2016年08月28日 公開

心と脳の特効薬「絵本の読み聞かせ」の効果を再確認しよう

声による意思疎通が、人類にとっての「会話」つまり「コミュニケーション」のはじまりでした。読み聞かせは、まさに親と子の「コミュニケーション」です。もっとも簡単でもっとも効果のある子育て法が読み聞かせなのです。その素晴らしい効果を再確認してみましょう。

声による意思疎通が、人類にとっての「会話」つまり「コミュニケーション」のはじまりでした。読み聞かせは、まさに親と子の「コミュニケーション」です。もっとも簡単でもっとも効果のある子育て法が読み聞かせなのです。その素晴らしい効果を再確認してみましょう。

耳から入った情報は人間の脳の奥深くに届く

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「耳学問」という言葉がありますよね。耳を通して聞いた言葉は、文字を目で追って得た情報よりも長く脳に残るといわれています。それは、聴覚が人間にとってもっとも原始的で大切な感覚だからです。

熟睡している人のそばで大きな音を出せば目を覚ましますよね。「病人が危篤状態になっても聴覚は最後まで残る」ということを見聞きした人も多いでしょう。聴覚はそれだけ重要な感覚だということの証です。人間にとってもっとも重要な器官である耳から入った情報は、脳の奥深くにある大脳辺縁系という場所に届きます。

読み聞かせは子どもの心をすこやかにはぐくむ特効薬

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大脳辺縁系に届いた音は、その部位の脳細胞の活動を活発化させることが研究によって明らかにされています。
大脳辺縁系という部位は、人間の情緒(喜怒哀楽)をコントロールする器官です。つまり読み聞かせは、子どもの大脳辺縁系を発達させ、情緒の豊かな人間に育てる効果があるのです。

「絵本の読み聞かせ」は言葉の学習にも最適

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人間の記憶は、「感情のゆらぎ」を伴うと強化されることがわかっています。絵本を子どもに読み聞かせてあげると、大脳辺縁系が活発化し、感情の働き=感情のゆらぎが豊かになります。
子どもが気に入った絵本の読み聞かせを親にせがむのは、その絵本を読んでもらったときに生じる「感情のゆらぎ」をある種の快楽ととらえているからだと考えることができるのです。

感情が激しくゆらいでいる状態では記憶が強化されますから、パパママが読み聞かせてくれる言葉をどんどん覚えていきます。読み聞かせする本を選ぶ際も、段階的に文字の量を増やしていけば、子どもの語彙や表現力を大きく成長させることが可能なのです。

読み聞かせは子どもの想像力をきたえる最強ツール

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当たり前のことですが、絵本は少ない文字とたくさんの絵で作られています。「ほとんど文字だけで絵は少し」なんていう絵本はありませんよね。それはなぜかというと、文字を増やしてしまうと、子どもが想像力を働かせるチャンスが減ってしまうからです。

子どもの知育という見地から考えたとき、「絵本の読み聞かせ」の最大の効果は「子どもの想像力をきたえあげる」という点にあります。読み聞かせてもらっているあいだ、子どもは文字と絵のあいだをいったりきたりしながら、両者の関係を意味づけしようと脳をフル回転!パパママが声に出して読み上げた文字が絵のどの部分を表しているのかを、子どもなりに一生懸命さがそうとするんです。

絵本を読み聞かせてあげるときは、パッパと読み進めるのではなく、できるだけゆっくり時間をとりましょう。それが子どもの想像力をはぐくむ秘訣です。

読み聞かせ体験が子どもと親の心をつなぐ

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子どもの頃、どんな絵本を読み聞かせてもらったかおぼえていない人でも、パパママのひざの上やベッドのそばで読み聞かせてもらった情景は心に残っているはず。
将来すべての絵本が電子書籍になったとしても、読み聞かせという文化はなくならないでしょう。
それは、親子一緒に同じ時間を過ごしたという「体験の共有」が、親子の絆を固く強くするからです。

子どもが大人になってしまう前に……読み聞かせの時間を大切に!

子どもの心と脳をきたえるという点で、絵本の読み聞かせの効果は絶大です。子育ての方法についてはさまざまな意見がありますが、読み聞かせの素晴らしさについて否定する考え方は存在しません。子どもが子どもでいる時間はあっという間です。読み聞かせの時間を大切にしていきましょう!

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この記事のライター