小さなお子さまにも育てやすく、簡単に花を咲かせられる「あさがお」。毎日お世話をすることで、集中力と責任感が身につきます。また成長過程に変化があることから、観察にも飽きません。好奇心や探究心を育て「考える力」を伸ばす、観察と栽培のポイントをご紹介します。
あさがおの観察がおすすめな理由
毎日の水やりのほか、あさがおの栽培に必要なのは間引き・支柱立て・追肥・種取り。生育状態に合わせて作業が変わるため、「自分で育てている実感」が湧きます。
また丈夫で枯れにくい一方、適度にお世話することがきれいに花を咲かせるコツです。このことから、自分以外のものに気を配り、思いやる気持ちを育てることにも適しています。
学力の高さと直結する”考える力”が伸びる
暗記力がある、知識がたくさんあることも、確かにある程度の学年まで良い成績をとるには有利です。しかし小学校高学年以降からは暗記・知識だけではなく、自分で考える力を持つ子どもが力を発揮します。
「物事を見て、今までの知識・経験から論理的思考をする」トレーニングを、あさがおの栽培で始めてみませんか。
「責任感と愛着を育てる」土づくりから発芽まで
土作りから発芽までの世話
2.指で3cm位の穴を開け、種を入れて土をふんわりかぶせましょう。
3.日当たりの良い場所に植木鉢を設置。
4.発芽するまで朝夕、水やりをします。表面の土が湿っているときは控えてください。
5.種まき後、3~4日程度で発芽します。
観察のポイント
種や発芽した葉は、スケッチに残しておきましょう。どんな形・色なのかを絵に表すことで、観察力・集中力・画力を磨くトレーニングになります。
「忍耐力と観察力を伸ばす」本葉からつるが出るまで
本葉からツルが出るまでの世話
2.鉢が窮屈になる前に間引き・植え替えをします。間引く場合は茎が太く、葉の色の濃いものを残してください。
3.ツルが伸びてきたら支柱を立てて、からませます。自然にからまない場合は手でからませてもOK。
4.追肥をすることで丈夫な株に育ちます。根の周りを避けて行いましょう。
観察のポイント
葉が茂ってきたら、葉の色の違いを観察してスケッチしてみてください。
「どんな場所に生えている葉が濃い色なのか?」「それぞれの葉の厚みは同じかどうか?」「ツルの巻き方は右向き・左向き?」など、考察のヒントをあげることで観察力・推察力の向上が期待できます。
「スケッチで描写力を磨く」花が咲く頃
花が咲く頃の世話
2.枯れた花は摘み取って、新しい花が咲きやすい状態にしましょう。
観察のポイント
同じ株のあさがおでも花の色・模様はさまざま。鉢全体のスケッチも良いですが、描写力を上げるならひとつの花にクローズアップするのも良いでしょう。花を見比べて、気に入った一輪をじっくりと描いてみましょう。
「生命の尊さと達成感を得る」枯れた実から種を収穫
種の取り方
2.取った種はよく乾燥させてから保管してください。
観察のポイント
観察時は、実の中にある種の数を一緒に数えてみます。実には仕切り(心皮)がついており、仕切りひとつ当たり2個の種が入っています。多くの実は3つの仕切りに計6個の種が入っているでしょう。まれに仕切りが4つのものがあって、種は8個になります。
6個と8個の実を比べて、ついていた場所と生育状況を考察してみましょう。
できた種をプレゼントしよう
それなら余った種を紙の袋に20個程入れて、祖父母・お友達にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。手作りの袋に絵を描いたり、メッセージを書くとより心のこもった贈り物になります。
種から花に、そして誰かに喜んでもらえるプレゼントへと姿を変えるあさがお。お子さまの感性を育てるためにも、一度栽培してみることをおすすめします。