2016年06月17日 公開

雨よやめ!願掛けの元祖、てるてる坊主をつくろう

てるてる坊主を作って晴れを祈る。一度はしたことのある願掛けですよね。てるてる坊主にはいろいろなバリエーションや願掛けの作法があることをご存知ですか?また、よく調べてみると、ちょっとコワイ秘話もあったり……。

てるてる坊主を作って晴れを祈る。一度はしたことのある願掛けですよね。てるてる坊主にはいろいろなバリエーションや願掛けの作法があることをご存知ですか?また、よく調べてみると、ちょっとコワイ秘話もあったり……。

てるてる坊主は女の子だった!?

 (6841)

てるてる坊主の起源は中国の「掃晴娘」という人形です。
「大雨が続き人々が苦しんでいたところ、一人の娘が天に対して“わたしの命と引き換えに雨を止めて欲しい”と祈った。まもなく雨はやんだが、娘の命も絶えてしまった……」

そんな悲しい伝説から生まれた「掃晴娘」は、平安時代に中国へ留学した僧侶たちによって日本に持ち込まれました。当時の僧侶は呪術的な力をもった祈祷師でもあったことから、彼らの力に対する民衆の信心が「娘」を「坊主」へと変化させたのかもしれませんね。

ちょっと怖いかも?童謡「てるてる坊主」の歌詞

 (6844)

「てるてる坊主」の歌は3番まであることを知っていますか?実はこの3番の歌詞がちょっとホラーなんです。

「てるてる坊主 てる坊主 明日天気にしておくれそれでも曇って泣いたなら そなたの首をチョンと切るぞ」

「掃晴娘」は、一人の娘が悪天候を鎮めるために命を天に捧げたという「人柱」の伝説です。雨がやまないのはきっと神様が「お供えものが足りん!」と怒っているからではないか。だからてるてる坊主の首をちょん切って神様へ捧げよう……。3番の歌詞にはそんな意味が込められているのではと思います。もっとも一説には、「むかし、時の権力者から雨を止めるよう祈祷を依頼されたお坊さんが、祈祷に失敗したために首をはねられてしまったから」という解釈もあるようです。みなさんも子どもと一緒に考えてみてくださいね。

てるてる坊主に顔を書いてはダメなの?

 (6847)

子どものころに作ったてるてる坊主に「顔」はありましたか?
実は、てるてる坊主には顔を書かないのが正解。

顔は雨がやんだときにお礼の気持ちを込めて書き入れるんです。
その理由はダルマで考えてみるとよくわかります。
ダルマは最初ひとつしか目玉がありませんが、ねがいごとが成就した暁に残りの目玉を書き入れますよね。あれは目玉が命の象徴だからです。
ダルマもてるてる坊主も僧侶が広めた文化ですので、同じ考え方が背景にあります。

子どもと作るのは、まず「顔なし」から

 (6850)

てるてる坊主は本来「顔なし」が正解ですので、子どもと一緒につくるときは、ぜひ「顔なしバージョン」を作ってみましょう。「なぜ顔がないの?」と聞かれたら、由来を丁寧に教えてあげましょうね。

もちろん「顔あり」バージョンもOK!

 (6853)

長く受け継がれる風習には「楽しさ」があります。子どもが楽しめるようにかわいい顔を書いたてるてる坊主をつくってみましょう。

(1)しわができないように丸めたティッシュや綿、ピンポン玉などをやわらかい布やタオルなどでつつみます
(2)頭と胴体が区別できるよう輪ゴムやひもなどできつめにしばります
(3)最後に顔を書き入れたら、空が見える場所に吊るしましょう

このてるてる坊主お気に入り♪(〃ω〃) 結構顔晴ってくれる♡(o^^o) #てるてる坊主 #お気に入り

A photo posted by 川島江里奈 (@erinakawashima) on

薄い生地でつくると顔を書き込みやすいですよ。
やわらかいフェルト用の布でつくるとカワイイ雰囲気に。

日本古来の風習を子どもに伝えていきましょう!

てるてる坊主は私たちの生活に根付く大切な風習です。
子どもがやがて親になるときまで覚えていられるようしっかり教えてあげましょうね。

なお、てるてる坊主を処分する際は塩で清め感謝の気持ちを伝えてください。
てるてる坊主は神様と人間をつなぐ大切な代理人ですからね。

てるてるぼうず | おぐま こうじ | 本-通販 | Amazon.co.jp

商品名:てるてるぼうず
著者:おぐまこうじ
出版社:くもん出版

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター