2019年03月04日 公開

小学校英語の「モジュール学習」とは?短時間指導の魅力と背景

2020年から教科化される小学校の英語。教科書や評価がつくことで、これまでの英語学習とは大きく変化すると予想されています。そこで導入が検討されているものが「モジュール学習」です。すでに実施している学校もあるモジュール学習について、その概要や特色を紹介します。

2020年から教科化される小学校の英語。教科書や評価がつくことで、これまでの英語学習とは大きく変化すると予想されています。そこで導入が検討されているものが「モジュール学習」です。すでに実施している学校もあるモジュール学習について、その概要や特色を紹介します。

短時間指導を実現させるモジュール学習とは

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文部科学省では2020年度にスタートする小学校高学年の英語科スタートに向け、英語のモジュール学習の導入を提案しています。モジュール学習とは、通常45分の授業を15分ごとの3つに分ける短時間学習のこと。3回のモジュール学習で1回分の授業とカウント可能です。

朝の活動時間や昼休み後などに置かれるケースが多く、時間割表で横に並ぶ様子から「帯時間」と呼ぶこともあります。

英語科にモジュール学習が検討される背景

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英語学習の根づきは受験にも大きく影響し、習得には2,000時間が必要と言われています。モジュール学習の導入が検討されたのは、「英語に慣れ親しむ時間の確保」が大きな理由です。

小学校高学年の英語科の年間授業時数は35時間。ここにモジュール学習を導入すれば、授業時数を増やすことができます。また少しずつ毎日英語に触れることで、学習の定着にも効果を期待できるでしょう。

英語科のモジュール学習のメリット・デメリット

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英語科のモジュール学習によるメリットは、授業時数を増やすことだけではありません。英語は1時間の授業のなかで、文法や発音などさまざまな内容が折り込まれています。それだけ細分化すれば内容がシンプルになり、子どもは集中して学習に取り組むことが可能です。また教師も子どものつまづきに気付きやすく、細かいケアができるでしょう。

その反面、話す力を鍛えるには時間が短いというデメリットがあります。すでに始業前の10~15分は、読書や国算のドリル学習にあてている学校が多いことも難点です。ほかの教科の定着を図る時間が削減されてしまうこともデメリットと言えます。

すでにモジュール学習を実施している学校も

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文部科学省により「英語教育強化地域拠点事業」の指定を受けた学校をはじめ、すでに英語のモジュール学習を導入している小学校もあります。

たとえば高学年に週3回のモジュール学習と、違う曜日に週1時間の授業を組み合わせたとしましょう。このとき子どもたちは、ほぼ毎日英語に触れることになります。また英語4技能のうち時間がかかる「話す」は、45分の通常授業に集中。モジュール学習ではそれ以外の技能を重点的に進める形です。

このように授業とモジュール学習の2本立てで進めることで、子どもたちにより深い知識として定着させられます。パターン化しやすいモジュール学習は、誰でも同じように指導できる教師側のメリットでもあるのです。「小学校の英語科は担任によって子どもの英語力が変わる」というリスクが低減し、保護者も安心して任せられるでしょう。

モジュール学習が子どものやる気にもつながる!

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英語での挨拶や会話は楽しめても、スペルが出てきた途端に苦手意識を持つ子どもは少なくありません。英語に親しむ時間を増やすと同様に、子どものつまずきを流すことなく進めていけることもモジュール学習の魅力です。短時間でも日々触れることで英語への関心が高まり、やる気にもつながります。ぜひ家庭での知育にも参考にしてみてはいかがでしょうか。

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この記事のライター