2018年11月19日 公開

【体験談】読み聞かせで育む「国語力」がすべての勉強の基本である理由

「絵本の読み聞かせ」が正直、ちょっと面倒になること、ありますよね。でも、読み聞かせによって育まれる国語力は、将来すべての勉強の基本となります。文部科学省による「国語力とは」を引用しつつ、国語力だけで大学の5教科受験を乗り切った経験から、その重要性を考察します。

塾なしでも5教科受験を成功させた「国語力」

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leungchopan / Shutterstock.com
筆者は塾なし・数学センスゼロで、国立大学の5教科受験に成功しました。5教科のセンター試験に加え、学部試験でも国・数・英で受験。応用力が問われる学部試験で、数学はほとんど点が取れないことを考えると、国語と英語はほぼ落とせません。

国語力だけで受験を乗り切った筆者の体験をもとに、国語力がいかにすべての勉強の基本であるかをお話したいと思います。

文部科学省が解説する「国語力とは」

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YuryImaging / Shutterstock.com
文部科学省のサイトでは、国語力のとらえ方として、「言語を中心とした情報を『処理・操作する能力』としての『考える力』『感じる力』『想像する力』『表す力』」であるとしています。端的に説明すると、

「考える力」とは、文章の中から事実を見極め、論理的に理解することや、自分や相手の置かれている状況を的確にとらえる能力のこと。

「感じる力」とは、相手の気持ちや、自然や人間に関する事実を感じ取ったり、感動したりする情緒力。言葉の美醜を感じ取る言語感覚も含まれます。

「想像する力」とは、経験していない事柄や現実には存在していない事柄などをこうでないかと推し量り、頭の中でそのイメージを自由に思い描くことのできる力。

「表す力」とは、考え、感じ、想像したことを表すために発言や文章として表現する力です。

では、この4つの力が、国語以外の教科にいかに関わっているかを考えてみましょう。

【考える力①】教科書を通しで読み、体系的に理解できる

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Brian A Jackson / Shutterstock.com
国語力の中でも基本の読書力につながるのが「考える力」。塾に行かなくても、教科書を通しで読むことができれば、その教科を体系的に理解することができ、学問のおもしろさに気づくはずです。しかし、文章を読み、考え、理解する力がないと、教科書を読むことができない、あるいは時間がかかりすぎ、点でしか学ぶことができないという非効率な状態に陥ります。

わかりやすい例でいえば、歴史の教科書などは長編小説のようなもの。興味を持って教科書を読み、注釈まですべて頭に入れられれば、大学受験だろうとまったく怖くありません。日頃から家族で大河ドラマを観るなどして、歴史のおもしろいディテールを知っておけば、なおさら楽しく読めると思いますよ。

真面目な子で、最初からずっと授業で歴史の流れを追えているという場合を除き、歴史の教科書が読めないと全体の流れが把握できません。ある時代のあるできごとだけなど、点だけで覚えようとするとただの暗記になり、つまらなくなってしまいます。

【考える力②】問題の文章が理解できる

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家庭教師のアルバイトなどを通して感じたのは、国語力がないと、どんな教科でも問題文を読むのに苦労するということ。問題を理解するだけで時間がかかったり、意味をはき違えてとんちんかんな答えを書いたりしては、せっかくの実力が発揮できません。

筆者が数学センスゼロでもセンター試験程度の数学なら点が取れたのは、問題の意図が理解できたからだと思っています。なぜそういう計算式になるかを理解していなくても、問題の意味がわかれば、暗記した計算式を当てはめることはできるのです。

読む力は、もちろん国語の試験で最も問われますが、基本的な国語力が身についていれば、あえて国語の勉強をする必要はありません。表現する力や、感じる力に含まれる言語の美醜を感じ取る力は、古文や漢文への興味にもつながります。源氏物語の美しい文体に授業で感動していれば、飲み込みも速いので自宅学習の必要はないのです。

国語の勉強時間を、まるっと他の教科に回せることも国語力のメリットです。

【感じる力】身の回りの現象に感動して興味を持つ

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自然や人間に関する事実を感じ取り、感動する力。これがあると、身の回りのすべてのことがおもしろく、生きることそのものすら楽しくなります。

筆者が受験勉強のために教科書を読み、一番感動したのは、生物の教科書の「食物連鎖の図」とその解説。食物連鎖の図とは、太陽の光を浴びて草が生え、それをうさぎが食べて、その糞を土の中の微生物が分解して草の栄養となり、うさぎを猛禽類が捕食して…というあの図です。これを見て、文章とともに理解したときにはもう、雷に打たれたような衝撃でした。世界で一番美しい絵なんじゃないか…!と、部屋で一人、悶絶した覚えがあります(笑)。

感動することで好奇心が沸き、理解が進みます。結果的に、筆者は高校のセンター模試で常に学年トップ。「え、文系なのに…」とよく言われましたが、理科でも特に生物は国語力だけで十分通用します。

【想像する力】歴史物語も数の世界も想像して理解する

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自分で経験していない事柄や、現実には存在していない事柄などを想像して理解する力。これは、先述の歴史や生物にも欠かせない力ですね。

自分が生まれるよりはるか昔に起こった朝廷での権力争いや、植物が呼吸するしくみにも、想像する力があれば興味を持つことができます。

筆者が数学センスゼロだという理由は、数学において自分の想像力の限界を感じたからです。実際には存在しない、「虚数」が出てきた頃から頭がショートしてしまいました。数学や物理などでも想像力が働くよう、子どもの頃から訓練していれば違ったのかもしれません。

物理や化学も、応用問題になると難しかったですが、お話自体はおもしろく、特に物理の授業はワクワクしたことを覚えています。

【表す力】国語の表現力があれば英語学習にも意欲が沸く

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英語が国語力に通じるということは、感覚的にも理解できると思います。英語も日本語も言語であり、言語がどう成り立っていて、言語によって自分の気持ちをどう表現できるのかという興味があれば、英語学習はおのずとはかどります。

まず、母国語で多くのボキャブラリーを持ち、自分の思いを細やかに表現できる力を持つことで、英語でも「もっと言いたいことを表現したい」と思うようになります。英語の早期教育の重要さはよく言われますが、その点では、国語をまったく無視して英語を学ぶのは本末転倒かな、と思います。

また、読む力という意味では、筆者は英語の長文読解が大得意。大学受験でも大人になってからのTOEICなどでも、長文読解はほぼ落としません。知らない語彙があっても、文章から意味を読み解く国語力があれば、正解を導けます。

「読み聞かせ」は国語力を伸ばす基本中の基本

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さて、こんなに役立つ国語力ですが、筆者がどうやって身につけたかといえば、読書しか思いつきません。

読書習慣のベースとなるのが、小さい頃からの「読み聞かせ」。実母に、私が小さい頃、絵本を読んであげていたのか聞いてみたところ「読んだよー!読んで読んで、って大変だったんだから」と、よっぽど大変だったのか、すごい顔をしていました(笑)。

お子さんが「読んで~」と絵本を持って来たら、この記事をちょっと思い出してみてください。「今忙しいからあとでね」と言いたい気持ちをググッ!と抑えて、楽しく読んであげることができれば、将来の国語力につながるかもしれません。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

suna suna  ライター/エディター。東京で出版社に勤務後、フリーランスに。結婚を機に広島県に移住し、男女男の3人育児と仕事との両立に奮闘中。子育て、旅、グルメ、住宅、動物など幅広いジャンルで編集・執筆を担当。イギリス、アイルランド等に留学経験あり。