2019年03月15日 公開

基本のだしの取り方をチェック!家庭でできる食育取り組み例

だしは料理の基本。とくに和食はだしがおいしさを左右します。でもだしを取るのは面倒だし難しそう、と思っていませんか? じつは案外簡単で、慣れれば時間もかかりません。今回は基本のだしの取り方やさまざまな種類のだし、家庭でできる食育の取り組みなどについて解説します。

だしは料理の基本。とくに和食はだしがおいしさを左右します。でもだしを取るのは面倒だし難しそう、と思っていませんか? じつは案外簡単で、慣れれば時間もかかりません。今回は基本のだしの取り方やさまざまな種類のだし、家庭でできる食育の取り組みなどについて解説します。

だしとは?

 (135906)

HikoPhotography / Shutterstock.com
だしとは素材を煮出して旨味成分などを抽出したもの。料理のベースとなり、おいしさの決定打にもなる重要なポイントです。

うま味成分がたっぷり含まれるだしは和食の要。離乳食でも7カ月ごろから味のアクセントとして活躍してくれるようになります。

だしを取るときにあると便利な道具

 (135907)

cosma / Shutterstock.com
だしを取る際、次のような道具があると便利。いずれも身近な道具ばかりなので、わざわざ新調しなくても、普段使っているものでOKですよ。

・スケール
・キッチンペーパー(不織布タイプがおすすめ)もしくはふきん
・ざる
・ボウル
・大鍋

まずは基本から!かつお昆布だしの取り方

 (135908)

gontabunta / Shutterstock.com
まずは和食の基本である、かつお昆布だしの取り方をチェックしていきましょう。

昆布とかつお節でとっただしは「合わせだし」とも呼ばれます。それぞれの旨味成分である、昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸が合わさり、相乗効果で旨味の強いだしが取れますよ。

昆布とかつお節を最初に煮出した「一番だし」と、だしがらを使った「二番だし」の取り方をご紹介しましょう。

一番だし

旨味が強いのが特徴で口当たりもよく、だしそのものの味を楽しむお吸い物や茶碗蒸し、うどん・そばのつゆなどにぴったりです。

■作りやすい分量
・水 1L
・昆布 10g
・かつお節 10〜20g

■だしの取り方
1.昆布を30分〜一晩ほど水につけておく
2.昆布を入れた水を火にかけ、沸騰直前に火を止めて昆布を取り出す
3.かつお節を入れてから中火〜強火にかけ、再沸騰したら火を止める
4.キッチンペーパーを敷いたざるでこす

できあがった一番だしはすぐに使わない場合、粗熱をとってから冷蔵庫で保存すると2〜3日ほど持ちます。離乳食を作る際には、製氷機でキューブ状に冷凍しておくと使いやすくて便利ですよ。

二番だし

一番だしで使った昆布とかつお節のだしがらを使ってとる二番だしは、味噌汁や煮物、炊き込みご飯などにおすすめです。

■作りやすい分量
・水 500ml
・一番だしで使った昆布とかつお節のだしがら
・追いがつお 10g

■だしの取り方
1.だしがらと水を鍋に入れて沸騰したら弱火にする
2.5〜10分ほど煮出したら追いがつおを入れる
3.2分間煮出す
4.火を止めてキッチンペーパーを敷いたざるでこす

二番だしも一番だしと同じように冷蔵庫や冷凍庫で保存が可能です。残っただしがらは醤油やみりんで味付けし、佃煮やふりかけにして食べると無駄なく美味しく使いきれますよ。

他にはどんなものでだしが取れる?

 (135909)

gontabunta / Shutterstock.com
昆布やかつお節だけでなく、他にもさまざまな素材からおいしいだしが取れます。それぞれの特徴に応じて使い分けると、料理の腕もアップすること間違いなしですよ。

いりこ(煮干し)

カタクチイワシをゆでて干したいりこでとるだしは、味噌汁との相性ぴったり。水につけておき、火にかけて煮出すだけの簡単な方法なので、毎日の食事に活躍します。

きれいな銀色でお腹が割れていないものを選ぶのがコツ。頭を取り、腹を割って内臓をだしておくと雑味が少なく、よりおいしいだしが取れます。

あご

「あご」とはとびうおのことです。あごだしは昔から九州から西日本にかけてよく使われてきました。
同じ魚のだしであるいりこに比べて脂肪分が少ないあごは、雑味が少なくすっきりと上品な味が特徴で、高級食材でもあります。

うどんやそばと相性がよく、長崎の五島うどんはあごだしを使ったつゆで有名です。

魚のアラ

魚をおろした後に残った頭や骨、カマなどのアラからもおいしいだしを取れます。魚の持つ旨味が凝縮されてコク深く、栄養もたっぷり。タイやアジ、サバ、イワシなど旬の身近な魚でOK。アラ汁や味噌汁、ラーメンやにゅうめんのスープにもぴったりです。

魚の苦手な子どもには、アラだしからチャレンジさせてみるのもよいかもしれませんね。

野菜

普段使っている野菜からもおいしく栄養たっぷりのだしが取れます。最近ではベジブロスと呼ばれる野菜のヘタや皮、芯などを煮込んで取るだしも一般的になってきました。

玉ねぎの皮や人参のヘタ、白菜やキャベツの芯などから甘いだしがとれます。好みの材料を入れた野菜スープやミネストローネのベースとして使うとおいしく仕上がりますよ。

鶏ガラ

鶏がらスープといえば顆粒だしですが、意外と手軽に家庭でもだしを取ることができます。鶏ガラに付いている血合いや汚れをしっかり落として下処理し、長ネギの青い部分と生姜、にんにくと煮込むだけ! アクをしっかりとってできた黄金色のだしは塩やこしょうで味付けするだけで、豊かな風味が感じられるスープになります。

コクと旨味たっぷりのだしはラーメン、鍋などにぴったりです。鶏ガラはスーパーでも安く手に入れられるので、ぜひチャレンジしてみましょう。

だしで広がる家庭での食育取り組み

 (135910)

Evgeny Atamanenko / Shutterstock.com
子どもの食育といえば包丁を使ったりフライパンで炒めたりなど、調理に目が向きがちですが、だしについて教えることも大切な食育のひとつです。

たとえばだしを取らずにお湯で作った味噌汁と、だしを使って作った味噌汁とを食べ比べてみましょう。見た目には同じでも味や香りの違いに子どもたちも気づくはずです。

またさまざまな食材でだし汁を作ってみて、それぞれの味わいを比べてみるのも楽しいかもしれませんね。

だしの魅力を知って子どもたちにも伝えていこう

 (135911)

Theerawan / Shutterstock.com
面倒に思えるだしを取る作業ですが、やってみると意外と手軽にできると感じることも少なくありません。筆者自身も味噌汁はいつもいりこでだしを取っていますが、顆粒だしを使う手間とあまり変わらないように感じています。

とはいえ忙しい日々の中、毎日丁寧にだしを取るのは難しいものです。そんなときは無理せず、便利な顆粒だしや液体だしに頼りましょう。

余裕のあるときにまとめてだしを取り、冷蔵庫や冷凍庫で保存しておくと、手軽においしいだしがいつでも使えます。

だしは料理の基本。きちんと知って、子どもたちにもその魅力を伝えていきたいですね。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター