2018年12月16日 公開

昆虫の「変態」とは?昆虫の魅力的な姿から学びを深めよう

子どもにとって昆虫は、身近で不思議な生き物。昆虫には「変態」という仕組みがあることをご存知ですか?完全変態と不完全変態について理解すれば、昆虫の魅力をより子どもに伝えやすくなりますよ。身近な自然への興味を深めるきっかけにしてみましょう。

子どもにとって昆虫は、身近で不思議な生き物。昆虫には「変態」という仕組みがあることをご存知ですか?完全変態と不完全変態について理解すれば、昆虫の魅力をより子どもに伝えやすくなりますよ。身近な自然への興味を深めるきっかけにしてみましょう。

昆虫の「変態」とは?

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蝶はイモムシからさなぎになり、セミは地中から木の上へ移動するように、昆虫は姿形や生息する場所を変えながら育ちます。このような成長段階に合わせた変化が「変態」です。変態には無変態、完全変態、不完全変態の3つのタイプがあります。

無変態の場合、脱皮を繰り返し体は大きくなりますが、その姿や生活はほとんど変化がありません。古い本を整理していると姿を現すシミや、森林の湿った場所で見つけられるイシノミなどは無変態の昆虫です。今回は育ち方に注目すると観察がもっと楽しくなる、完全変態と不完全変態の昆虫について詳しく紹介します。

不完全変態のポイントは「子が親と同じ形」

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不完全変態の昆虫は卵から幼虫、そして成虫と、成長に3つの段階があります。大きな特徴は「幼虫と成虫で体のつくりが変わらない」ということです。草むらでバッタの幼虫を見つけても、すぐにバッタと分かりますよね。

バッタのほかにはコオロギやカマキリ、トンボ、セミなどが無変態の昆虫です。ここで「トンボやセミは幼虫と成虫で、生活する場所も姿も違うのでは?」と不思議に思う人もいるでしょう。しかし、どちらも生活スタイルは変わるものの、幼虫と成虫で体のつくりはあまり変わりません。

完全変態のとあるポイントを理解すると、よりわかりやすくなるはず。トンボやセミが不完全変態であることに納得できるでしょう。

完全変態のポイントは「さなぎ」

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卵から幼虫、そしてさなぎの過程を挟んで成虫になるものが完全変態です。脱皮だけでなく「さなぎ」になるかどうかが、完全変態と不完全変態を分ける大きなポイントとなります。不完全変態で紹介したトンボやセミは脱皮で成虫になり、さなぎにはなりません。

蝶やカブトムシ、蜂などが完全変態の昆虫です。幼虫のときには脱皮を繰り返して体が大きくなります。そしてさなぎから成虫になることで、幼虫とは全く違う姿へ。生活や食べ物にも大きな変化があることが完全変態の特徴です。

変態は生き延びるための変化だった!

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姿かたちや生活の変化を繰り替えす昆虫ですが、変態のゴールは成虫。つまり子孫を残せる大人と同じ姿になることです。昆虫が大きく姿や生活スタイルを変えて変態するのは、そのほうが生き延びて子孫を残すことに有利に働くからだと考えられています。

確かに蝶の幼虫であるイモムシは、動きが遅く行動範囲も狭いため、子孫を残すためのパートナーを探すのは大変そうですよね。蝶になることで飛べるようになれば、行動範囲も広がります。バッタやセミも成虫になると翅を観察できるでしょう。生命の神秘を感じる育ち方は、より昆虫を魅力的に見せてくれます。

変態を理解して生き物への興味を育てよう

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卵から生まれ、成虫になるまでに生活に合わせて姿かたちを変える昆虫の変態。その仕組みを理解し、子どもと身近な自然への学びを深めてみましょう。実際に家庭で虫を飼うときも、生育環境やえさを選ぶ参考になります。観察の視点がはっきりするとともに、昆虫の育ち方や姿をより魅力的に感じられるはずです。

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この記事のライター