2017年11月27日 公開

カナダではクリスマス前にイタズラ小人が家に来る!?

街がクリスマス・デコレーションで彩られる11月下旬。カナダ・ケベック州の子たちが待っているのは、サンタクロースだけではありません。サンタのおもちゃ工場を飛び出した小人が家に来るのも待っているのです。ケベック州の子どもが胸躍らせるクリスマス前の習慣を紹介します。

サンタクロースの小人がサンタ村から逃げ出した?

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Terehova Evgenia / Shutterstock.com
カナダのケベック州には、11月下旬ぐらいに北国から逃げてくるサンタクロースのお手伝いの小人を捕まえるという習慣があります。この時期になると、子どもたちは目を輝かせて小人の話をしています。

筆者がこの習慣を知ったのは、息子が小学1年生のときのこと。学校から帰ってきた息子が突然「小人を捕まえたい!」と言いだしたのです。「小人がポテトチップスの袋でパンツを作ったんだって」と友達から聞いた話を興奮気味に話す息子。筆者は、何のことなのか全く分かりませんでした。そこで、さらに息子に話を聞いてみると、何人ものクラスメイトが小人を捕まえたとのこと。これはわが家でも小人を捕まえなくては……と小人について調べたのでした。

小人を捕まえる習慣のはじまりは?

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調べてみると、どうやらケベック州には、「クリスマス前に小人を捕まえる」という習慣があることがわかりました。そして、この習慣は、孫を楽しませたいというあるおじいさんの優しい気持ちがきっかけで生まれたという情報にたどり着きました。

はじまりは、2007年のこと。ケベック州の北部にある小さな街、ラック・ア・ラ・クロワに住むレジ・トランブレーさんというおじいさんが、サンタのお手伝いをする小人の話を孫たちにしたそうです。

「北国のサンタクロースのおもちゃ工場では、たくさんの小人たちが世界中の子どもたちのために1年中おもちゃを作っているんだ。そして、クリスマスプレゼント用のおもちゃ作りが終わった小人たちは、クリスマスまではお休み。すぐにおもちゃ工場を飛び出して、ケベックまで歩いてやってくる。それから、いろいろな家に忍び込んでいたずらをするんだよ……」

そう話をしたあと、トランブレーさんは小人を捕まえる罠を仕掛けて、孫に小人を捕まえてあげたそうです。

イタズラ好きの小人はどうやって捕まえる?

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トランブレーさんの話によると、小人を捕まえる罠に使ったのは、小人が入る大きさのバケツ、棒、クッキーやチョコレートです。

まず、バケツを棒で支えて小人が入れるように持ち上げます。そして、バケツの下に小人が大好きなクッキーやチョコレートを置いておびき寄せるのです。小人が罠の中に入ると、棒が倒れて小人はバケツの中に閉じ込められる仕組みです。

夜の間は、自由に動き回ってイタズラをするという小人。けれども、朝には人形のように動かなくなります。人間には動いているところは絶対見せません。

イタズラ好きで好奇心旺盛な小人は、退屈すると逃げ出してしまいます。それで、小人を捕まえたあとは、一緒に遊んだり、お菓子を食べさせたりとおもてなしをしなくてはいけないといいます。

ちなみに、小人の人形は、写真のように顔がプラスチック製のものを使うことが多いです。息子は、布製の小人のぬいぐるみは、本物の小人ではないと信じています。

クリスマスにサンタが小人を迎えにやって来る

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いろいろなイタズラをして子どもを楽しませてくれる小人。けれども、いつまでも捕まえておくわけにはいきません。クリスマスにサンタクロースが迎えに来るのです。

クリスマス・イブ。小人にたっぷりおもてなしをしたあと、夜寝る前にクリスマスツリーの下に座らせておきます。すると、サンタクロースがプレゼントと引き換えに小人を連れて帰るのです。

せっかく仲良くなったのに、小人と別れるのは寂しいもの。でも大丈夫。楽しく過ごした小人は、次の年もまた同じ家にやって来るかもしれないよ、とトランブレーさんの話は締めくくられています。

孫との交流が口コミで広がりクリスマスの習慣に!

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このトランブレーさんのアイデアは、小さな街ですぐに広がりました。そして、テレビやラジオなどでも紹介され、今では多くのケベック州の子どもたちを楽しませているのです。トランブレーさんも自分が孫にした小人の話がクリスマス前の習慣になるとは考えていなかったそうです。

その後、トランブレーさんは小人の絵本を出版や短編映画を製作し、たくさんの子どもたちに夢をプレゼントしています。

Chapeau d’lutin

アレンジは自由!子どものワクワクを膨らませて!

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テレビやラジオで小人の話を聞いた親が子どものために小人を捕まえ、その子どもが友だちに話をする……。口コミで広がったので、小人を捕まえる日、捕まえ方、どんなイタズラをするかは、各家庭でさまざまです。たとえば、わが家ではバケツの罠は用意せずに、息子が小人のために作ったカードとクッキーを置いておきます。

また、おかしなレゴを組み立てたり、らくがきしたりなど、小人のイタズラは、親の腕の見せ所です。小人の存在を信じる子どもの夢を壊さず、クリスマスまでワクワクが続くようなアイデアを考えます。

活発な小人は、はるばる日本までやって来るかもしれません。ぜひ、オリジナルの小人ストーリーでお子さんと楽しんでくださいね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

LOA LOA  カナダ在住のフリーライター。Web媒体で子育てや語学学習についての記事を多数執筆。8歳の息子が0歳のときからはじめた絵本の読み聞かせは、今では私たちの生活になくてはならないものになっています。これまでに息子と読んだ絵本や児童書は、日本語、英語、フランス語を合わせて数千冊。息子が笑顔になる絵本を見つけるのが喜びです。