2017年12月10日 公開

【子どもの権利】考察。「子どもを尊重する」ってどういうこと?

親として、育児に関わる大人として、「子どもを尊重する」とはどういうことか、ふと悩むことがありませんか?私たち大人は、子どもの権利をどうとらえ、守ったらよいでしょうか?「子どもの権利条約」で説明されている考え方を、わかりやすくまとめました。

自由にさせることが、子どもを尊重すること?

親として、あるいは子育てに関わる大人として、「どのように子どもを尊重したらよいか」と疑問に思うことはありませんか?子どもを尊重することが大切というけれど、それはただ「甘やかすことになるのでは?」とふと心配になったり……。

一方で、厳しすぎる校則や、組体操など危険が指摘されている競技の強制に対し、「子どもの人権が守られていない」という批判の声もあります。

子どもの人権って、何でしょうか?

大人の人権との違いはあるのでしょうか?

オーストラリアでは「子どもの権利」をどう教える?

オーストラリアの学校で配布された「子どもの権利」パンフレット。
via Photo by author
筆者は現在、オーストラリアで子育てをしています。先日、小学2年生のわが子が、学校で「子どもの人権」に関するパンフレットをもらってきました。

子どもに語りかける形で、「あなたはこれらの権利を持っています」と書いてあり、以下のように、とてもわかりやすい言葉でリストアップされています。

・何があろうと、公平な扱いを受ける権利
・自分自身に関わることが決められる時には、意見をいう権利
・健康的に暮らし、育つ権利
・自分にとってベストなことを人々にしてもらう権利
・自分が誰であり、どこから来たか(出身について)知る権利
・自分の欲しいもの(したいこと)を信じ認める権利
・プライバシー(を持つ権利)
・情報を得る権利と、自分の考えを表現する権利
・どこにいようと、安全である権利
・面倒を見てもらえることと、家(家庭)に住む権利
・教育や遊びや文化的な活動(をする権利)
・必要なときに、助けと保護を受ける権利

※筆者訳。原文(英語)は、上の画像をご覧ください。

このパンフレットは、「国連子どもの権利条約」を元に、オーストラリア人権委員会が作成したものです。

「子どもの人権」は大人とどう違う?

「子どもの人権」のキーとなる考え方として、まず、「子どもは大人と同じ人権を持つ」ということがあります。たとえば、清潔な水を飲み、きちんとした食事を摂ること。自分の意見を述べること。医者にかかること。法に従い、公平な対応を受けること……。日常生活の中で、私たちが当たり前にしているこれらのことは、人権が守られているから可能なのです。

子どもも、【大人と同じように】それらが保証されなければなりません。もちろん、国籍や性別などのいかなる理由でも、人権が奪われてよい人はいません。

一方、子どもだからこそ、特別な点があります。子どもは、大人と違い、身体的にも、知能や精神の面でも、未発達で弱い存在です。そのため、子どもは特に保護やサポートを受ける権利がある、と考えられています。

大人と同等の人権に加え、「守られながら」「教育を受け育つ」権利が含まれること。これが「子どもの人権」の特徴です。

「自分や他人の人権を守ること」も、子どもは教えられる必要があります。

子どもの権利を保証するのは誰?

「子どもの権利条約」の中では、子どもにとって最も大切な場所は「家庭」であるとされています。親(保護者)は、常に子どもにとって最善のことは何かを考える義務があります。

「子どもを安全に健やかに育てる」という役割を、家庭が十分に果たせるよう、政府は親に対し必要な支援を行わなければなりません。また、何らかの事情により、家庭がその役割を果たせない場合、ほかの大人が代わりになる必要があります。

さらに、学校など、子どもに関わるすべての組織は、子ども一人ひとりにとってベストなことを行う義務があります。

【個々の家庭】と、【国や社会全体】。それぞれが役割を果たすことで、子どもの人権が守られるといえるでしょう。

ちなみに、日本とオーストラリアは、ともに「子どもの権利条約」批准国です。

最後に

「子どもの権利を尊重する」というと、「子どもの好き勝手にさせること」と考える人もいるかもしれませんが、こうして改めて見直してみると、そうではないことがわかります。

親として、あるいは大人として、子どもの安全や成長に最もよいことを第一に考え、ときとして「No」ということもまた、「子どもの人権を守る」ことではないでしょうか?
子どもの意見をしっかり聞き、その上で親として責任ある態度を取ることが大切では、と筆者は感じました。

忘れてはならないのは、「子どもは一人の人間であり、親の所有物ではない」ということです。

日本の子育てに関する意見の中で、ときとして残念に感じるのが、子どもが「ぜいたく品」のようにいわれることです。子育て家庭に対する政府の補助金や支援策などは「子持ち優遇」と揶揄され、「自力で育てられないなら産むな」といった声も耳にします。

でも、子どもは親の趣味やぜいたくで持っている「個人の所有物」ではありません。子どもは命を授かったときから、「人権を持った人」としての人生を歩んでいます。親はわが子として、国は国民として、その子の権利を全力で守る責任があります。

なぜ、政府が子育てを支援する必要があるのか。さまざまな立場の人に考えてもらいたいテーマです。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Chieko Chieko  成人した娘、小学生の息子を持つ、二児のママ。2013年より西オーストラリア・パースに家族移住しました。英語教育やオーストラリアについて書くブロガー・フリーライターをやりながら、プログラミング・機械学習を勉強中です。