2018年9月3日 公開

子どもの英語教育は早くはじめるべき?習い事を選ぶ前に考えること

子どもに早くから英語教育を受けさせる傾向が強まっています。小学校から英語が必修科目となることが決まり、子どもの習い事としても英語関連は人気です。ところで、なぜ子どもに英語を早く学ばせる必要があるのでしょうか?習い事を選ぶ前に、家庭でねらいを考えておきましょう。

子どもには早いうちから英語を習わせたい?

小学校から英語が必修科目となることが決まり、子どもの英語教育が早まる傾向にあります。また、子どもの習い事としても、英語や英会話教室は人気が高まっています。その理由として、早いうちから英語を習わせた方が、英語が話せるようになるのでは、という考え方があります。

しかし、それは本当でしょうか?

筆者は5年前にオーストラリアに家族移住しました。子どもたちは英語をほぼ話せない状態でこちらへやってきた後、オーストラリアのローカルスクールへ通っています。
当時3歳と12歳だった二人の子の英語学習を身近で支援すると共に、筆者自身もこの5年間、英語、特に会話力のアップを目指してきました。

そんな筆者の実体験から、「子どもに英語を習わせる前に、親として知っておきたいこと」を提案したいと思います。

何のために英語を習わせるのか?

「英語ができるようになる」と一言で言っても、実はその目的が異なる場合があります。

学校の授業や、受験の科目として、「英語」のよい点が取れるようになることを期待しているのでしょうか?

あるいは、もっと長い目で、将来子ども自身が英語を使って日本の外に活躍の場を広げて行けるような、「土台」を作ってあげたいのでしょうか?

このどちらに当てはまるか、で、英語学習の方法は異なります。

前者の場合、やはり学校のカリキュラムや受験の内容に合わせた勉強をすることが大切です。習い事としては、それを目的とした塾や教室に通わせることが、一番効果的でしょう。正しいスペルや文法を知っている、英文を読んで問題に答えられる、などの力を付けることが必要です。

しかし、それは必ずしも、「自由に英語を話せる」ことにはつながりません。

「世界で通用するコミュニケーションの英語」とは、決まった答えがあるものではありません。一つのことを伝える場合にも、表現のしかたは何通りもあります。「自分が持つ英語力を最大限に使い、言いたいことを表現したり、相手の考えを聞き取る」ことが求められます。そのため、知識を広げながら、それを使う訓練をする、幅広い学習が必要です。

では、後者の場合、やはり英語を習いはじめるのは早い方がよいのでしょうか?

本当に早くないとダメなの?

早い時期での英語学習が求められる理由として、早いうちから英語に触れさせた方がネイティブ発音を覚えられる、という意見は少なくありません。

あくまで筆者の経験ですが、わが子の発達を見ていると、やはり英語に触れる年齢が低いほど、「ネイティブらしい英語発音」や「リスニング力」を身に付けやすい、ということはいえます。英語特有の音や抑揚に対する感覚は、幼いときの方が育みやすいようです。

そのため、小さいうちから、家庭で頻繁に英語を聞く環境を作るとか、英語話者と会う機会を作るなどを、定期的・継続的に行うことが有効だといえます。その一つとして、「習い事を利用して機会を作って行く」という考え方は理にかなっているでしょう。

しかしもう一つ大切なことは、「ネイティブ発音ができる・聞き取れる」ことだけが、英語力ではない、ということです。

幼いときに獲得できる英語力は、大人になったときに必要となる英語力の「ごく一部」です。その後の成長の中で、語彙を増やしたり、さまざまな英語表現に触れたり、英語を使う経験を増やすなど、学習をどんどん続けていくことの方が、トータルの英語力を養う上では重要になります。

子どものときに英語を学ぶメリットとは?

改めて、早いうちに子どもが英語を学ぶメリットとは、なんでしょうか?

子どもは、好奇心が旺盛で、新しいことを学ぶのが大好きです。「勉強」ではなく、自由な感性で英語を楽しむ経験をした子どもは、年齢が上がっても進んで英語を学ぶようになるでしょう。

また、英語の歌や絵本などは、言葉の響きを重視した作りになっており、意味がわからなくても「楽しい」と感じられるものが多いです。英語に楽しく親しみながら、世の中には「日本語以外の言葉」があることを知り、違う文化やライフスタイルを知ることができます。

習い事として選ぶなら、子どもの好奇心をポジティブにとらえ、自ら発言することを励ましてくれるような指導者に出会えると、よいのではないかと思います。

最後に

もしも、わが子の将来の選択肢を増やしてあげたい、と考えて英語を習わせるのであれば、忘れてはいけないことがあります。

それは、「今すぐ英語ができることを期待しすぎない」ということです。お子さまのタイプによっては、英語を習わせてもなかなかしゃべれるようにならない場合もあるでしょう。しかし、「だからこの子は英語ができない」とは決して考えないことです。一方、むやみに高いお金をかけ続ければよいわけでもありません。その都度、その子自身に合った目標を設定し、成長に合った学びを続けていくことに意味があります。

英語学習では、進み方も得意不得意も人それぞれです。ですが、「英語が楽しい」「英語ができるようになってうれしい」という経験があれば、その後の学びの大きな支えになります。お子さまが新しい英語を覚えたら、「よくできたね!すてきだね!」と励ましてあげましょう。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

3分でわかる知育マガジン「Chiik!」

RECOMMEND この記事を読んだあなたにオススメ

ストーリーリテリングとは?家庭でもできる実践的な英語学習

ストーリーリテリングとは?家庭でもできる実践的な英語学習

単語を丸暗記したり、教科書どおりに読んだりするだけでは、自分の考えを自由に話せるほどの実践的な力には結びつきません。このような問題を解決するため、主に中学...
英語教育における「CAN-DOリスト」とは?導入の背景と到達目標

英語教育における「CAN-DOリスト」とは?導入の背景と到達目標

英語教育推進を目的として、学校教育現場に導入が進められている「CAN-DOリスト」。文部科学省の提言を経て、年々その導入率は高まっています。「CAN-DO...
【2017年度版】英語教育実施状況調査結果から何がわかる?

【2017年度版】英語教育実施状況調査結果から何がわかる?

文部科学省から毎年発表される「英語教育実施状況調査」は、日本の英語教育の現状がわかる興味深いデータです。「近年の中高生の英語力は?」「教育を担う学校の英語...
「ふわふわ」「ベトベト」英語で『質感』を表す簡単な英単語7選

「ふわふわ」「ベトベト」英語で『質感』を表す簡単な英単語7選

子どもとの会話の中で、「ふわふわ」「ベトベト」など、物の質感の様子を表す言葉はよく使われます。英語でもそのような表現は日常会話で頻繁に登場しますが、意外と...
子どもの英語学習を長く続けるための親の心構え【翻訳家ママのバイリンガル教育 第6回】

子どもの英語学習を長く続けるための親の心構え【翻訳家ママのバイリンガル教育 第6回】

日本で幼い子どもが外国語を習慣にするには、親のサポートはなくてはならないものです。今回は、子どもの英語学習を長く続けるための親の心構えを紹介します。カナダ...
LOA

WRITER

Chieko Chieko  高校生の女の子、小学生の男の子を持つ、二児のママ。2013年より西オーストラリア・パースに家族移住しました。オーストラリアの食・子育て・英語などをテーマに書いているブロガー・フリーライターです。