2019年6月20日 公開

フランスでは食器や身体をすすがない!?驚きの事情とその理由

フランスでは、食器の泡をしっかり洗い流さない、身体の泡を洗い流さないのが普通です。日本人の感覚からすると「えっ」と驚きますよね。一般的に、欧米はすすぎ洗いをしないといわれていますが、その実態は……?フランスの食器・身体のすすぎ洗い事情をご紹介します。

すすがない!驚きの食器洗い事情

Kamira / Shutterstock.com

最近は食洗機を持つ家庭も増えましたが、手洗いする場合のフランスでの一般的な食器の洗い方をご紹介します。食器洗いをする際、上記画像のように、まずシンクにお湯(または水)をため、食器洗剤を入れます。その中に、汚れた食器をそのまま入れて浸します。その後、スポンジなどで汚れが取れるまでこすり洗いします。

ここまではいいのですが、その後、なんと洗い流すことなく、水切りにお皿を置くのです。当然、すすぎはしていないので、泡が残ったままの状態であることが多いのですが、気にしません!そのあと、タオルなどで拭くか、泡がついたそのままの状態で自然乾燥させるのが普通なのです。

筆者も実際に、フランス人の夫の実家で【すすがない食器洗い】を目撃した時は驚きました。お義母さん、義祖母のお皿洗いの様子を見ていると、「泡が残ってる!」「汚れがちゃんと取れてない!」ということも多々ありました。

一方で、私が皿洗いを担当した際は、日本と同じようにすすぎ洗いをしていると、「お水がもったいないから止めなさい」と注意されたのです。

食器の泡をしっかり落とすことよりも、節水の方が重要性が高いということなのかもしれません。

身体を洗った後も泡を流さない!

Vera Moklyak / Shutterstock.com

洗剤で洗った後にすすがないのは食器だけではありません。身体を洗った後も、泡を洗い流さないことがしばしば。

まず、バスタブの使い方が違います。日本のお風呂には、バスタブとは別に洗い場がありますが、フランスではバスタブだけか、シャワールームだけというのが一般的です。バスタブを使用する場合、お湯をためてバブルバスなどのボディーソープを入れて体を洗い、すすがずに泡がついたまま出てしまいます。その後は身体をバスタオルで拭くか、バスローブをそのまま着ます。

産院で赤ちゃんのお風呂の入れ方を指導してもらった際も、ベビーバスの中でボディーソープをつけて洗ったあと、同じお湯であっさり流す程度でした。

身体をすすがずに「手ぬぐい」で洗う!?

via photo by author

フランスに移住した当初、見慣れぬタオルを目撃して何に使うのだろうと疑問に思ったのがこちらです。
何に使うかわかりますか?実はこれ、身体を拭き洗う、手ぬぐいやボティタオルのようなもの。フランス語で「ガン」と言います。

ガンを水やお湯で湿らせて、ボディーソープや石鹸をつけ、身体をゴシゴシと洗います。お風呂やシャワーの際にスポンジ代わりに使う人も入れば、お風呂やシャワーには入らずにガンだけで拭き洗う人もいて、その場合も泡は洗い流しません。

ちょっと洗いたいなという身体の部分、例えば脇や足、デリケートゾーンだけをガンで拭き洗って(洗い流さず)終了という人もいます。

頻繁に洗うのは身体によくない?

FamVeld / Shutterstock.com

フランスでは、皮膚を守るために身体が自浄作用として出す皮脂を、頻繁に洗い流してしまうのはよくないという考えもあります。それが正解かどうかはさておき、日本では髪や身体は1日に1回は洗うものという意識を持っている人が多いように思われますが、個人主義かつ多様な民族・宗教が共存するフランスでは共通の観念がありません。そのため、「毎日洗うもの」「週に1回しか洗うべきでない」など、各々の考え方や体質に基づいて洗っているという印象です。

実際に、週に1回しか髪を洗わないという人でも、不潔な感じはまったくせず、髪はサラサラとキレイにキープされているのを見かけます。水道水が硬水でカルキ成分が多く、肌や髪が荒れやすい人もいることや、日本と違って乾燥した気候であるというのも、頻繁に洗い流さない理由かもしれません。

毎日しっかり洗い流すことよりも、「身なりがきちんとしていれば、たとえ週1回しか洗い流してなくても清潔」と判断する国民性のように思えます。

すすがない、洗わないのは結局何のため!?

Janis Smits / Shutterstock.com

実は、フランスの降水量は日本の10分の1といわれています。水道代も日本より高めです。1㎥の使用料金で換算すると、フランスでは約500円(4,15 €、2019年3月26日のレートで換算)に対して、日本では約150円。フランスの水道代は日本の3倍近くします。

ただでさえお金にシビアなフランス人。大切な資源でもある水は無駄遣いしないというのが掟です。私自身、フランスにいる時は節水しているつもりでも、フランス人の夫に水の使いすぎと注意されたことが多々あります。

確かに、これだけ料金が違えば、考え方にも影響するかもしれませんね。

ところ変われば、【すすぎ方】も変わる

Yuganov Konstantin / Shutterstock.com

皆さんもお子さまが自分で手を洗っている際に「泡がまだ残っているでしょう!」と注意したこと、あるのではないでしょうか。しかし親が当然と思っていることが、実は国や文化が違えば普通ではないこともたくさんあります。

今回は主に泡を洗い流さないことを紹介しましたが、もちろんフランスでもしっかり洗い流すというご家庭もあります。

ただそれは個人の自由。「泡は当然、誰もがキレイさっぱり落とさないといけない」「すすがないのは気持ち悪い」という考え方は、フランスだけでなく世界を見渡しても必ずしも絶対的ではなさそうです。

清潔だといわれることの多い日本。すすぎ方にも、国民性が現れているのかもしれませんね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

早野沙織 早野沙織  在仏3年目、フランス人旦那と二児(2歳と0歳男児)とアルプス地方グルノーブル市在住のママライター。慶応義塾大学法学部卒業。現地から日本ではあまり知られていないフランスの地方・育児事情をお届けします!