子どもは何をするにも時間がかかり、親は「早くしなさい」が口癖になってしまいがち。でも、子どもを急かしても何も解決しないどころか、子どもの将来に良くない影響を及ぼすことも。子どもに時間感覚を身につけさせ、自ら段取りよく行動するために効果的な3つのステップを紹介します。
子どもの時間感覚とは?
しかし親は、段取りよく進めてほしいと思う反面、子どもが効率を考えて行動することは、残念ながらほとんどありません。子どもは常に、楽しいことや面白いことに目がいき、没頭してしまうからです。
一般的に、小学1年生で時計の読み方を学びはじめます。入学前に時計を読める子どももいますが、時間感覚があることとは意味がまったく違います。あるとしても、そのころの子どもの時間感覚はとても大まかで、未来のことは「明日」、過去のことは「昨日」といった程度です。
将来のためにも、少しでも早く自主的に時間管理ができるようにしたいものですね。そのために、小さいころから時間への意識を高め、少しずつ時間感覚を身につけていくように親がサポートする必要があります。
STEP1:優先順位をつける
たとえば、「園で使った服を洗濯物のカゴへ入れてから、おやつを食べる」「宿題をやってから、外へ遊びに行く」など、家庭内でルールを決めましょう。
「やりたいことするためには、やるべきことを終える必要がある」と子どもが体得したら、今度は優先順位をつける練習をしましょう。今日やるべきことだけでなく、休み明けや今月中にやるべきこと、そして子どものやりたいことも書き出してみてください。
その上で優先順位を考え、番号または特に重要な項目には赤ペンなどで印をつけましょう。1日あるいは1週間など、自分の予定をリストアップする習慣づけをすることが時間管理の第一歩です。それを繰り返すことで、時間の使い方を子ども自身が考えるようになります。
STEP2:段取りを教える
最初から行うのは難しいので、遊びの予定を立てることから取り組むと、子どもにも分かりやすくスムーズです。
たとえば、日曜日に動物園へ出かける予定がある場合、ガイドブックやインターネットでどんな動物がいるのか、どんな施設があるのかを確認し、どの順序でまわるのがいいのか考えます。当日食べる自分のおやつを考えて買いに行ったりするのもいいですね。その他、必要な持ち物も子どもと一緒に考えてリストを作りましょう。
段取りよく行えば、物事がスムーズに進むことを経験させた後は、楽しいイベントだけでなく、普段の生活にも取り入れるようしてみてください。毎朝、学校や幼稚園へ時間通りに行くためには、前日の夜に持ち物を用意しておく、明日の朝着る服を枕元に置いておくなどの準備を一緒にしましょう。最初から完璧にはいかなくても、子ども自身が考えようとする姿勢が重要ですよ。
STEP3:砂時計やタイマーを使う
片づけや着替えなど比較的、短時間でできるときに、砂時計やタイマーをセットします。 砂が落ちる様子や、セットした時間にタイマーの音が鳴ることで、時間の量を形や音で感じることができます。
その中でも砂時計は、特に効果的です。ある行動を終えるのに、砂時計が一度すべて落ちてもう一度必要だったとすれば、3分の砂時計なら6分かかったことが分かります。
3分という小さな時間の単位が身につけば、時計がなくても時間感覚が身につきます。さらに「時間は過ぎていくもの」という概念も自然に刷り込まれるでしょう。
声かけのポイントは?
「早くしなさい」の代わりに、「次は何をするのかな?」「あれ、何か忘れていることない?」など、子どもに考えさせる声かけをしましょう。「砂時計を使ってみる?」と提案するのも効果的です。
また、急ぎたくない理由があるかもしれません。もし「幼稚園や学校で嫌なことがあった」「この洋服を着たとき、友だちに何か言われた」など、言い分をしっかり聞いてあげることがポイントです。すぐに解決することは、その場で対処し、嫌だった気持ちを「辛かったね」といったん受け止めて、子どもが前向きになれるようなアドバイスをしてあげましょう。
子どもの将来のために!
親はしびれを切らし、ついつい指示を出してしまったり、手を出しすぎてしまったりしますが、そこはグッと我慢を。時間感覚を身につけ、段取りよく自主的に行動することは、子どもの人生においてとても大切なことです。親は子どもをサポートし見守りながら、親自身も時間を有効に使っている姿を見せることがポイントですよ。
とはいえ、すべての時間を有意義に使う生活は息が詰まります。ゆっくり過ごす時間も大切にし、メリハリをつけながら子どもの時間感覚を育てていきましょう。