2017年10月30日 公開
子どもは繰り返しが大好き!同じ絵本を何度も読み聞かせる意味
子どもに同じ絵本を何度も、何度も読んでと頼まれたことはありませんか?ただでさえ繰り返しの多い乳幼児向けの絵本を、何十回と読むのは大人にとってはつらいことかもしれません。けれども、同じ絵本を繰り返し読み聞かせすることは、子どもの成長にとって大切なことなのです。
子どもに同じ絵本を何度も、何度も読んでと頼まれたことはありませんか?ただでさえ繰り返しの多い乳幼児向けの絵本を、何十回と読むのは大人にとってはつらいことかもしれません。けれども、同じ絵本を繰り返し読み聞かせすることは、子どもの成長にとって大切なことなのです。
絵本だけではない!乳幼児は繰り返しが大好き
乳幼児が、何度も同じ行動を繰り返すのを見たことがある人は多いですよね。たとえば、引き出しの開け閉めなど、飽きることなく何十回も繰り返していることがあります。子どもは、とにかく同じことを繰り返すのが大好きです。これは、絵本も例外ではありません。
タイトル:1日30分間「語りかけ」育児
著者:サリー・ウォード(著)、汐見稔幸(監修)
出版社:小学館
イギリスの言語治療士サリー・ウォード氏の著書で、育児書のベストセラー『「語りかけ」育児』。その中でウォード氏は、子どもは繰り返しが好きで、繰り返すことが大切だと何度も言及しています。ひとつの言葉を定着させるには、何十回もその言葉を聞く必要があるのです。3歳ぐらいまでは、同じ絵本を何度も喜んで読むので、冊数はあまり増やさなくていいとも書かれています。
同じ絵本を繰り返し読むことは、繰り返しが好きな子どもを満足させると同時に、言葉の発達にも重要な役割をはたすのです。
同じ絵本を繰り返し読みたい年齢は?
同じ絵本を繰り返し読んでと息子が言うようになったのは1歳ごろです。そのころは、1日に何度も同じ絵本を読んでいました。まだ、字を読むことはできませんでしたが、気に入ったページを開くと、そこに書いてある言葉を何度も口にしていました。
同じ絵本を繰り返し読んでほしがったのは、『「語りかけ」育児』に書かれていたとおり3歳ぐらいまでです。2歳半ぐらいには、1度に3回ぐらい読めば満足するようになっていました。
同じ絵本を何度も繰り返し読んだ効果
タイトル:From Head to Toe
著者:Eric Carle
出版社:HarperCollins
筆者は9歳になる息子が生まれたころから、同じ本を繰り返し読み聞かせしていました。言葉の発達には個人差があります。ですから、必ずしも読み聞かせの成果とはいえませんが、息子は7カ月で話しはじめました。
同じ絵本を繰り返し読むことは、言葉の定着につながったと強く実感しています。たとえば、体の部分の名前は「はらぺこあおむし」が有名なエリック・カール氏の「From Head to Toe」で覚えました。
何度も読んだ「ねないこだれだ」にまつわる失敗談
タイトル:ねないこだれだ
著者:せなけいこ(作・絵)
出版社:福音館書店
実は、同じ絵本を何度も読んだことで失敗したこともありました。赤ちゃん絵本の定番「ねないこだれだ」。息子が生まれたころから、寝る前に読み聞かせをしていました。今は、オーバーに演じながら読み聞かせをすることはないのですが……読み聞かせをはじめたばかりのころは、息子の興味を引こうと変わった読み聞かせ方も試していました。
この絵本は「おばけになってとんでいけ」という文で終わります。筆者は、「とんでいけ」の部分で毎回絵本をベッドの上に軽く放り投げていました。すると、息子は1歳半ごろから「とんでいけー!」と言って、いろいろなものを投げるように。それからは絵本を放り投げるのを止めたのは、ここに書くまでもありませんね。ただ、息子の行動を止めるのにはかなり時間がかかりました。
飽きているのは親だけ!同じように読むことが大切
同じ絵本を何度も読むことは、子どもに満足感を与え、語彙を増やすのを助けます。ただ、メリットがあるとわかっても、何度も同じ絵本を読むうちに、親のほうが飽きてしまうかもしれません。すると「少し変えてみようかな?」という気持ちになってしまうこともあるでしょう。けれども、子どもの気持ちになって考えてみてください。子どもは、同じ本がいつも同じであることが好きなのです。筆者が息子のお気に入りの絵本の言葉を1字でも間違えて読めば、間髪入れずに注意されます。
ですから、子どもが満足するまで、何度も同じように読んであげましょう。成長するにしたがって、一度読めば充分という絵本が増えていきます。常に新しい話が聞きたいという時期はすぐに来てしまいます。どんどん増えていく本代に「同じ絵本を何度も読んでくれたときはよかった」と懐かしく思う日はそんなに遠くないのです。