2021年04月30日 公開

今すぐ気をつけたい!増える子供の近視の原因と対策

いま近視の子どもが増えていることを知っていますか?近視になる原因は、普段の生活の中にもあります。近視の原因と、予防のために今日から気をつけたいことを紹介します。

近視の子どもが年々増えていることをご存じですか?
近視は誰もがなり得る身近な問題となっており、低年齢化も進んでいます。
子どもの目を守るため、まず親である私たちがその現状を知り、子どもが幼いうちから予防をすることが大切です。
普段の生活の中で注意できることを紹介しますので、ぜひ今日から意識してみてください。

近視の子供が増加中!その原因は?


<画像出典>:(引用)文部科学省,2019,令和元年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書) 

近視の子どもは増加傾向にあります。令和元年度の文部科学省の調査によると、裸眼視力1.0未満の子どもの割合は、幼稚園26.06%、小学校34.57%、中学校57.47%、高等学校67.64%で、小学校、中学校、高等学校は過去最高の数値となりました。
同年に慶應義塾大学医学部からは、都内小学生の約80%、中学生の約95%が近視であると報告されています。小学校1年生の時点でその割合は60%を超えているそうです。

近視とは?

まずはじめに、近視とはどういうことか確認しておきましょう。
かんたんに言うと、近くのモノははっきり見え、遠くのモノがぼやけて見える状態のことです。
近視にはいくつか種類がありますが、その多くは目の表面から網膜までの長さ(眼軸長)の伸びが原因の「軸性近視」であると言われます。正常な眼球は球状ですが、眼軸長が伸びた眼球はラグビーボールのような形になってしまうそう。
メガネにより正常な視力まで矯正できることがほとんどですが、伸びた眼軸長が元に戻ることはなく、病的な近視に進行する例もあります。稀なこととはいえ、強度の近視では失明に至る可能性もあり、軽視できない問題です。

近視の原因は?

近視は、遺伝要因と環境要因が関係していると考えられています。
両親が近視でない子どもに比べて、片方の親が近視の場合は約2倍、両親とも近視の場合には約5倍の確率で子どもも近視になりやすいと言われます。両親が近視の子どもは、特に気を付けたほうがよさそうです。
遺伝も影響するとはいえ、昨今の近視の増加は生活習慣の変化によるところが大きいと考えられています。近くを見る時間やおうち時間が増えたことなどがその要因です。

子供の視力の確認方法

子どもだと見えにくいと自覚したり、それを人に訴えたりすることが難しい場合もあります。そのため、親が子どもの視力を気に掛ける必要がありますが、どのように確認すればよいのでしょうか。

最初の機会は3歳児健診

子どもの視力を確認する最初の機会は、3歳児健診ではないでしょうか。この健診は、近視に限らず、子どもの視覚に異常がないかをチェックする大事な機会です。
特にメガネやコンタクトを使用しても十分な視力が得られない「弱視」は早期発見・治療することが重要です。子どもの目の成長は8歳頃までに完成するため、発見が遅くなると治療が難しくなります。
弱視は子ども50人に1人の割合で見られる病気です。万一異常があった場合に手遅れとならないためにも、3歳児健診はきちんと受けておきましょう。
3歳児健診の視力検査は、自治体から配布されるキットを使い、まず家庭で検査するスタイルが一般的。キットや検査の仕方は各自治体により異なります。わが家では、片目を隠すマスクを作り、指定の絵柄を離れたところから見せて答えてもらう方法でした。
慣れないことに親も子どもも手間取るかもしれませんが、しっかりと検査をし、少しでも気になることがあれば医療機関を受診しましょう。

視力検査はどこでする?

3歳児健診以外にも、子どもの視力を検査する機会は作れます。大人だと眼鏡店で視力を測ることもあるかもしれませんが、子どもの場合は専門の眼科を受診しましょう。
「C」のような形(ランドルト環)の向きを答える通常の視力検査ができるのは3歳以上が目安。3歳0ヶ月でおよそ6割、3歳6ヵ月で9割の子ができるようになるそうです。
3歳未満でもかんたんに視力を測ることができる機器や方法はあります。子どもの視力に気になるところがあれば、3歳児健診を待たずに検査をしたほうがよいでしょう。

普段の生活でチェックする方法

健診や眼科での検査の前に、普段から子どもがきちんと見えているかを意識しておくことも大切です。
下記のような様子に心当たりはないかチェックしてみてください。当てはまるものがあれば近視を疑ってみたほうがよいかもしれません。

・遠くを見るとき、目を細めている
・首を傾けるなど、横目や片目で見ようとする
・本やテレビとの距離が近い
・姿勢が悪く、机に顔を近づける
・看板などの文字を読み間違える

子供の目を守るために気をつけたい4つのこと

子どもの目を守るため、普段の生活の中で気をつけたいことを4つ紹介します。
ぜひ今日から意識して、目に優しい行動をとるようにしましょう。

姿勢を正す

「姿勢をよくしなさい」というのは、視力のことを意識せずともよく子どもに注意していることではないでしょうか。姿勢が悪いと見る対象との距離が近くなったり、左右どちらかの目で見てしまったりします。それが近視の進行や左右の視力の差に繋がる原因です。本やノートからは30㎝、スクリーンからは60~70㎝以上の距離をとるようにしましょう。
特に近くを長時間見る状況を生みやすいスマートフォンやタブレット、パソコンの使用には注意が必要です。
WHO(世界保健機関)の「5歳未満の小児に関する運動・座位活動・睡眠に関するガイドライン」では、子どものスクリーンタイム(テレビ・ビデオ・コンピューターゲームを座って見続けること)の基準を、2歳未満は推奨せず、2~4歳は1日1時間未満と定めています。
これらの機器は今の子どものたちにとって避けては通れないもの。姿勢や画面との距離、使用する時間に気を付けてうまく付き合っていきたいですね。

照明に気を付ける

目には適度な明るさも大切です。読書や勉強をするときの照明は300ルクス以上の明るさが理想とされます。その明るさを確保するには、部屋の照明以外にLED電球なら700~1000ルーメン、白熱電球なら40~60W、蛍光灯なら15~20Wの追加照明が必要です。
日中は明るさが大切ですが、夜眠るときは暗くすることが大事。睡眠時の照明が近視に影響する可能性を示す調査結果もあります。2歳までの睡眠時に明るい部屋で寝ていた子どもほど近視になる確率が高いそうです。
それぞれの場面に適した照明の環境をととのえておきましょう。

外遊びをする

外遊びは目にとって大切なこと。近視の子どもが増えてきているのは、外遊びの時間の減少が原因だともいわれます。
屋外で過ごす時間が長いと近視になりにくいことが、多くの研究で証明済みです。たとえ両親が近視であっても、あるいは近くを見る作業時間が長くとも、十分な外遊びの時間が確保されていれば近視の発症リスクが減るとの報告もあります。
外遊びが目によいのは、「バイオレットライト」という光に近視を予防する効果が期待されるため。バイオレットライトは太陽光の一部で、ブル―ライトと紫外線の間に位置する光です。
今ではバイオレットライトを取り込むメガネも発売されています。
バイオレットライトを浴びるには直射日光が必須というわけではありません。紫外線や暑さ対策などをしたうえで、1日2時間は外で遊ぶことが目標です。

20-20-20ルール

目を守るために、具体的な数値の目標があります。それが米国眼科学会の推奨する「20-20-20ルール」です。
これは、「20分」ごとに、「20フィート」(約6メートル)離れているものを「20秒」見て目を休ませるということ。こうすることで目がリラックスし、疲れにくくなるそうです。
20-20-20ルールをも守れればベストですが、続けて何かを見る作業をするときは、少なくとも1時間に1回は目を休憩させるようにしましょう。

子供のメガネとコンタクト

近視の予防策はあるものの、100%近視を回避できるものではありません。
近視になってしまったときに気になるのが、メガネやコンタクトのこと。
子どもにメガネやコンタクトは必要なのか、いつから使用すればいいのか解説します。

メガネの目安は視力0.7以下

近視でも日常生活に支障がなければ、すぐにメガネをかける必要はありません。しかし、見えない状態のままでいることは、目に負担をかけることになります。メガネの使用で視力が落ちることはないので、子どもにあったメガネを適切な時期から使うことが大切です。
メガネの使用を検討する目安は、視力が0.7以下になったとき。視力のほか、子どもの生活スタイルによっても必要性は変わってきます。学校の授業など必要なときはメガネをかけ、そのほか支障のないときは外すという使い方でも問題はありません。
メガネをかけはじめたあとも定期的に度数をチェックするなど、適切なメガネの使い方ができるようにしましょう。

コンタクトは中学生以上が安心

コンタクトの使用に年齢制限はありません。最近は近視と共に低年齢化がすすんでいて、小学生で使いはじめる子もいるそうです。
しかし、レンズのケアの必要性や角膜を傷つけるなどのリスクを伴うことから、中学生以上での使用が安心とされます。
メガネ同様、眼科医に相談のうえ使用し、定期的に検査を受けるなど正しく使えるように注意しましょう。

子供の目を守る生活をはじめよう

絶対に近視にならない方法は、残念ながら今のところありません。原因もさまざまなため、特に心当たりがないのに近視になってしまうケースもあります。
そうであっても、子どもの目を守るために少しでもできることがあるのならやっておきたいですよね。
まずは私たち親がその意識をもち、子どもが目に優しい生活を送れるようサポートしていきましょう!

<参考サイト>
公益社団法人日本眼科医会|https://www.gankaikai.or.jp/health/39/02.html
朝日新聞 EduA|https://www.asahi.com/edua/article/13124790
近視研究会|http://myopia.jp/
日本弱視視学学会|https://www.jasa-web.jp/general/myopia
医療法人社団医師会|https://www.ocular.net/treatment/amblyopia.html
日本弱視斜視学会|https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/amblyopia
公益社団法人日本視能訓練士協会|jaco.or.jp/ippan/sansaiji/
WHO 5歳未満の小児に関する運動・座位活動・睡眠に関するガイドライン|https://www.who.int/news/item/24-04-2019-to-grow-up-healthy-children-need-to-sit-less-and-play-more
zoff|https://www.zoff.co.jp/shop/t/t1560/
https://www.m3.com/open/clinical/news/article/404080/
子どもの近視情報サイト|https://healthcare.jins.com/memamoru/

<参考文献>
文部科学省,2019,令和元年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書) 
慶應義塾大学医学部,2019,小中学生の近視増加傾向への警鐘
ロート,2011,子ども生活情報便vol.2子どもたちの目が危ない!!小学生の1日の行動時間の約半分が30cmの至近距離生活
大橋,青木,若菜,岡,加藤,鳴海,五田,宗原,2001学童の近視と睡眠時照明

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

3分でわかる知育マガジン「Chiik!」

WRITER

かすみ かすみ 東京都在住、2016年生まれ女児の母。大学卒業後は料理教室、食品マーケティング会社に勤務。出産を機に専業主婦となったものの、子どもと2人きりの日々から抜け出したく、地域のママ向けフリーペーパーの製作に携わるように。そこからライター・デザイナーとして活動中。