2018年01月31日 公開

大人と子どもが心からくつろいで楽しめる「子供と、BAR」

東京・大井町にオープンした親子バー「子供と、BAR」。約5坪のこぢんまりとした場所ですが、色鮮やかなおもちゃや絵本、迫力ある壁画や子どもたちのお絵かき作品で彩られた心地よい空間です。ランチタイムもあり、こども食堂も開催。シェアキッチン、コモンミールの場としても提供されています。

東京・大井町にオープンした親子バー「子供と、BAR」。約5坪のこぢんまりとした場所ですが、色鮮やかなおもちゃや絵本、迫力ある壁画や子どもたちのお絵かき作品で彩られた心地よい空間です。ランチタイムもあり、こども食堂も開催。シェアキッチン、コモンミールの場としても提供されています。

子どもも大人もくつろげる場所

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パパママだって、ちょっと一息入れて飲みに行きたいときはないでしょうか。子どもを預けてゆっくり…も良いですが、子連れでも1杯飲めれば嬉しいのに、と思う方もいるのでは。

欧米諸国のバーは子連れの親もよく見かけます。酔っぱらうまで飲むわけではなく、あくまで夜の社交の場に子どもがいても不自然ではない、という程度ですが。

日本でもそんな場所をという思いを込めて「子供と、BAR」がオープンしたのは2017年3月。座席数6席(補助席1席)、立食でも10人くらいと小さなスペースですが、その分、相席した者同士、自然に会話が盛り上がるアットホームな空間です。

店内は禁煙で、あちこちに子どもが楽しめる工夫がされています。

なぜバーなの?

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女性スタッフの皆さんも気さくで笑顔がステキな方たちばかり。
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オーナーは、画家で不動産会社を経営している鳥居さん。

若い頃は実写アニメの声優をしていたり、フランスに8年間滞在して絵を描いていたりとなかなかユニークな経歴です。フランス滞在時には、マルセイユ幼稚園の壁画を子ども達とじゃれ合いながら描いたこともあるとか。マルセイユの子ども達のエネルギーを思い出すと、日本の子ども達ももっと元気になってもらいたいと思ったことや、”孤育て”といわれる、日本での子育て状況の困難さについて考えたことも、このようなバーをはじめた理由だそうです。

「日本の子どもたちにも、小さい時はできるだけ周りを気にしないで生きてもらいたいんです。大人になれば否応なく周りに配慮しなくてはならなくなるのですから。そしてできるだけ良いものを食べて欲しいですね」そういう思いもこのようなスペース作りを後押ししたそうです。

元々お酒は飲めず、バーにも行ったことはなかったという鳥居さん。でも、はじめる前にさまざまな飲食店を見て回るうち、バーという形態の面白さに気づいたそう。

「カウンターしかないと、自然と他のお客さまと話をすることになります。お子さんのいる方同士も、知り合いにはできない話や相談ができますが、居酒屋やファミレスではなかなか無いことだと思います。 席が離れて座ってる人と話はしないですよね? でも、小さなバーだとそうなるんです。 昼でもそういう面白い状況になったりしています」。

お酒を飲んでリラックスできるのも会話が弾む理由かもしれません。公園や児童館などで出会うパパママとはまたちょっと違う雰囲気で話ができそうです。

こだわりのフードやドリンクが味わえる

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子ども用のランチメニュー「こどもカレープレート」400円(ポテト、デザート付)。バーカウンターには芝生のようなシートが敷かれ、可愛い動物たちがいっぱい!
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ビールやカクテル、ワインまでアルコールは豊富に揃っています。ノンアルコールカクテルやビール、ソフトドリンクもあるので、必ずしも”お酒”を飲めなくては……というわけではありません。

こだわりの料理は、ちょっとしたおつまみから夕食になるがっつりメニュー、子ども向けのメニューまでさまざま。ステーキや豚肉ソテーのほか、米粉パンなど、グルテンフリー、アレルギー対応、ベジ料理などもあります。

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ランチメニューの「チキンバターカレー」1,000円(サラダ、スープ、デザート、よもぎ茶付)。
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2017年12月からは平日にランチもスタート(2018年7月現在は一時停止中)。メニューは「チキンバターカレー」(大人1,000円、子ども400円)のみですが、これから増やしていくとのこと。ランチタイムにも、大人はワインを1杯!なんてことも可能です。

もともと小学生くらいのお子さん連れくらいを想定したそうですが、乳幼児連れのパパママも多いとか。離乳食は対応していませんが、持ち込みはできるそうです。

おもちゃに絵本、ゲーム、壁一面にお絵かきも!

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店内には、絵本や積み木、人形や小さなおもちゃがたくさん。また、壁一面にお絵かきスペースも!巨大オセロなどのゲームも壁面で楽しめます。

「子どもが絵を描くときに遠慮してるのを見ると、もっともっと自由に!と声を大きくしてしまいます。芸術には限界がないし、遠慮なんていらないんです」と語るオーナーの鳥居さん。

「芸術は、一見生活に必要なさそうな分野ですが、実は大事なもの。成長するに従って、大人は自分の頭を限界づけ、自由な思考を狭めてしまいます。そこで、芸術の自由な思考が必要になるのだと思います。子ども達の想像力も伸ばせますよね」。

「この店では、子ども達には遠慮なく落書きをして欲しいし、遠慮なく騒いでもらいたい。そしてお父さんお母さん達も、それに対して”静かにしなさい”とは言わないで欲しいですね。そういう自由な場所が必要なんです」とのこと。

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天井にはなんとミラーボール!壁面には鳥居さん自らが描いた大きな花の絵もあります。
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ワクワクできる仕掛けがいっぱい!

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子どもが大喜びする工夫の一つが、トイレにもあります。

昔ながらの和式で狭く、ちょっと怖い…と子どもが嫌がりそうなトイレを「うんこプラネタリウム」に改造!

子どもたちが3人くらいでトイレにこもって、時折流れてくる流れ星に夢中、なんてこともありました。

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オムツ替えシートや授乳室など、乳幼児用のものはありませんが、大井町駅直結のアトレ、隣接している阪急、イトーヨーカドーなどの施設を利用するのがオススメです。また、お店のすぐそばにある、一本橋児童センター、大井健康センターも利用できそうです。

最後に

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定期的に「こども食堂」も開催されています。メニューは毎回変わり、子ども同士だけでの参加も可能。詳細はwebサイトをチェックしてくださいね。

また、シェアキッチンや地域の「コモンミール」の場として、スペースを丸ごとレンタルも可能。貸切のパーティープランも気軽に相談してみてください。筆者も地域のママの集まりなどによく利用させていただいていますよ。

こういう場所が日本でも増えてくるといいですね。

※2018年12月に、残念ながら閉店してしまいました。

【住所】
東京都品川区大井1-41-1
【電話番号】
03-6303-7232、0120-325-154
【アクセス】
JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線「大井町」駅より徒歩7、8分

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この記事のライター

志田実恵
志田実恵

エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後は旅行ガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらメキシコ・バスクの料理本の編集のほか、食、世界の子育てなどをテーマにwebを中心に活動中です。