2016年12月29日 公開

新年の最初のごちそう「おせち料理」の由来と詰め方

お正月にいただくおせち料理。その起源はなんと平安時代にはじまり、江戸時代に現在のような「おせち料理」が一般大衆に広まりました。そんなおせち料理の由来やそれぞれの食材のいわれ、お重への詰め方をご紹介します。

お正月にいただくおせち料理。その起源はなんと平安時代にはじまり、江戸時代に現在のような「おせち料理」が一般大衆に広まりました。そんなおせち料理の由来やそれぞれの食材のいわれ、お重への詰め方をご紹介します。

なんで重箱?おせち料理の由来とは

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おせち料理は年神様にお供えするための料理です。季節の節供の料理を「御節供(おせちく)」「御節供料理」などと言っていたものが「おせち料理」と呼ばれるようになり、お正月の料理を指すようになりました。またお正月にかまどの神様を休めるために、作り置きができるものになっています。

それぞれの食材には新年の願いが込められており、おめでたさが重なるように重箱に詰められています。
現在では三段重が主流ですが、正式な重詰めは四段重です。年神様から授かった「福」を詰めるため、五段重にする場合もあります。

願いのたくさん詰まった「一の重」

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一の重は、おせち料理で一番重要だといわれる「三つ肴(みつさかな)」が入りますが、これは「黒豆」「田作り」「数の子」のことです。他には「栗きんとん」や「かまぼこ」が入ります。

「黒豆」 丈夫・健康を意味する「まめ」という言葉から。「まめに働く」とかけています。
「田作り」 田畑に肥料として撒かれていた小魚から、五穀豊穣を願います。
「数の子」 ニシンの卵である数の子。ニシン(二親)からたくさんの卵が獲れることから、子孫繁栄・子宝を願います。
「栗きんとん」 黄金に輝く財宝を表し、豊かさを願います。
「紅白かまぼこ」 かまぼこの形から「日の出」を象徴しています。紅は喜び、白は神聖を表しています。

ごちそうがたっぷりの「ニの重」

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「鯛や海老の塩焼き」「ブリの照り焼き」などのごちそうが入ります。また、「昆布巻き」「紅白なます」などもここに入ります。

「鯛」「めでたい」という語呂合わせから。
「海老」海老のように腰が曲がるまで長生きする「健康長寿」を願います。
「ブリの照り焼き」 ブリは成長につれて呼び名が変わる出世魚です。立身出世を願います。
「昆布巻き」「子生婦(こんぶ)」と書いて「子宝」を願います。「喜ぶ」という言葉にもかけてありますね。
「紅白なます」おめでたいときの水引の紅白の色を表します。

色とりどりの煮物でいっぱいの「三の重」

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「三の重」には煮物が入ります。「れんこん」は見通しが利くように、「サトイモ」は小芋がたくさんできるので子宝、「ゴボウ」は根を張って代々家が続いていくように、「クワイ」もサトイモと同様子宝と、大きな芽が出てめでたい、という願いがそれぞれ込められています。

またさまざまな具が一緒に入っていることから、家族が仲良く居られるようにとの「絆」を表します。

すべての食材に願いを込めて少しずついただきましょう

おせち料理には入っているそれぞれの食材には、どれも大切な意味や願いが込められています。それだけでなく、保存性や栄養バランスも考えられています。少しずつ、でもすべての食材をいただいてくださいね。健やかな一年になりますように。

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この記事のライター