2018年06月19日 公開

知っておきたい子育て費用|年代別に見る支出内容と金額

子どもが生まれたら、知っておきたい子育てについての費用。教育費や養育費の内容、年代別にかかる教育費の金額や公立・私立に通った場合のシミュレーションなどをご説明していきます。子育ての費用を知っておくことで、家計の状況も分かり、将来への貯蓄目標がたてられます。

子どもが生まれたら、知っておきたい子育てについての費用。教育費や養育費の内容、年代別にかかる教育費の金額や公立・私立に通った場合のシミュレーションなどをご説明していきます。子育ての費用を知っておくことで、家計の状況も分かり、将来への貯蓄目標がたてられます。

子育て費用の内訳

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子育てにかかる費用とは、いったいどのようなものでしょうか?

いちばんに思いつくのは、子どもの進学にかかる教育費ですが、実は食費や衣料費などの養育費も含まれます。この教育費と養育費をあわせたものが、子育てにかかる費用として必要です。

教育費と養育費、それぞれどのような費用がかかるのか、内容を詳しく解説していきます。

教育費

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教育費というと、主には学校通学に関する「学校教育費」と、塾や習い事にかかる「学校外活動費」にわけられます。未就学期から高校卒業までの、それぞれの教育費の内訳をチェックしていきましょう。

学校教育費
・授業料(保育費用)
・給食費(昼食代)
・学用品代
・制服代
・通学費
・修学旅行、遠足、社会見学等

学校外活動費
・塾費、習い事費
・交通費
・習い事に必要な備品購入等

文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査の結果について」によると、公立、私立で年間の費用は次のように。公立で年間の教育費が最もかかるのは、中学校の47万8,000円。私立では小学校の152万8,000円となっています。

それぞれの年代別でかかる費用は、後ほど詳しくご紹介していきます。

養育費

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養育費とは、子どもの食費や衣料費など、生活にかかる費用のことを指します。おもな内容は以下のとおり。

・分娩・出産費用
・食費
・衣料費
・保険、医療、理容費
・私的所有物費
・おこづかい
・一人暮らしの生活費など

内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」を参考に、未就学時期の費用をみてみましょう。

衣類や生活用品、お祝い行事の費用がいちばん高いのは、0歳児。年間費用では、衣類等に8万8,000円、生活用品に22万円、お祝い行事関連に15万9,000円となっています。保育園に通わせると、年間の保育費用は平均35万円ほど必要に。世帯収入によって保育費が違うため、事前に調べておくと毎月の費用がわかります。

中学生や高校生になると、段階的に交遊費や食費、衣料費も増えてきます。大学生で一人暮らしをする場合は、月々の生活費も考えて貯蓄しておいたほうが安心です。

子どもの年齢別に見る教育費

子ども一人あたりにかかる支出は、年間で平均いくらくらいなのでしょうか?

文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査の結果について」を参考に、教育費の目安を調べていきましょう。

幼稚園・保育園

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幼稚園の一年間の教育費は、公立で約23万円、私立で約48万円。私立では、公立の約2倍近く費用がかかります。

このうち給食費は、公立で約2万円、私立で約3万円と大差ありません。大きく違うのは授業料などの学校教育費で、公立が約12万円、私立が約32万円と、私立は公立の3倍近くにも。習い事なども、公立では9万円程度、私立では13万円程度とひらきがあります。

保育園に通わせる場合、保育費用が大きな負担になってきます。また、認可保育園か無認可保育園かで、月額の費用も大きく違ってきます。

平成21年「地域児童福祉事業等調査」では、認可保育園に通わせる全年齢の平均月額は約2万5,000円。年間総額は約30万円ほどかかってきます。3歳児未満は、少し保育費が高くなるので注意してください。

無認可保育園では、月額が1歳児4万3,000円、4歳児で3万4,000円で、自治体の助成や年齢によってかなり金額差があるようです。いちばんかかる時期で年間52万円ほど必要になるため、ある程度の準備が必要です。

小学校

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小学生になると、公立と私立での教育費はさらに差がでてきます。

公立小学校では年間約32万円ですが、私立小学校では約153万円と、私立は公立の5倍近くにも。このうち給食費は、どちらも4万4,000円程度。学校教育費は公立で6万円、私立で87万円となり、私立では授業料と学校納付金だけで約68万円かかるようです。

塾費や習い事費用も、公立では約22万円、私立では61万円と3倍程度の違いが。私立では中学受験に向けて、5~6年生で塾費が年間40~50万円かかるようです。

中学校

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中学校では、公立で年間約48万円、私立で約132万円と3倍ほど差があります。

学校教育費は公立で約13万円、私立で約100万円となり、私立の授業料と学校納付金の合計は、約68万円ほどに。塾費や習い事費用は、公立も私立も年間30万円程度と大差ありません。ただし公立では、高校受験に向けて中学3年に塾費が平均37万円と、私立中学よりも費用がかかる時期があります。

高校

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公立高校の教育は費年間約45万円、私立高校では年間約104万円と2倍以上の差が。そのうち、公立の学校教育費は約27万円、私立は約75万円となっています。

塾費に関しては、公立高校1年生で11万円、2年生で14万円、3年生で18万円。私立高校1年生で17万円、2年生で23万円、3年生で30万円が平均金額です。

大学入学に向け、高学年になるほど学習費用が増えているのがわかります。

専門大学や短期大学、4年制大学

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大学の1年間にかかる平均的な学費を比べてみましょう。

国立大学:64万7,000円/年
公立大学:66万6,000円/年
私立大学:  136万円/年

この費用のなかには、授業料、学校納付金、修学日、課外活動費、通学費が含まれています。

入学初年度には、この費用に加えて入学金が数十万円必要に。一人暮らしをする場合は、年間100万円程度かかることも考え、計画を立てることが大切です。

学習総額費用のシミュレーション

幼稚園から高校卒業まで公立に通った場合と、私立に通った場合、教育費の総額費はいくらくらいになるのでしょうか?ケースごとにシミュレーションしてみましょう。

ケース1 総額540万円(15年間すべて公立の場合)
幼稚園3年間:68万円
小学校6年間:193万円
中学校3年間:143万円
高校3年間 :135万円

ケース2 総額716万円(幼稚園~中学まで公立、高校は私立)
幼稚園3年間:68万円
小学校6年間:193万円
中学校3年間:143万円
高校3年間 :311万円

ケース3 1770万円(すべて私立の場合)
幼稚園3年間:145万円
小学校6年間:916万円
中学校3年間:398万円
高校3年間 :311万円

すべて公立に通わせた場合と、すべて私立に通わせた場合では、総額で3倍以上も差がでてきます。特に私立の小学校に通わせる場合、費用もかなり高額に。さらに私立大学への進路を考えている場合は、約650万円の学費が必要になってきます。

少なくとも、中学卒業までに大学進学の費用を貯蓄しておくことが重要かもしれません。

積極的に利用したい自治体の公的補助制度とは?

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就学援助制度

各市区町村では就学援助制度を実施しており、平成25年度全国で約153万人がこの制度を利用しています。保護者が経済的に子どもに就学をさせるのが困難と認められる場合、教育費の一部が補助の対象になります。

具体的な対象者は以下のとおり。

a.要保護者
生活保護法第6条第2項に規定する要保護者
b.準要保護者
市町村教育委員会が生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮していると認める者

補助対象は、学用品費、新入学児童生徒学用品費、通学費、医療費、学校給食費、PTA会費など。対象になるかどうかは各市町村によって異なるため、注意が必要です。

詳しくは、各市区町村等の就学援助担当窓口に問い合わせてみてください。

児童手当

児童手当とは、子どもが中学校卒業するまで各市区町村から支給されるお金のこと。子どもの年齢や出生順によって、支給される金額も違います。

0歳~3歳未満:1万5,000円/月
3歳~小学校修了前:1万円/月(第3子以降は1万5,000円)
中学生:1万円/月

ただし所得制限限度額以上の人には、特例給付として子ども1人につき月額5,000円が支給されます。児童手当を受給するには各市区町村への届け出と、毎年6月に現況届を提出する必要があるので注意してください。

子育て費用を上手に確保するコツ

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子どもの進路のための資金を準備しておくために、家計の節約はもちろんのこと、保険を上手に活用するのも方法のひとつです。利率がよい学資保険、または終身保険で学資保険のかわりになるタイプのものに加入するなど。

学資保険のメリットは、親が死亡した場合それ以降の保険料が免除されるところです。デメリットは、途中解約した場合、支払った金額よりも戻ってくる金額が少ない場合があること。途中解約はせず、子どものために貯蓄するという強い目的意識が必要です。また終身保険でも死亡保険金が支払われるなど、万が一の場合にも安心です。

また、定期預金や職場の財形貯蓄制度を活用して、確実に貯蓄する方法もあります。職場の財形貯蓄制度には、一般財形と財形住宅貯蓄があります。財形住宅貯蓄とは、住宅を購入するために行う貯蓄のこと。貯蓄をはじめて5年以降、住宅貯蓄目的以外で引きだしても、5年前までの利子に税金がかからずお得です。

その他には、銀行の自動積立定期や郵便局の積立貯金も検討してみましょう。自営業の人でも利用可能で、預貯金から自動的に積み立てることができます。貯金するのが苦手な人にはおすすめです。

計画的な貯蓄が肝心

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育児するうえで、教育費用や養育費について、ある程度の目安が見えてきたでしょうか?子どもの進学に必要な費用は、公立か私立かでも大きく違ってきます。

また大学進学に必要な資金を計画的に貯蓄し、将来に備えることが大切。月々3万円ずつでも貯めていけば、子どもが18歳の時点で650万円ほど貯蓄が可能です。結婚や妊娠・出産を機に、少しずつでも貯蓄していくことが大切といえるでしょう。

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この記事のライター