2017年10月30日 公開

夢の実現、育児と仕事の両立……働くママが自分らしく生きるには?

子育てに追われるママだって、夢をかなえることは可能? 育児をしながら通信制の美術大学に通い、この度、念願の絵本を出版したシバイクコさん。絵本を出したいと思ったきっかけや、育児と仕事の両立の仕方、家族の関係などを伺いました。

子育てに追われるママだって、夢をかなえることは可能? 育児をしながら通信制の美術大学に通い、この度、念願の絵本を出版したシバイクコさん。絵本を出したいと思ったきっかけや、育児と仕事の両立の仕方、家族の関係などを伺いました。

自然や命の尊さを考えるきっかけになる絵本を作りたい

Photo by Chiik!編集部 (68880)

via Photo by Chiik!編集部
今回インタビューを受けてくれたのは、『少年と光の木』という絵本の著者であるシバイクコさん。シバさんは小学生の男の子のママ。現在は、自宅にアトリエスペースを作り、育児や家事の合間を縫って創作活動を行っています。

『少年と光の木』は、真っ暗闇な星に暮らすカストールという少年が、きょうりゅうのツバンとともに、苦しんでいる太陽の木や金の鳥を助けるために、空や海を冒険するというファンタジーです。

シバさんは、「この絵本は空想のお話ですが、根底にあるのは現代の地球環境問題についてなんです」と話します。小さい頃から動物好きな両親の影響を受けて、自然や生き物について考えることが多かったシバさん。「大人になってから、こうしちゃ動物がかわいそう、自然が破壊される、ということを頭で理解しても、それだと遅いと思うのです。みんなが、地球上に生きている全ての生き物に対して、優しい気持ちを持ってほしい。地球や生き物を思いやる気持ちを自然と心に芽生えさせるためには、小さい頃から地球や生き物について考えるきっかけがないとダメなのかなと思い、この絵本を作りました」

少年と光の木 | シバイクコ, 相子智恵 |本 | 通販 | Amazon (68469)

タイトル:少年と光の木
著者:シバイクコ(著、イラスト)、相子智恵(編集)
出版社:ライフデザインブックス

創作活動を続けられたのは、家族がいたから

ママであり絵本作家でもあるシバさん。順風満帆な人生を送っているように見えますが、ここまでの道のりは「辛くて苦しくて大変だった」と振り返ります。

まずは子育てとの両立。もともと、イラストレーター兼グラフィックデザイナーとして活躍していたシバさんは、幼少より憧れていた版画を学ぶため、美術大学の通信教育課程に入学。その間に妊娠出産をし、学校は約3年間休学。復学後、卒業制作のために、寝る間も惜しんで自宅で下絵を描き、両親やご主人に子どもを預けながら、アトリエで版画を刷る毎日。「さらに、義理の両親の介護なども重なり、ここまでして続ける意味があるのか。いっそ辞めてしまった方が楽なのではと諦めかけたこともあるんですよ」と意外な言葉を漏らしました。

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それでも、休学中に仲間が卒業し、個展を開くなど活躍する姿に刺激を受け、やる気が戻ってきたといいます。そして、何よりも嬉しかったというのが、家族からの後押し。「好きなことを仕事にできるなんてすばらしいことだと思う」というご主人からの言葉は、シバさんの、この仕事にかける情熱をさらに燃え上がらせたそう。「協力してくれる家族のためにも、ただ学校を卒業するんじゃなくて絶対賞を取ってやる!ってあのときはもう無我夢中でしたね」。

家族からの理解と協力があって、創作活動に専念することができたことにより、家族への恩返しのためにも成功しなくては、という覚悟ができたと話すシバさん。その強い信念が実を結び、卒業制作で手掛けた版画が優秀賞を受賞。その作品を絵本にしたのが、冒頭でも紹介した『少年と光の木』です。

子育てしながら自分も成長、それが創作のヒントに

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自宅に飾られた家族写真の数々。
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「子育てって、子どもを育てているようで、自分も成長しているなと感じるんです」。

たとえば、前は言うことを聞かない子どもに対してつい頭に血が上り、怒りにまかせてしかってしまっていたそうです。それが仇となり余計に反発してくる息子さん。そうした親子喧嘩を繰り返していくうちに、「今は、自分の気持ちを落ち着かせてから、一方的にしかるのではなく、まずは子どもの話をちゃんと聞くようになりました」とシバさん。

こちらが聞く態度を見せると、息子さんも心を開いてくれて、自分の言うことに耳を傾けるようになり、前のような喧嘩は少なくなったと話します。「自分で自分を律するというか、子どもに対してもっと大人にならなければと、私自身日々成長するために努力している感じですね」。

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リビングの一画には、息子さんが大好きな恐竜のフィギュアや生物の図鑑や本が。
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また、子どもを通して、知らなかった世界を知るきっかけもできた、と嬉しそうにシバさんは続けます。「たとえば、息子は爬虫類や虫が好きで、恐竜のこともすごく興味があるんです。恐竜の話から地球誕生の話まで発展して、どうして絶滅したとか、そういうことを一緒に図鑑を見たりネットで調べて勉強していくと、私もだんだん楽しくなってきて」と日常の様子を語ってくれました。

「『少年と光の木』に出てくる少年カストールときょうりゅうのツバンは、息子の影響を受けて生まれたようなもの。息子がいなかったら、もっと違う生き物が出てきただろうし、お話だって違った内容になっていたかも」。親子のコミュニケーションは、シバさんにとって、創作活動に欠かせない大切な要素のようです。

両立のコツは? 家族からの理解はどうやって得る?

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シバさんは、時間に制約がある中、どうやって育児や家事と自分自身の創作活動とを両立させているのでしょうか。そのコツもお聞きしました。

「私にとって、まず一番大切なのは子育て。スケジュールを組むとき、まず子どもの生活を中心に時間をとっていって、空いたところに自分の活動時間を入れていきます。無理せず、メリハリをつけてやるときはやる。それが続けるコツだと思っています。」

また、仕事を続けていくうえで、ご主人との関係性を良好に保つことについては、「きちんと主人を立てることがポイントでしょうか(笑)」とのこと。「主人からは、俺のおかげだぞ、というようなことを言われるんですよ。いろいろ言いたいことはあっても、私もあえて“いい旦那さんだと思ってるよ”と言うようにしているんです。そうすると主人は気持ちよく私のサポートもしてくれるんですよ(笑)」

ご主人をうまく立てることで、お互いストレスなく過ごせるよう家庭の中を回していく。こうやって夫婦関係を良好に保つことで、自分自身の仕事の時間も上手に作れると教えていただきました。

今後も育児と仕事を両立させ、創作を続けていきたい

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「でも、なんだかんだ言って、こうしていられるのは本当に主人のおかげですし、息子も、両親も含めて家族みんなの理解と支えあってこそです」と話すシバさん。その言葉には、まぎれもなく、家族への感謝の念が感じられます。

「環境、自然、生き物の命を大切にすることは、今後も創作活動の一貫したテーマにしていきたい」とシバさん。そして、年代問わず広く手に取ってもらえる「絵本」という形で、もっと自分の思いを伝えていきたい、と今後の抱負を語ってくれました。

自分のやりたいことを実現する強い意志と、家族のことも大切にしたいという気持ちのバランスがとてもいいと感じたシバイクコさん。しなやかに生きるその姿は、現代の働く女性のひとつの理想の形のように見えました。今後の活動にも、ぜひ注目していきたいです。

原画展のお知らせ

「LUMEN -少年と光の木- シバイクコ絵本原画展」

【開催期間】
2018年1月8日(月・祝)~1月13日(土)
12:00~19:00(最終日のみ17:00まで)

【場所】
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル
巷房2(地下)
http://gallerykobo.web.fc2.com

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この記事のライター

AKARI ITOI
AKARI ITOI

出版社、料理企画会社を経て独立。WEBメディアを中心に企画からライティングまでこなすコンテンツディレクターとして活動中。得意ジャンルはグルメ/クッキング/子育て/幼児教育/受験。東京在住。石川県出身。2児の母。調理師/食育指導士/JHBS講師/パンコーディネーター取得。