「フランスの子どもは夜泣きしない」「フランスの子どもは何でも食べる」など、世界的にフランスの育児が注目されることも増えている昨今。中でも、「礼儀作法」や「しつけ」は特徴的ではないでしょうか。現地で二児を育てる上で感じた【フランス流しつけの特徴】についてお伝えします。
「小さな大人」として扱われるフランスの子どもたち
というのも、フランスだと子どもは「小さな大人」として扱われ、「子ども」扱いされることが少ないからです。「小さな大人」だから、自分の意思をしっかり持ち、きちんと主張し、他人に対して礼儀正しくすることは当たり前。「子どもだからできなくて当たり前」と甘やかされることはありません。
レストランや結婚式など公の場で、幼い子どもがおとなしく良い子にしている姿を頻繁に見かけます。「子どもが大人に迷惑をかけてはいけない」ということが徹底的に叩き込まれているのです。
子どもは生まれながらにして悪である⁉
しかしフランスでは、「子どもは生まれながらにして悪である=性悪説」を前提に育てる人が多く、「きちんとしつけをして正す」ということが徹底されています。
敬虔なカトリックの家庭などは特に、厳格にしつけをしている印象です。
親はあまり口出ししない
子どもが何かいけないことを誰かにしてしまったとき、またお礼をしなくてはいけないときなど、ついつい「ごめんなさい、うちの子どもが……」、「ありがとうございます!」と子どもの代わりに親が言ってしまいそうになるものではないでしょうか。でもフランスの親御さんを見ていると、彼らがそこで口にするのは「なんて言うの?」という子どもへ問いかける言葉。
子ども自身がしたこと、されたことで、「謝るべきこと」「お礼すべきこと」は本人が自分で言うべき、という教育が小さい頃からなされています。
もちろん、していけないことを「いけない」とは注意しますし、危険な行動や失礼な行動は止めに入りますし、代わりに謝罪やお礼を言うこともゼロではありません。
たとえば子どもがほかの子どもを叩いてしまった場合は、親が間に入ってその子や親に「ごめんなさい」と謝罪するよりも、「こういうときはなんていうの?」と子どもが自分から謝るようにさせます。
また、子どもが何かもらったときは親が代わりにお礼をいうのではなく、「こういうときはなんていうの?」と子どもに「メルシー(ありがとう)」とお礼を伝えるようにさせています。
親が子どもを礼儀正しくするのにあれこれ口出しするのでなく、子ども自らが礼儀正しく行動できるように促すのです。
メリハリをつけたしつけ習慣
でも、現地で実際にフランスの子どもたちを見ていると、とっても自由で伸び伸びしている印象を受けます。
というのも、フランスの子どもたちは四六時中おとなしくしているわけではありません。自宅やバカンスのひとときなど、子どもらしく振る舞ってよい時間もたくさんあります。
ただし、子どもらしく騒いでよいときと、小さな大人として振る舞うべきときとのメリハリをしっかりつける習慣を、小さい頃から身に付けるしつけが徹底されているのです。
最後に
数々の子どもらしい失態をしながらも、日々のしつけの積み重ねで礼儀や作法を学んでいっているのではないでしょうか。