2017年08月08日 公開

親子で電子工作!MakerFaireTokyo2017レポート

世界最大のテクノロジー系モノ作りイベント「Maker Faire Tokyo 2017」が8/5、6に東京ビッグサイトで開催。電子工作にその場でトライしたり、ロボットと夢中になって遊んだり、ワークショップに真剣に取り組む多数の親子の活気にあふれた姿がありました。その様子をお伝えします。

世界最大のテクノロジー系モノ作りイベント「Maker Faire Tokyo 2017」が8/5、6に東京ビッグサイトで開催。電子工作にその場でトライしたり、ロボットと夢中になって遊んだり、ワークショップに真剣に取り組む多数の親子の活気にあふれた姿がありました。その様子をお伝えします。

世界最大のMakerフェスの東京版「MFT2017」

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アメリカ発で、世界中で開かれているテクノロジー系DIYの展示発表会Maker Faireの日本版「Maker Faire Tokyo」(主催:株式会社オライリー・ジャパン)。ロボットから、電子工作まで、バリエーションに富んだ展示販売、ワークショップが楽しめるイベントですが、想像した以上に親子連れが目立ちました!

教育関連の出展・子どもが参加できたもののレポートを"Chiik!"目線でお届けします(訪問は2日目の8月6日)。

イベント概要・詳細はこちら

完売続出!STEM教育関連製品の展示や販売も

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英国発の教育用マイコンボード「micro:bit」とコラボした4足歩行ロボット「FabWalker」。micro:bit前後のモーターをタイミングよく動作させることで、前後左右に歩き回れます。部品の加工、組み立て、プログラミングを一貫して体験できるロボットとして企画されたそう。
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2020年からのプログラミング教育の必須化を受け、プログラミングスクールや教室も人気。家庭での取り組みもそれぞれ模索されていますが、人気は、ロボット工作とプログラミングを組み合わせた教材。でも高価格のものが多く、なかなか手が出なかった方も多いのでは。

今回のイベントで日本初公開・販売された、教育用マイコンボード「micro:bit(マイクロビット)」は税込価格 2,160円。

また、この夏タミヤから発売される「カムプログラムロボット工作セット」も、なんと3,500円弱。こんなお手軽価格でロボットの動きをプログラムできる工作キットとあって話題を呼んでいます。今回のイベントで、先行で限定販売されましたが、あっという間に完売したそうです。

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タミヤの「カムプログラムロボット工作セット」。2017年8月12日(土)から税込3,456円で販売開始予定。会場では「micro:bit」を乗せたものなども展示。
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その他のSTEM教育関連製品の展示や販売もブースも大盛況。子どもたちが実際に触って遊べるように、低めに展示されているものも多く、一緒に色々と動かして楽しみ、驚く親子の姿が目立ちました。
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IoTを学べるブロック形状の電子タグ「MESH」でスポーツやゲームができる参加型イベント「Make: Sports Challenge powered by MESH」も盛況。
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修正と工夫を繰り返してモノ作りに熱中!

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長い行列ができ、大きな盛り上がりを見せていたのが、ミニチュアカーレース「Nerdy Derby」と紙飛行機をランチャーで飛ばす「Paper Airplane Challenge」コーナー。ダイナミックなコースとレース、工房スペースに皆夢中!
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中でも、ワッシャーをタイヤにしたミニチュアカーをその場で作り、会場の大きなスペースを活かした、長さ約15m、高さ約2.1mの巨大コースを走らせることができる「Nerdy Derby」が大人気でした。

申し込みを済ませ、基本パーツを受け取ったら、まずは車の土台を作成。あとは、質も大きさも違う素材を自由に組み合わせて、デコレーション(接着剤の使い方も、すごく丁寧に案内されていました)。それぞれ世界に一台のミニチュアカーを作れるのです。

実際にやってみると、コースを完走させるのには一苦労。でも、失敗したら、すぐに工房で改良してトライできます。バランスや重さを工夫すれば、すぐに結果にあらわれるとあって、皆夢中に。兄弟や友達同士、親子で顔を寄せ合い、目をキラキラさせて、どうすればより早く、長距離を走らせられるか試行錯誤していました。

紙飛行機をランチャーで飛ばすプロジェクトもあり、こちらもまずは好きに色づけなどして、オリジナルの紙飛行機を作ります。様々な折り方も丁寧に案内されていましたが、特に皆が奪い合うようにして試していたのは「ギネスかみひこうき」の折り方!勢いよく飛ぶ姿に夢中になって、折っては飛ばしを繰りかえしている子どもたちもいました。

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「Strawbees」のストローとコネクタを使って、帽子や傘からマジックハンド、観覧車などを作れるこちらのワークショップも大人気でした。イベント終盤になると、あちこちにこの工作物を持った人がいて、会場をカラフルに彩っていました。
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親子で真剣に、遊び、学ぶ機会に

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左:お面受付ロボット、ピタゴラ装置やカメラ付きロボットカー「ファボラボ関内」ブース。右:RaspberryPiを使って小学生でも組み立てられる「かんたん組み立てるノートパソコン」に見入る女の子。
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会場で印象深かったのは、ちょっと難しい内容も多いのに、飽きて他のことをしているような子どもがほとんどいなかったことです。

皆、夢中になって遊ぶのはもちろん、各ブースで熱心に説明を聞いたり、集中して真剣にワークショップの課題をこなしていたりした様子でした。

親子や家族で会話しながら、真剣にモノづくりに向き合うシーンもあちこちに。特にワークショップでは、一緒に試行錯誤しながら、どうやったらうまくいくか、お互いに知恵を出し合って工夫している様子が目につきました。

最先端技術やこれまでにないアイディアの商品が並ぶ中、必ずしも親が教える側になれるとは限りません。説明を聞いたり、質問し、考え、理解するまでの過程は同時。そして「この技術を使って何ができるだろう?」「もし家や学校にあったら?」「これで何を作ってみたい?」などの疑問や発想を共に楽しめる素晴らしい機会だと感じました。

これからの未来の暮らしを親子で一緒に考える

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親子で感想を書いて貼るボードには付箋がぎっしり。「最初は難しかったけど楽しかった」「おてつだいロボットをつくりたい」「マインクラフトのプログラミングで家を作ってみたい」などの声が。
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家族で会場を訪れた、小学校1年生と2歳のお子さんがいるママは「インターネットやスマホが普及しはじめた時には、私たちの生活様式が大きく変わったことを実感したものです。次はAIやロボットが日常生活に加わることで、ものづくりが大きく変わるのだろうなと感じました」と語っていました。

確かに、今の子どもたちは産まれたときから、すでに家の中にお掃除ロボットがいるなど、毎日の生活に自然にAIやロボットが活躍している時代です。もう遠い未来ではなく、すでに共存し、共に発展していく世代。

「教育科目に含まれるから」「将来の就職や進学を見据えて」などの理由で子どもに学ぶ機会を与えなければ、というスタンスではもったいない!「生活に密接した環境には、当然共にあるテクノロジーの発展と可能性。親子で一緒に触れ、知り、楽しんでいこう」と思える、未来によりワクワクできるステキな機会でした。

来年の開催も今から楽しみです!

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター

志田実恵
志田実恵

エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後は旅行ガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらメキシコ・バスクの料理本の編集のほか、食、世界の子育てなどをテーマにwebを中心に活動中です。