2019年1月17日 公開

我を忘れるほどの没頭状態「フロー体験」は幸福のヒント!?

ミハイ・チクセントミハイ氏の「フロー体験」をご存じですか?じつは誰もが体験したことがあり、特に子どものうちのフロー体験はかなり重要とされています。そもそもどのような体験で、何の意味があるのでしょうか?子どものフロー体験のためパパママができることもご紹介します。

フロー体験って何?

Ehirsh/ public domain

ミハイ・チクセントミハイ氏は、ハンガリーで生まれたアメリカの著名な心理学者。人の幸福などについて研究していた彼は、1970年代に「フロー体験」を唱えました。大人でも体験できなくはありませんが、特に子どものころは多くこの状態になりやすいと言えます。

フロー体験を簡単にいうと、「時間を忘れるほど何かに没頭している状態」のことです。パパママも子どものころ、自分の名前を呼ばれても気づかないくらい夢中になって、絵を描いたり本を読んだりすることに没頭した経験はありませんか?集中力を要するスポーツ選手なども、この状態になりやすいとされています。

得られるのは見返りではなく「幸福感」


ミハイ・チクセントミハイ氏がフロー体験に気づいたのは、「人の幸福とは何か」について研究しているときでした。彼は芸術家や科学者が富や名声に関係なく、自分の興味のあることに人生をかけているのはなぜかと興味を持ちます。

そこでクリエイティブな人たちは、我を忘れて夢中になるときがあり、その瞬間に幸せを感じていると気づきました。つまりフロー体験は、ただ打ち込むだけでなく、楽しみ、幸せを感じながら何かに熱中している状態と言えます。

幼少期から積極的にフロー体験をしよう

幼いうちに遊びや日常生活で多くのフロー体験をした人は、その後成長してもフローになりやすいとされています。この体験では、外部から何かご褒美をもらえるから集中するのではいけません。本人の自発性に基づいたパッションが、集中状態に導いてくれると言います。

ミハイ・チクセントミハイが提唱するフロー体験のご褒美は、成績やお金や名誉ではなく、幸福感でした。幼少期にたくさんのフロー体験で幸福感を感じ、フロー体質になること。そうすれば将来、勉強や仕事でも「自分がやりたいからやる」というポジティブな姿勢につながるでしょう。

子どものフロー体験のため親ができることは?

フロー体験の基本は、お子さま自身が「楽しい!」と思ってチャレンジすることです。たとえパパママの望みとは違っていても、人に迷惑がかからず危険がないことなら、温かく見守ってあげましょう。

ミハイ・チクセントミハイ氏は、このときの「自分でコントロールできている」という感覚がフロー体験で大切な要素のひとつと語っています。必要以上に指図したり、すべてお膳立てしたりと、パパママが管理しすぎてしまうと逆効果です。危険なものはあらかじめ排除しておくなど、最低限のヘルプにとどめて子どもの自主性にまかせてみてください。

毎日の生活のなかで、子どもたちがフロー体験できる機会はたくさんあるでしょう。しかし、その機会がフロー体験となるかどうかは、能力と難易度のバランスと密接な関係があると言います。簡単すぎると退屈に感じ、難しすぎると不安感を抱いてイライラするかもしれません。パパママは「ちょっと難しくても実現可能なレベル」になるように、さりげなく調整してあげるとベストです。

フロー体験は毎日をポジティブにする

ここまでフロー体験についてご紹介してきました。では、集中してテスト勉強をしているのはフロー体験でしょうか?「いい成績を取るため」なら答えはノー。しかし知的好奇心にかられ、勉強が楽しくてやっているなら答えはイエスです。

お子さまのチャレンジが楽しくポジティブなものとなるよう、パパママは上手にフロー体験のサポートしてあげてくださいね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Mariko.K Mariko.K  大学卒業後、大手雑誌社広告営業、進学塾講師を経て、結婚を期に2000年よりスペイン在住。マヨルカ島にてスペイン人の夫、中学生の娘と暮らす。バレアレス州立音楽学院高等部でパイプオルガン専攻中。東京都出身。