2018年6月26日 公開

「自分の気持ちを言えない子」をどうサポートすればいい?

気が弱くて周囲の言いなりになっている、嫌なことをされても黙っているなど、自己表現が苦手な子どもは少なくありません。自分のやりたいことや考えていることを理解し、上手に周りに伝えられる力を育むには、どのようなサポートが有効なのでしょうか。3つのコツをご紹介します。

自己表現が苦手だとなぜ困る?

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Ollyy / Shutterstock.com
コミュニケーションの場面における自己表現力とは、一般的に「自分の気持ちを適切な言葉や態度で周りに伝えられること」を指します。

自己表現が苦手な子どもは、自分の意見を口にできずストレスをため込んでしまったり、適切ではない伝え方をして周りから距離を置かれてしまったりと、人間関係でトラブルを抱える可能性があります。

集団生活や社会生活を楽しむためには、自分の気持ちを素直に表現でき、また周りの意見も大切にする、バランスの取れた自己表現力が必要です。

子どもが自分の気持ちを理解し、周りに伝える力を養うために、筆者の家では次のような点に気をつけています。

「自分の意見」を持つために

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Ollyy / Shutterstock.com
自己表現を行うためには、まず自分の意見を持たなければなりません。しかし、子どもの少ない知識では物事の判断が難しかったり、性格的に断定するのが苦手だったりして、「あなたはどう思う?」と聞かれると戸惑ってしまう子どもも少なくありません。

選択する機会を作る

「自分の意見」を持つ練習として、子どもが選択する機会を意識的に多く作るようにしています。例えばわが家では、「今、引っ越しをするべきかどうか」といった家族全体に関わる内容は、7歳の長女にも、2歳の次女にも意見を求めます。

もちろん幼いときは、文字通り「子どもらしい」意見しか返ってこないのですが、「自分で考え、考えたことを言葉にして伝える」練習なので、それで構わないと考えています。年齢と練習を重ねるうちに自分の気持ちの説明が上手になり、小学2年生になった長女は、今では「どうしてそう考えたのか」まで詳しく説明してくれるようになりました。

比較のテクニックを使う

「恥ずかしい」「よくわからない」と自分の意見を口にするのが苦手な子には、「比較」のテクニックを用いるのがおすすめです。「遠足楽しかった」と子どもが言ったら、「遠足で何が一番楽しかった?」「この前行った動物園とどっちが良かった?」のように、比較対象を用いた問いを投げかけて、「楽しさ」に濃淡をつけてみましょう。

こうすることで、漠然と「楽しかった」という感想を持つだけでなく、「〇〇だったから楽しかった」「〇〇以上に楽しかった」という表現ができるようになります。

話す環境を整える

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自分の意見を言葉にするのは、勇気のいることです。反感を買うかもしれない、笑われるかもしれないといった心配が先に立ち、思っていることが言えないという子どももたくさんいます。

子どもには、「自分の意見を言っても良い」ということを教える必要があります。そのためには、親がなるべく子どもの話に割り込まないこと、そして子どもの話を否定しないことが大切です。

子どもの話に割り込まない

子どもの話はまとまりがなかったり、筋道が通っていなかったりすることも多いので、つい「それはこういうことでしょう」と話の途中で口をはさみたくなってしまいますが、時間が許す限りは黙って最後まで聞くようにしています。

話を先取りして親が言葉にしてしまうと、子どもは親の手助けを待つようになります。子どもの表現力を鍛えるために、子どもの話が一区切りつくまでは、なるべく口を出さずに見守れると良いですね。

できるだけ否定はしない

子どもは理屈に合わないことや間違ったことをたくさん口にしますが、「否定しないで済むことは否定しない」というのも大事です。

子どもの発言を叱りつけたり嘲笑したりすると、子どもは自分の意見を外に表す自信を失ってしまいます。否定しなければならないことについては、「あなたはそう思ったんだね。お母さんやお父さんはこう思うけど、どうかな」というような言い方をして、頭ごなしに否定することはないように心がけています。

表現力を鍛える

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自分の気持ちを周りに示すときは、「適切な表現方法」を知っておく必要があります。

相手に伝わるような言葉を選ぶことや、攻撃的な言葉を使わないことなどを知っておかないと、「周りの人は自分のことをわかってくれない」と感じたり、身近な人とケンカになってしまったりすることもあるからです。

絵本や動画を活用する

表現力を鍛えるのに、絵本や動画はとても役立ちます。物語の中に出てくる登場人物の考え方や対応を知ることで、自分の気持ちを伝える方法をたくさん身につけることができます。

友だちや家族との付き合い方をテーマにした絵本や動画は、たくさんあります。積極的に活用していきたいですね。

「伝え方」を教える

子どもの表現方法が適切でないと感じるときは、「また同じような気持ちになったら、次はこういうふうに伝えてくれるとうれしいな」と、子どもに「伝え方」を教えることも効果的です。

ただし表現方法を教えるときは、できるだけ子どもの伝え方が悪いと否定はせずに、「こうしてくれるとより良い」という言い方をするようにしましょう。

焦って子どもを責めないことも大切!

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コミュニケーション力の重要性が叫ばれている昨今、気弱で大人しい子どもを育てていると不安にかられることも多いかもしれません。

ただ、「自分の子どもは言いたいことが言えていない」と感じても、子ども自身はそれをストレスに感じていないこともあります。また、年齢的に今はまだ、自己主張をしたいという気持ちがそれほど強くないというだけで、成長の過程で自分の意見を言えるようになることもあるでしょう。

心配なあまり、「どうして自分の意見を言わないの」「言いたいことをちゃんと言いなさい」と、子どもを責めてしまうのは逆効果です。

子どもの個性を見極めつつ、おおらかな気持ちで、子どもの自己表現力の成長を見守っていきましょう!
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

青海 光 青海 光  都内在住、二児の母。大学卒業後、子育てをしながらIT企業でフ ルタイム勤務をしていましたが、夫の海外赴任に伴い退職。カオスなインドで3年ほど暮らしました。帰国後はライターとして 、育児やライフスタイルに関する記事を中心に執筆しています。楽しく・読みやすく・有益な情報をお届けします!