2020年10月14日 公開

東京でクワガタ探しできる?!小1昆虫博士と一緒に昆虫採集

子どもにとって憧れのクワガタやカブトムシ!一度は自分で捕まえてみたいですよね。遠くに行かなくてもポイントを抑えれば東京都内でも採集可能です。実際に捕獲した体験をコツと共にお伝えします。

子どもにとって憧れのクワガタやカブトムシ!一度は自分で捕まえてみたいですよね。遠くに行かなくてもポイントを抑えれば東京都内でも採集可能です。実際に捕獲した体験をコツと共にお伝えします。

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クワガタやカブトムシが東京都内でも採集可能と聞き、本当に捕れるのか検証しました。お盆過ぎに取材を行ったため、カブトムシのピークは過ぎていましたが、クワガタは捕れましたよ!今回はクワガタやカブトムシ採集のコツを解説します。

東京都内でクワガタやカブトムシは捕れるの?

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毎年夏になると必ず話題になる、クワガタとカブトムシは昆虫の王様!まさに子どものロマンですよね。この記事を読んでいる方も「カブトムシ 東京」「カブトムシ クワガタ 捕れる場所」などと検索をされたのではないでしょうか?

今回は本当に東京都内でクワガタやカブトムシが捕れるのか検証してみました!まずはカブトムシ目当てで、何度か採集に行ってみたのですが…

1回目:7/30  にわか雨
2回目:8/13  発見できず

惨敗

自宅に帰りよく調べてみると「カブトムシのベストシーズンは7月中旬~8月中旬」と書かれていました。さらにあるサイトには「お休みの都合もあって、よくお盆過ぎにカブトムシ採集について聞かれるけれど、それじゃ遅いんですよね」とのコメントが…。

すみません、それ、まさにうちです。

ショック!お盆をすぎるとカブトムシが捕れない?!

カブトムシは夏だったらいつでも捕れる訳ではありませんでした。ちゃんと捕獲ベストシーズンがあるそうです。一体それはいつなのでしょうか。

そしてカブトムシのシーズンを逃してしまったら絶望的なのか?!いえ、カブトムシと同じくらいのスターに出会える希望があります。諦めるのはまだ早いです!

カブトムシのベストシーズンは7月中旬~8月中旬

カブトムシの成虫は短命で、あっという間にシーズンではなくなってしまいます。活動期は6月下旬~8月中旬ごろまで。つまりお盆をすぎるとカブトムシに出逢う確率は低いのです。

梅雨など気候の兼ね合いもあり、ベストシーズンは7月中旬~8月中旬とのこと。なんとなく「夏休み中なら捕れるだろう」と思っていたわが家は大ショックでした!

お盆過ぎの昆虫採集はクワガタ狙いがオススメ

もうお盆も過ぎているし、昆虫採集は無理なのかと思った方、まだ諦めないでください!実はクワガタはカブトムシに比べ活動期間が長いため、8月の下旬をすぎても捕獲することが出来ます。種にもよりますが、9月に捕れる事もあるようです。これならお盆過ぎでも虫捕りが楽しめますね。

強力な助っ人!子ども虫博士の登場でクワガタGET?

わが家の苦戦を見かねて、知人の子ども虫博士家族が声を掛けてくれました。子ども虫博士(以下博士)は小学1年生ながら昆虫の知識がとても豊富。2歳頃から虫に興味を持ち、図鑑や実物の採集などで知識を蓄えてきた本格派です。

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なんと博士は東京でカブトムシをとった経験があるとのこと。これは期待できます!今回は博士協力のもと、クワガタ&カブトムシチャレンジを行った体験をお伝えします。

また、長年虫捕りをしてきたクワガタとカブトムシのプロ、虫捕りシーバスマンさんにもコツや注意事項を聞いてまとめました。みなさんの虫捕りの手助けになれば幸いです。

本記事はメインを虫博士の解説で進めていきますが、アドバイザーとして虫捕りシーバスマンさんにご参加いただきました。シーバスマンさんのアドバイスには「シ」が付いています。

※虫とりシーバスマン
新潟県の田舎出身。虫や魚と一緒に生活する少年時代を過ごす。ここ数年は人気昆虫採集体験ガイドとして、夏は睡眠時間を削って出動している。来年も再来年にも命のバトンが繋がる採集と観察がモットー。マクドナルドは都会のお土産。https://www.instagram.com/mushitori.seebassman/

東京の公園にクワガタがいた!開始5分で発見!

初日は武蔵小山の林試の森公園に集合。公園でお待ちしていると、博士親子がいらっしゃいました。

え?既にクワガタを持っている!?

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なんと博士は公園に到着してわずか5分の間にクワガタを見つけていたのです!
その後も息をするように虫を捕る博士。話している間にも蝶やセミを見つけて、軽々と網で捕獲していきます。この動き、ただものではない…

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なんでそんなに簡単に見つかるの?と聞くと「探す場所にコツがある」と言います。しばらく博士の様子を観察してみることにしました。

クワガタを3匹採集!

博士のもとには沢山の子供たちが集まってきます。私たち親世代の頃も、虫捕りが上手な子は人気でしたよね。

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日中も諦めることなく虫を探し続け、クワガタを合計3匹ゲット!木の表面だけでなく、樹皮の裏や土の中まで見る念の入れよう。一度探していなかった所も、あとから出てくる可能性があるので、根気強く何周もしていました。

初日はお昼過ぎに終了し、2日目は世田谷の砧公園で夜間に虫捕りをしました。しかし、2日目はライバルが多く発見できずに終わりました。虫捕りは夜の方が見つけやすいと思っていただけに意外な結果です。

1日目に行った林試の森公園は、何度か訪れたことがあり場所の見当がついています。しかし砧公園は初めて行ったので、場所が把握できていなかったのも敗因です。出来ればあらかじめロケハンをし、見当をつけておく必要があると感じました。

虫捕りに準備する道具・服装は?

・虫捕り網
・虫かご

クワガタやカブトムシを自宅に連れ帰る場合は、虫かごに木や土を入れて生育環境を整える必要があります。わが家は小さいサイズしか持っていなかったので、後から買い足しました。ご自宅のスペースと相談ですが、虫かごは少し余裕があるサイズの方が便利です。

以下はあるとより便利なものです。
・ライト(懐中電灯やヘッドライト)
・虫よけスプレー
・長袖長ズボンの服装
・軍手

雑木林に入る場合は肌を隠す服装が望ましいです。また、暗い時間の活動にはライトが欠かせませんので忘れないようにしましょう。LEDのヘッドライトなどもオススメですよ。

クワガタ探しのコツが知りたい!公園のどこにいるの?

では、どうしたらクワガタやカブトムシをうまく見つけられるのでしょうか。博士に聞いてわかった虫捕りのコツをまとめてみました。

クワガタやカブトムシを見つけやすい場所

①集まりやすい木を知っておこう
クワガタやカブトムシはコナラやブナといった木の樹液に集まります。名前だけ聞くとピンと来ないかもしれませんが、これらはドングリの木なんです!

博士級まで極めると一目で木の種類が分かるのですが、私は何度言われても解りません。わかりやすいように写真にまとめました。他にもミズナラやブナ、ヤナギなどにも集まるそうです。サクラやスギといった木には集まらないので、目安にして頂ければと思います。

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②木のどこにいるの?
・枯れ葉(落ち葉)の中
・木のうろや幹の隙間
・樹皮の裏

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シ:樹皮の隙間はよくクワガタが隠れているけれど、捕りにくいですよね。そんなときは秘密兵器の登場です。ワイヤーなど細くて丈夫なものを隙間に入れて虫を出します。ワイヤーは百均などで買えるもので十分なので、用意しておくと便利ですよ。

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③こんなところも要チェック
・樹木説明用のプレートの裏
・街灯の周り

シ:最近主流になりつつあるLED街灯には集まらないので注意しましょう。逆に昔ながらの水銀灯や蛍光灯タイプのものはよく集まってきます。普段虫好みの樹液を出さない木でも街灯の周りに生えていれば、クワガタやカブトムシが隠れている事がありますよ。

④土質
ふかふかの土を好みます。都内の公園で良くみかける、整備して踏み均された地面には潜れないのであまり見つかりません。土が柔らかく、落ち葉が豊富に落ちている地面がベスト。どんぐりが落ちていたり、クワガタやカブトムシの死骸を見かけたら、その近くにいる可能性があります。

⑤見つかる場所は、公園だけではありません!
実は公園の敷地外もねらい目。例えば公園から少し離れた駐車場に生えている木などが該当します。実際に公園の外の街路樹からクワガタが捕れました。

注意点としては、穴場ですが民家に近いことが多いです。大きな声を出さない、私有地には立ち入らないなど配慮しましょう。公道の場合もありますので、車にも気を付けてくださいね。公園の他には神社でも見かけますよ。

クワガタを見つけやすい時間

一般的に「クワガタやカブトムシの活動時間は日没後」と言われており、20時~4時頃に活発になるのは間違いありません。しかし今回のチャレンジでもお分かりの通り、日中でもコツさえつかめばクワガタやカブトムシの捕獲は可能です!

トラップは必要?

バナナトラップや人工樹液などを昼のうちに仕掛けておき、夜に様子を見に行く方法もあります。たしかに多くのトラップを見ました。しかし、実際にクワガタやカブトムシがかかっているものはありませんでした。設置や回収の手間を考えると、無理にトラップを仕掛ける必要はないでしょう。

ちなみに博士はトラップなしでバシバシとってましたよ~!

虫探しは推理力も磨かれる!

博士の虫捕りを見て気が付いたことがあります。
「クワガタと一緒の木にいる虫を見かけたら、近くにいるかもしれない」
「死骸を見かけたらこの付近に生息している可能性がある」
など今までの経験と知識をフル活用して、虫捕りをしていました。虫捕りって楽しいだけでなく推理力も磨かれますね!実は知育的要素があるのでは…?!と感じました。

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採集の注意点は?捕って終わりにしてはいけない!

最後にこれまでアドバイスを頂いた虫捕りプロのシーバスマンさんに、クワガタやカブトムシを探すときの注意点を教えていただきました。

・樹液に集まってくるスズメバチに注意
・必要以上に土を掘り返したり、樹の皮をめくったりしない
・仕掛けたトラップは持ち帰る
・沢山捕れたら最低限だけ連れ帰り、残りは逃がす

シーバスマンさんは「虫捕りの時には、是非マナーにも気を付けてほしい」と言います。一番の懸念事項は公園や森の土を掘り返したままにすることだそうです。実際に我々の採取中にも、根元を深く掘り返された木を沢山見かけました。

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これではクワガタやカブトムシが安心して住める木になりません。さらに酷いものになると、木が風雨に耐えられずダメになってしまうこともあります。東京の公園は管理が行き届いているため、そこまで酷い事態にならないでしょう。しかしあまりにマナーが悪く、公園で昆虫採集禁止になってしまった事例もあるそうです。

クワガタやカブトムシは地面に隠れる性質を持ちますが、実は地中深くに潜ることはほとんどありません。探す場合も地面の落ち葉を少し動かす程度で十分見つかります。来年も昆虫採集を楽しむためには「掘ったら戻すでワンセット」の習慣づけが大切ですね。

また、虫が沢山捕れてうれしいのはやまやまですが、乱獲は禁物。厳選したワンペアだけ連れ帰って、後は採集地へ返すようにしましょう。1匹捕るという事は、自然から1匹減らしてしまうという事です。

乱獲したり、採取地から極端に離れた場所で虫を放ったりすると生態系がくるってしまいます。その場限りの楽しみではなく、将来的に虫を残すことを考えるのも大切です。

時期と方法が適切なら、東京でもクワガタもカブトムシも捕れる!

カブトムシのシーズンは7月中旬~8月中旬です。この基本情報すら知らずに始めてしまった今回のチャレンジ。採集時期が遅くカブトムシを捕ることができませんでしたが、クワガタは8月下旬でも捕れることがわかりました。時期や場所が適切ならば東京でもクワガタとカブトムシが捕れます!

万が一見つからない場合でも「自然は思い通りにならない」という勉強になり、忍耐力が鍛えられられるでしょう。虫捕りは単なる楽しみだけでなく、推理力や忍耐力も鍛えられる遊びだと言えます。

また、来年も虫捕りを楽しむためにはマナーを守ることが大事だと感じました。採集の際はマナーとルールを守って、未来へ自然を残していきましょうね。

今回行った公園のアクセス情報

①林試の森公園(りんしのもりこうえん)
【所在地】 目黒区下目黒五丁目/品川区小山台二丁目
【アクセス】 東急目黒線・都営三田線・東京メトロ南北線「武蔵小山」徒歩10分
【駐車場】 なし
②砧公園(きぬたこうえん)
【所在地】 世田谷区砧公園・大蔵一丁目
【アクセス】 東急田園都市線「用賀」から徒歩20分
【駐車場】 1時間まで300円以後20分毎に100円入庫後12時間最大料金 1200円

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この記事のライター

カミイ マイ
カミイ マイ

子鉄男子の母ライター。東京と福岡の二拠点生活しながら、日本各地で取材記事を書いたり国内留学を運営中。親子のお出かけスポットや日々の子育て小ネタをシェアします。