小学生で英検2級合格、塾に通わずハーバード合格。「飛びぬけてできる子」を娘にもつ廣津留真理(ひろつるまり)さん 。妊娠中に育児本を200冊読破、幼稚園には仕方なしに1年だけ通園させる。そんな彼女が書いた『世界に通用する一流の育て方』にはどんな子育てのヒントが隠されているのでしょうか?
ハーバード合格の秘訣は「戦略を立てすぎないこと」
地方公立校から<塾なしで>ハーバードに現役合格
著者 :廣津留 真理
出版社 :SBクリエイティブ
廣津留さんは英語教員資格をもち、バイオリン講師としても活躍されています。
当然わが子の教育への意識も強く、娘さんは名門ハーバード大学に合格しました。
とはいえ、塾なし、幼稚園へも仕方なしに1年通園しただけだったというのです。
廣津留さんは言います。
「日本の学生は試験というとすぐ問題の解き方など“合格への戦略”を立てて、それに執着しがち。でもその先にハーバード合格はない。」
ではどうすればよいのでしょうか?
妊娠中に育児書200冊読破して独自の教育理論を打ち立てた廣津留さんはこう言います。
「子どもは未来からやってきた。いまの地球のことを知らないのだから、この世のことを何でも教えてあげよう」
そう考えた廣津留さんは、早くから漢字、英語、フランス語、音楽など、この世を読み解くための「記号」を娘さんに教えていきます。
キーワードは「子どもは未来からやってきた」
これが廣津留さんの教育の核心です。
だからこそ、迷うことなく子どもにさまざまな教育環境を与えることができたのでしょう。
廣津留さんの教育の大きな特徴は「言葉」。
子どもは何でも吸収するスポンジですが、理解するための言葉が足らないために、好奇心をさらなる学びへとつなげられないこともありますよね。
廣津留さんの娘さんにとって、漢字、英語、フランス語の習得がハーバード合格の基礎力となったことは間違いありません。
「中学英語は中学生が学ぶもの」って本当?
廣津留さんはそう考えます。
世界の仕組みを読み解く記号は多いほうがいい。
だからできるだけ早くたくさんの記号(漢字、英語、フランス語)を子どもに与えたわけです。
これはバイオリンのメソッドからヒントを得たものだそう。
バイオリンは高度な曲を早い段階から弾かせます。
そうでなければ、いつまでたっても練習曲のレベルを超えられないからです。
廣津留さんはABCもわからない娘さんに中学の英語教科書を与えました。
その結果どうなったか。
小学生で英検2級に合格し、大学入試問題をすらすら解けるようになってしまったのです!
子どもの探究心と問題解決力をはぐくむ「親子の議論」
廣津留家では、徹底的に娘さんと議論をしました。
言葉を早くから教えていたせいで、娘さんは好奇心のおもむくままにさまざまな情報を吸収していきます。
そして疑問や感動に出会ったら、親と議論を交わすのです。
子どものころからしっかり議論することで、探究心と問題解決力を養うことができたのです。
ハーバードを卒業するには、自分で考え抜く主体性が不可欠。
日本でも2020年から導入される入試制度の影響で、中学入試が「問題解決型」に方向転換します。
家庭での議論は、時代の流れに最適化された学びだといえるでしょう。
自立した子どもに育てる「ハーバード生共通3原則」
「今の自分がいるのは何のおかげだと思うか?」
回答は上から順に「早くから文字を教えてくれたこと」「議論する家庭だったこと」「いろいろな場所に連れて行ってくれたこと」
ハーバードに進むような子どもの共通体験には、「考えるための材料(言葉、未知の場所)」と「考える経験(議論)」という2つの要素があったことがわかります。
自立した子どもに育てるには、どんな教材や塾を使うかなんて些細なことなのかもしれませんね。
まねをする前に……わが子の個性を見極めよう
「うちではまねできないわ」と思うかもしれませんね。でも子どもはみな違う個性の持ち主。
まねをするだけでは意味はありません。
わが子の個性を見極め、廣津留さんの教育法で採用できる部分があるなら参考にする、そんな気軽なスタンスで本書を読んでみてください。