保育士出身、現在は「あそびうた作家」として多数作曲、CDを発売し、全国各地の保育園や幼稚園などで子どもや親子向けにオリジナルの「あそびうたコンサート」を開いている福田翔さん。その魅力と、現在の活動に至るまでを取材しました。
保育士出身のあそびうたのお兄さん・福田翔さんって?
現在は、全国各地の保育園・幼稚園・児童館を中心に子どもや親子向けに「あそびうたコンサート」を開催。あそびうたの祭典「A1あそびうたグランプリ」でも常に上位に入賞しています。オリジナルCDのほか、あそびうたが収録されているCDBOOKにも多数参加。保育士・児童館の先生向けの講習会も行い、保育雑誌で執筆活動も行っています。東京都在住で、4歳になる男の子のパパでもあります。
そもそも……「あそびうた」とは?
「ずいずいずっころばし」などの古くからあるわらべうたや、「とんとんとんとんひげじいさん」「おおきなくりのきのしたで」「こぶたぬきつねこ」「おべんとうばこのうた」「げんこつやまのたぬきさん」「グーチョキパーでなにつくろう」 「アブラハムの子」などがよく知られているのではないでしょうか。
最近人気の代表的なあそびうた作家にはテレビ出演も多く、特に「エビカニクス」でヒットしたケロポンズさんがいます。
福田翔さんが子どもに関わる仕事、保育士を目指すまで
福田(以下敬称略):「保育士になろう」と決めたのは大学で実習に行ってからですが、振り返れば小学校高学年の時に低学年の子ども達の面倒を見たときも楽しかったし、中高の部活で後輩の面倒をみるのも好きだったという思い出があります。
高校生で進路を決めるにあたって、子どもに関わる仕事をしたいと思い、幼稚園の先生と保育士の資格が取れる大学に進学することにしました。
就職は、迷った末、より乳児と関われる保育園を選択。1年目から0歳児を担当し、保育士としての大事なことをこの時にしっかり学ばせていただきました。
あそびうたと音楽の道をはじめるまで
福田:高校1年生の時にギターをはじめました。音楽ユニットの「ゆず」が好きで、コピーして弾いたり歌ったり、青春ソングみたいなものは自分で作っていました。保育士になってからはピアノが苦手だったこともあり、ギターでよく童謡を歌っていましたね。
——あそびうたを作るようになったきっかけは?
福田:保育園で片付けをしている時、納戸から落ちてきた工作用のヤクルトの空容器を見た女の子が“ヤクルトの歌を作って歌って”と無茶振りしてきたんです(笑)。その時、即興で作ったのが「ヤクルト兄弟落っこちた」という歌。
自分自身も楽しかったし、子どもたちも喜んでくれて嬉しかったのですが、その後、「A1あそびうたグランプリ」というコンテストがあることを知りました。
早速応募して予選は通過したのですが、そこで全国から、あそびうたを作っている人が毎年集まってきているということに驚き、刺激を受けました。
そして、好きな音楽と子どもと関わることがうまく結びついたんですね。
それからしばらくは保育士をしながら、児童館やお祭りであそびうたを披露する活動も並行して続けていました。
8年間保育士を務めたあと、音楽の道へ
福田:まだそれだけでやっていける見込みはなかったのですが、今の事務所の社長がマネージャー業でも収入が得られるようにしてくれ、あちこちの公演料と併せればなんとかやっていけるかと、思い切ってはじめました。
——奥さんは反対しませんでしたか?
福田:皆に聞かれる質問ですね。子どもがまだ小さかったし、奥さんがすごい、えらいって褒められています(笑)。妻も保育士ですが、「やりたいことは応援する」と協力してくれて感謝しています。子どもを保育園に預けていますが、妻が忙しい時や夜遅くなるときなどは僕が育児を担当できるのは良かったです。
息子は4月で4歳になりますが、ウクレレや手作りのマイクを持って布団の上を舞台にして僕の真似してコンサートを開いていますよ。よく見ていますね。先日は一緒に舞台にも上がりました。
歌自体のすばらしさも大事だけど、まずは遊ぶこと!
福田:おかげさまで、大勢の方の前でコンサートを行う機会も増えてきましたが、コミュニケーションを忘れずに、子どもたちと一緒に楽しみあえる要素を入れています。
子どもが夢中になって、自然と前の方に来てくれたりすると嬉しいですね。親子参加型では、パパママにも笑ってもらえるように工夫すると、「あ、ママが笑っている」と子どもが安心することもありますし。
最初はリラックスできるように、まずは手をほぐすところからはじめ、声のトーンに気をつける、動きを大きくするなどしています。
「うたのお兄さん」と紹介されると、歌のすばらしさだけを伝えている人のようですが、僕は保育士だったので、身体で取るコミュニケーションも大事。あくまで“遊び”から入ってそこにメロディをのせている順番なんです。
コンサートであそびうたを楽しむには?
福田:0歳児から参加でき、泣いたって騒いだっていいよ、というコンサートも増えていますね。
1歳前後は一番難しい年頃かもしれませんね。歩きはじめると、子どもはとにかく歩きたいので、30分でも座っているのは大変。そういう時は無理せず、最後まで見ていなくちゃいけないと思わずに聴ける範囲で参加すると良いと思います。
僕は、未就学児、特に3歳児くらいまではまだしつけをあまり考えずに、「こうしなくちゃ」「こうさせなくちゃ」と、気にしなくて良いと考えていますよ。
最後に
福田:あそびうた作家としての活動、保育園や児童館での活動も続けつつ、一番の夢は世界中で歌われる曲を作っていくこと。聴いて勇気がもらえるようなそんな歌が作れたら幸せですね。
ほんわかとあたたかいキャラクターも愛されている福田翔さん。今後のますますの活躍が楽しみですね!次回は、福田翔さんのオリジナルのあそびうた動画と、あそびうたの楽しみ方のポイントをお伝えします。
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