5月から6月にかけて見頃を迎えるあやめ・しょうぶ・かきつばた。これら3つの花を正しく見分けられるでしょうか?見た目には似ている3品種ですが、じつは見分けるための方法があります。お出かけの際に見かけたら、よく観察してどの花か当ててみましょう。
あやめ・しょうぶ・かきつばたの違いは?
あやめとしょうぶは同じ花の仲間ですが、かきつばたは別のグループに属しています。あやめ園やしょうぶ園のように観賞用に栽培されているものでない場合、本来自生している場所はまったく別です。見た目の違いや自生場所の違いを知ることで、あやめ・しょうぶ・かきつばたもきちんと見分けられるようになります。
あやめの特徴
草原や乾燥地で育ち、水の多い湿地では咲きません。稀に白い花をつけることもありますが、基本的には青紫色の俗に言う「あやめ色」の一色。葉っぱの主脈がほとんど目立たないところも特徴です。
しょうぶの特徴
しょうぶは湿地や湿原に生える植物で、しょうぶ園へ見学に行くと水が張られて池のようになっているのはこのためです。ハナショウブは、あやめを観賞用として品種改良されたもの。色も紫色や青色、白色など品種によってさまざまです。あやめの葉脈は目立たないのに対し、ハナショウブは葉の表の中央に1本、裏に2本、はっきりと目立つものがあります。
しょうぶとハナショウブの違い
湿地や池や沼などの水辺に自生し、遠目で見るとウインナーのようなガマに似た花が咲かせるのが特徴。よく見ると、黄緑色の小花が密集してこの形状を作っていることがわかります。目立つ花ではないため、花が咲いているとすらなかなか気付かれません。
このショウブは芳香を持つ精油成分を含んでおり、葉や茎を傷つけると爽やかな良い香りがします。端午の節句の菖蒲湯は、しょうぶの名が「尚武」や「勝負」を連想させることが理由です。薬湯としての菖蒲湯につかることで、男の子がたくましく成長することを願います。
かきつばたの特徴
かきつばたは、池や沼などの近くや湿地に自生します。花の色には紫色や赤紫色などがあり、葉っぱの主脈はほとんど目立ちません。
あやめ・しょうぶ・かきつばたの見分け方は?
この3種類の見分け方のポイントは「花びらの付け根」にあります。
【アヤメ】花弁の根元が白と黄色、網目模様がある
【ハナショウブ】花弁の根元が白と黄色、模様なし
【カキツバタ】花弁の根元が白一色で模様なし
あやめ・しょうぶ・かきつばたに似た花はほかにも
ただしジャーマンアイリスの場合、あやめやしょうぶ、かきつばたにないような、ブラシのようなものが花びらの根元に付いていることが特徴です。なかには二色咲きする品種もあります。
見分け方を知って季節の花を楽しもう
子どもと一緒に見分け方を覚えて、ぜひ行楽シーズンにはあやめ園やしょうぶ園へ鑑賞に出かけてみてはいかがでしょうか。