2020年01月21日 公開

ベビーシッターの料金の相場は?利用シーンや活用例

共働き世帯が増え、預け先を求めるパパママは多いはずなのに、日本では欧米ほどベビーシッターを利用する文化は定着していません。その理由として、保育内容・料金について認知度が低いことがあげられるでしょう。ベビーシッターの料金・保育内容・上手な活用方法をご紹介します。

共働き世帯が増え、預け先を求めるパパママは多いはずなのに、日本では欧米ほどベビーシッターを利用する文化は定着していません。その理由として、保育内容・料金について認知度が低いことがあげられるでしょう。ベビーシッターの料金・保育内容・上手な活用方法をご紹介します。

ベビーシッターとは

ママ 娘 家族 - Pixabayの無料写真 (140831)

ベビーシッターは利用者の自宅・保育施設などに出向し、保護者の代わりに乳幼児・児童の保育・監督を行う業者のこと。対象年齢は0歳~中学生くらいまでです。ベビーシッターになるための国家資格はなく、社団法人 全国ベビーシッター協会が認定する「認定ベビーシッター資格」もありますが、就労の際必須ではありません。

とはいえ、誰でもシッターになれるかというと語弊があります。多くのシッターはベビーシッター会社に所属しており、入社前に学歴・職歴・保育士資格の有無などを審査され、採用条件を満たした人物のみがベビーシッターとして就労できるのです。

また個人でベビーシッター業を行う場合は、訪問型保育者として都道府県への届出が義務づけられています。その場合も幼稚園・保育園勤務歴のある人、看護師免許・小児救命救急法 国際資格 EFR-CFCなどの資格を持っている人に依頼が集中するのが実情です。

一人ひとりの子どもと向き合い、安全を守り、充実した保育が行える「子育てのプロ」がベビーシッターといえるでしょう。

保育士との違いは?

保育士は国家資格である保育士資格を有し、保育所のような児童福祉施設において保育を行います。保育対象年齢は0歳~就学前の乳幼児。ベビーシッターは個人宅と契約し、その家の子どもの保育を行う「個別保育」である一方、保育士は保育施設と契約し「集団保育」を行います。

保護者・子どもとの距離が近いベビーシッターサービスは、利用者が子育ての疑問・不安を相談しやすいのが利点です。

  ベビーシッター 保育士
内容 個別保育
利用者の自宅・保育施設などに出向し、保護者の代わりに乳幼児・児童の保育・監督を行う
集団保育
保育所のような児童福祉施設において、保護者の代わりに乳幼児・児童の保育を行う
対象 0歳~中学生くらい 0歳~就学前の乳幼児
資格 国家資格なし。民間資格の「認定ベビーシッター資格」はあるが就労の際に必須ではない 国家資格の保育士資格が必要

ベビーシッターの活用例

子 赤ちゃん 小さなこと - Pixabayの無料写真 (140830)

ベビーシッター業界では保育・監督・教育するサービスを「シッティング」と呼びます。0歳~就学前の乳幼児を対象とする「保育」に対して、シッティングは0歳~中学生くらいまでの幅広い年齢層の「子守り」を意味するもの。保育よりもさらに広い範囲で子どもをケアします。

保護者のライフスタイルに応じたサービスを提供できるのがベビーシッターの魅力です。親子の生活の質を上げるための利用例を見てみましょう。

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法事・就労・傷病など急用・緊急の際

法事・勤務先からの呼び出しなど子どもを連れて行けない急用時も、ベビーシッターがいれば安心。用事・仕事を落ち着いて済ませられます。あるいはパパママの急病・兄弟の体調不良時にもおすすめ。ベビーシッターにお留守番をお願いしておけば、時間を気にせず診療を受けられます。

保育園・幼稚園から習い事への送迎

保育園・幼稚園のあとに習い事をさせているご家庭は多いでしょう。仕事や家事で定時にお迎えができない場合は、ベビーシッターに送迎を頼むこともできます。希望の交通手段・帰宅後のスケジュールを事前に考えておくとスムーズです。

在宅勤務中の保育

小さな子どもを見ながら、在宅勤務・今後の就労のための資格勉強などをするのは難しいもの。特に2歳未満の乳幼児は目が離せないため、作業効率はかなり悪くなります。そんなとき、ベビーシッターにシッティングしてもらえば、子どもの様子を確認しながら仕事や勉強も可能です。子どももパパママが側にいるので、安心してシッターとの遊びに集中できるでしょう。

パパママの気分転換に

欧米では赤ちゃんをベビーシッターに預けて夫婦がデートをしたり、複数の幼児をシッターに任せて近所の親同士でパーティすることも珍しくありません。日本のように「子どもはいつでもパパママがお世話しなくてはならない」という固定観念があまりなく、両親・祖父母の都合が悪いときには信頼できる他者(ベビーシッターサービス)に頼るのは当たり前です。

一方の日本だと、就労・急用などの特別な事情がない限り、子どもを他人に預けることに罪悪感を覚えるパパママ、またそれを植え付ける周囲の言動が目立ちます。育児・家事・仕事に疲れてしまったときには息抜きが必要です。パパママのリフレッシュの手段としても、ベビーシッターを利用してみてはいかがでしょうか。

ベビーシッターの種類

ルーム 赤ちゃん クレードル - Pixabayの無料写真 (140832)

個人ベビーシッターを選ぶほか、ベビーシッター会社に登録しているシッターから選ぶこともできます。それぞれの家庭事情に合わせたシッターを見つけるには、どういった形態のベビーシッターサービスが良いのでしょうか。現在主流となっているのは以下のふたつです。

派遣型

派遣型の場合、ベビーシッター会社から個人宅へシッターが派遣されます。ベビーシッター会社の提示する資格・条件をクリアし、筆記・実技試験などをパスした人材が登録されているので心配はありません。利用者はホームページなどで、シッターの年齢・保育経験・保有資格を確認のうえ選ぶことができます。

元幼稚園教諭や元保育園主任の経歴を持つ人、看護師資格を有する人、英会話が堪能な人などが登録されている会社も多いもの。人材の質を高めるために社内研修・資格試験を行うこともあり、人件費が高くなるため料金設定が高めな場合もあります。

短時間送迎・病後児保育・産前産後サポート・外国語保育ほか、利用者のニーズに合わせた多様なサービスを受けやすいことが特徴です。

マッチングサービス

利用者と個人ベビーシッターが直接交渉し契約を結びます。マッチングサービスは個人、または企業の運営するマッチングサイト・ホームページでやり取りをする形態がほとんどです。事前登録・入会金・諸費用が不要な場合も多く、気軽に利用できます。人件費がかからないため、料金設定が低めなのも魅力でしょう。

利用を考えている場合、マッチングサービス専用アプリをスマホやパソコンでダウンロードするのもおすすめ。「保育士資格所有者で英語・ピアノを教えられるベビーシッター」「看護師資格保有者で1歳と病後児2歳の世話ができる人」など、具体的な希望条件がある場合に特に便利です。要望に近い人物がすぐに見つかります。

ベビーシッターの料金の相場

お金 ファイナンス 住宅ローン - Pixabayの無料写真 (140833)

便利なベビーシッターサービスですが、気になるのはやはり利用料金でしょう。「入会金が高そう」「基本料金は安くてもいろいろなオプション料金がかさむのでは」「シッターさんの往復交通費は別途必要?」など、いったいいくらかかるのか目安がわからないと不安です。

ベビーシッターの料金体系の相場を知っておくと、希望するサービスを適正価格で受けられます。個人ベビーシッターとの契約交渉もしやすくなるはずです。

利用料金 1時間あたり 1,000円~4,000円
入会金 10,000円~100,000円
年会費 5,000円~120,000円
オプション料金 会社・個人によって料金設定が異なる。
早朝・深夜・宿泊保育、送迎、病児・病後児保育、 ピアノやスポーツ、英会話などの専門的な指導などについて追加料金となる場合が多い
支払方法 クレジット/振込/現金後払い
往復交通費 利用料金に含まる場合と別途実費が必要な場合あり

【利用料金(1時間あたり)】
1,000円~4,000円
地域によって料金はさまざまです。数時間で利用料金が割安になるパックプランがある場合もあります。

【入会金・年会費】
入会金 10,000円~100,000円
年会費 5,000円~120,000円
派遣型ベビーシッターを依頼する場合、入会金・年会費が必要になることがほとんど。入会金・年会費を払う「会員」と、払わないで利用する「一般会員(ビジター・単発利用)」のどちらかを選べる会社もあります。その場合、会員料金のほうが割安に設定されているでしょう。継続して利用する予定なら、会員登録をしたほうが便利です。

【オプション料金】
会社・個人によって料金設定は異なります。早朝・深夜・宿泊保育は、1時間あたり数百円~1000円前後の割増に。ある有名派遣型ベビーシッター会社は短時間送迎2,000円、病後児保育は病状によって1回利用につき1,000円~5,000円の追加料金を設定しています。

スポーツや英会話の授業、塾のような本格的学習指導をマンツーマンで受けるオプションがある場合、数千円~10,000円前後の追加料金が発生するのが一般的です。

【支払方法】
・クレジット
・振込
・現金後払い

【シッターさんの往復交通費】
利用料金に含まれている場合と、別途実費が必要になる場合があります。また一律1,000円などと指定されていることもあるでしょう。

単発利用と定期利用でも変わる

普段はベビーシッターを利用しない方でも、急用・冠婚葬祭などの場合のみ利用できる単発利用と、毎週2回・毎月数回など定期的に継続して依頼する定期利用があります。一般的に単発利用の場合は定期利用に比べて割高です。

【例】
ビジター・トライアル会員(単発利用)
 1時間あたり2,700円
会員(定期利用) 1時間あたり2,380円

国や自治体からの補助がある場合も

国が行っているベビーシッター派遣事業を利用することで、利用料金の一部あるいは全額が助成される場合があります。助成を受けるには、国から事業を委託された「公益財団法人全国保育サービス協会」が承認した企業に保護者が勤務していることが条件です。

公益財団法人全国保育サービス協会が認定した企業にはベビーシッター割引券が発行され、「小学校3年生までの子どもまたは双子以上の多胎児」を持つ従業員が使用可能となります。

【ベビーシッター割引券の金額】
通常利用 2,200円(1日または1回)
多胎児保育・監督 9,000円又は18,000円(1日または1回)

近年、福利厚生サービスにベビーシッター補助制度を導入する企業が増えています。就労中のパパママは、勤務先の福利厚生サービスを確認してみましょう。

また多くの自治体でもベビーシッター支援事業が行われています。補助・助成が受けられる、指定のベビーシッター会社が格安で利用できるなど、さまざまな優遇措置があることも。ぜひ一度ご確認ください。

利用シーンの具体例

【A社】妊婦検診のため3歳と5歳の兄弟を2時間預けた場合

  • 入会費・年会費:不要
  • 初回面談:1,600円(基本料金1時間一人分)
  • 基本料金:1時間一人1,600円+二人目300円加算×2時間=3,800円
  • サービス手数料(基本料金+オプション料金の20%):1,165円
  • シッターの交通費:308円
  • 合計:6,873円

初めて預けるため初回面談が必要です。面談時に基本料金が発生しますが、 オプション料金(二人目以降の加算料金)はかかりません。


【B社】3歳の子どもを17:00に保育園へお迎えに行き(送迎料金に1時間の送迎時間を含む)、その後自宅で18:00から20:00まで保育した場合

  • 入会金:10,000円
  • 年会費:4,000円
  • 送迎料金:2,990円(1回1時間)
  • 保育料金※:2,010円×2時間=4,020円
  • 合計:21,010円+消費税+シッター交通費

※B社の場合、利用料金は時間帯によって基本料金が以下のように変わります(すべて税別)。
 9:00~18:00…1時間1,810円
 8:00~9:00、18:00~21:00…1時間2,010円
 21:00~翌8:00…1時間2,310円

安心・快適に利用するために面談はしっかりと

多くのベビーシッターは保育士・看護師資格保有者・子育て経験者・保育園や幼稚園での勤務経験者。言うなれば子育ての知識、緊急時の対応術を身につけたプロです。とはいえ、どんなに優秀な人材でも子ども・保護者との相性が悪いこともあります。子どもと一緒にシッターの所属する会社・自宅などを訪れ、15分以上の面談時間をとるようにしましょう。

保護者が気軽に意見を言えて、子どもが落ち着いて楽しく過ごせるような「フィーリングの合うベビーシッター」を見つけてみてください。

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この記事のライター

AOTANAOAO
AOTANAOAO

2015年よりライターと鞄・アパレル雑貨メーカーのWEBモデルの仕事をしています。Chiik!!では幼稚園入試、英語学童、インターナショナルスクール、親子で作れる知育玩具などの記事を執筆。 教育・健康・レジャー・ファッションなど、「日常生活がより豊かに楽しく送れる」ような情報記事を書いております。