花形の麩を添えると桃の節句らしくかわいらしいです。

「ふきのとうを使った味噌汁」 

ふきのとうを使った味噌汁もおすすめです。苦みのある食材には体の老廃物を排出する働きがあるので、冬にたまった老廃物を吐き出し本格的な春に備えましょう。この時期にとれるふきのとうはやわらかくておいしいです!

<材料>
ふきのとう
だいこん
ゆず
だし汁と味噌

<作り方>
1)ふきのとうは細かく刻み、熱湯でさっとゆがいてざるにあげ、塩でもむ。

2)だいこんは薄く輪切りにする。

3)出汁を沸かして大根をいれ、透き通ったら味噌をいれる。

4)椀に移して大根の上にふきのとうとゆずを添える。

薄く切った大根の上にふきのとうと柚をのせていただくお味噌汁は、氷の張った地面から芽が出ているような演出ができます!

■参考資料:「二十四節気のお味噌汁」山田奈美(WAVE出版)

ペーパークラフトで作ってみよう!

桃の節句のペーパークラフトのおすすめは、モビールです。モビールは赤ちゃんの知育玩具としても取り入れられているので、採用している家庭も多いのではないでしょうか。このモビールは自宅で簡単に作ることができ、お金をかけずに楽しめます。男の子だけのご家庭でも手軽にひな祭りの雰囲気を味わえるので、ぜひ作ってください。

モビール(桃の節句) – Canon Creative Park

季節を感じにおでかけをしよう!

北野天満宮梅見

梅の花は雨水の頃に美しく咲き誇り、春の訪れを告げます。京都の北野天満宮や福岡の太宰府天満宮、都内では大田区の池上梅園など梅の名所は全国に多く存在しています。運が良ければウグイスやメジロに会えるかも!春の訪れを感じる梅見をしてみませんか?

特に、日本三大名園である偕楽園「水戸の梅祭り」(茨城県)は、120年以上続く有名なお祭りです。今年は叶わなくとも一度は訪れてみたいですね。

「第125回 水戸の梅まつり」令和3年2月13日(土)〜3月21日(日) | 観光いばらき (ibarakiguide.jp)

【まとめ】春の二十四節気「雨水」は雪が雨に変わる頃

いかがでしたか? 寒さが緩み春の気配を感じると、人間だって冬眠から目覚めた動物のように動き出したくなります。二十四節気では二番目にあたる雨水は農作業の始まりを意味する大切な日でした。おうちでもガーデニングや家庭菜園を始めるのもよさそうです!

次の二十四節気は春の陽気に誘われて虫が出てくる「啓蟄(けいちつ)」です。それまでの湿気の少ないこの時期に、衣類にこもった湿気を飛ばす寒干しをしてお過ごしください。

■参考文献

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WRITER

RINAKO RINAKO 東京都在住、マイペースな4歳児のせっかちな母。子育てのベースはモンテッソーリ教育。伝統文化を大切にしながらも、効率よく子育てするのが目標。子連れで行ける遊び場所にも詳しく、子どもの習い事の半分は自分の好奇心というゆるい子育てを採用中。