日本の大学でも取り入れるところが増えてきた「リベラルアーツ」。そもそもリベラルアーツとは何でしょうか?ひと足先にこの考え方が発展した、アメリカのリベラルアーツカレッジの現状も併せてご紹介。注目を浴びる背景を探りながら、リベラルアーツをわかりやすく解説します。
リベラルアーツとは?
現代では、大学で幅広い分野の教養を習得するための学問という意味で使われています。日本の大学の教養科目に近いですが、目的は単に知識を得るだけではなく、それを使いこなした人間としての成長です。つまりリベラルアーツとは、人間力を高めるための総合的な学問と言えるでしょう。
リベラルアーツカレッジとは?
リベラルアーツカレッジの第一の特徴は、ハーバード大学などの総合大学と比べて小規模で、アットホームな教育環境であること。大学院が併設されていないので、教授からの直接の指導を多く受けられるメリットがあります。
また人文系、理系にこだわらず複数の分野から科目を選択するため、主専攻・副専攻はフレキシブル。たとえば「音楽史とバイオ科学」など、主専攻と副専攻が全く違う分野でも構いません。卒業後は総合大学に編入したり、他大学の大学院に進学したりする人も多くいます。
アメリカでリベラルアーツカレッジが発達した理由は?
1. 欧州では昔から高校で手厚いリベラルアーツ教育が行われている。しかしアメリカの高校は違っているため、その部分を大学で補う必要があった。
2. 民主主義の国アメリカでは、市民自身が考え行動するため教養を高める必要があった。
3. さまざまな文化的背景を持った人々から成るアメリカでは、米国人としてのアイデンティティをしっかり持たせる必要があった。
アメリカの主なリベラルアーツカレッジ
ウィリアムズ・カレッジ(マサチューセッツ州)
アマースト・カレッジ(マサチューセッツ州)
ボウディン・カレッジ(メイン州)
アメリカのリベラルアーツカレッジの現状は?
高い学費を奨学金で賄うアメリカの大学生たちにとって、卒業後高収入の仕事が見つかるか否かは死活問題になることがその背景です。私立大学で学費も高く、現在注目度の高い分野に強いわけではないリベラルアーツカレッジとなると、人気も全盛期ほどではありません。しかし先ほどご紹介したような名門リベラルアーツカレッジは、依然として高い人気です。
今後もリベラルアーツカレッジは注目の存在
日本にも東京大学、ICUなど昔からリベラルアーツにのっとった教育を行う名門大学はあり、近年はとりいれる大学も増えています。お子さまの大学進学を考えたとき、アメリカ・日本の名門リベラルアーツカレッジはこれからもオススメといえそうです。