2019年3月14日 公開

英語教育における「CAN-DOリスト」とは?導入の背景と到達目標

英語教育推進を目的として、学校教育現場に導入が進められている「CAN-DOリスト」。文部科学省の提言を経て、年々その導入率は高まっています。「CAN-DOリスト」導入の背景、普及度合い、主な到達指標などをまとめてみました。

「CAN-DOリスト」導入の背景は?


グローバル社会を生きるうえで、ツールとしての英語運用能力の育成が求められています。そこで文部科学省は、中高生の英語教育現場に「CAN-DOリスト」の導入を提言しました。CAN-DOリストとは、英語でできる行動を箇条書きでリスト化したもの。「~することができる」という形で記載されています。

英語力を評価する際に問われるのは、「読むこと」「聞くこと」「話すこと」「書くこと」の4技能。このうち「話すこと」については、「発表」と「やりとり」の2領域があります。よって4技能5領域の技能をバランスよく伸ばしていくことが、CAN-DOリストの最終的な目標です。

「CAN-DOリスト」の普及度合いは?


CAN-DOリスト形式の学習目標設置率は、文部科学省による「英語教育実施状況調査」にて公表されました。全体的に増加傾向にあり、多くの学校で導入が進んでいます。一方で学習目標の達成状況の把握については、地方自治体による差が大きいというのが現状です。

参照:文部科学省「平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果について」
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1403468.htm

小・中・高等学校における学習到達指標


リストで示される、小・中・高等学校の各段階での学習到達指標を確認してみましょう。

小学校


【中学年】
外国語活動を開始し、音声に慣れ親しみはじめる時期です。コミュニケーション能力の基礎を養います。

【高学年】
基本的な表現(「聞く」「話す」)で身近なことを伝える体験をします。加えて「読む」「書く」の基本技能を養うことになるでしょう。

中学校


身近な話題について、理解・表現・基本的な情報交換などのコミュニケーション能力を養います。お互いの考え、気持ちを英語でやりとりすることに焦点をあてた学習内容です。

高等学校


幅広い話題について、発表・討論・交渉などさまざまな言語活動を体験することになるでしょう。情報や考えなどをきちんと理解し、適切に伝えるコミュニケーション能力を高めます。

英検を基準にした到達目標


これまでは「中学卒業レベルは英検3級」「高校卒業レベルは英検準2級」というのが目安でした。現在、英語の教育改訂を通して、それぞれ一段階上の級へと到達目標が設定されつつあるとされています。

【中学卒業レベル】英検3級➝英検準2級
【高校卒業レベル】英検準2級➝英検2級

公益財団法人日本英語検定協会が発表した、各級における「読む」「聞く」「話す」「書く」4技能の到達目標は以下のとおりです。

旧・中学卒業レベル(英検3級)

「読む」:簡単な物語や身近なことに関する文章を理解することができる。
「聞く」:ゆっくり話してもらえば、身近なことに関する話や指示を理解することができる。
「話す」:身近なことについて簡単なやりとりをしたり、自分のことについて述べることができる。
「書く」:自分のことについて簡単な文章を書くことができる。

新・中学卒業目標レベル(英検準2級)

「読む」:簡単な説明文を理解したり、図や表から情報を得ることができる。
「聞く」:日常生活での話題や簡単な説明・指示を理解することができる。
「話す」:日常生活で簡単な用を足したり、興味・関心のあることについて自分の考えを述べることができる。
「書く」:興味・関心のあることについて簡単な文章を書くことができる。

新・高校卒業目標レベル(英検2級)

「読む」:まとまりのある説明文を理解したり、実用的な文章から必要な情報を得ることができる。
「聞く」:日常生活での情報・説明を聞きとったり、まとまりのある内容を理解することができる。
「話す」:日常生活での出来事について説明したり、用件を伝えたりすることができる。
「書く」:日常生活での話題についてある程度まとまりのある文章を書くことができる。

引用:公益財団法人日本英語検定協会「英検Can-doリスト一覧」
http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/cando/list.html

コミュニケーション能力の土台はおうちで


英語は「暗記」科目ではなく、「使う」手段として見直されています。バランスのとれた4技能5領域のコミュニケーション能力は、一朝一夕で身につくものではありません。特に「話す(やりとり)」技能については、自分と相手がいて成立するキャッチボールです。まずはお子さまが自分で考えること、相手に伝わるよう言葉を選べる必要があるでしょう。

日頃の生活のなかにも、お子さまと言葉のキャッチボールをするシーンはたくさんあります。そんな場面ではパパママが積極的に英語学習のチャンスを与え、言語を学ぶ楽しさを教えてあげてください。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

trans trans  海外在住歴8年。北海道在住、二児の母。 英会話講師・テクニカルライターを経て、現在は在宅翻訳・ライティング・全国通訳案内士としてフリーランスの活動に奮闘中。