怒りにまかせて騒いだり、泣いたり、モノに当たったり、子どものイライラにどう対処していますか?
子どもが自分で怒りをコントロールできたり、落ち着くことができたりしたらいいなと思うものの、それを教えるのも実行するのも難しいですよね。
そんな時に役に立つのが絵本。絵本なら、子どもでもわかりやすく自然に怒りのコントロールの仕方を知ることができます。
幼児から読めるアンガーマネジメントを学べる絵本を5冊と、実際に読んでみたわが家の娘の変化を紹介します。
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アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとはどういうものか知っていますか。子どもでもできるのでしょうか。
アンガーマネジメントの目的は?
アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。1970年代にアメリカで生まれたとされ、当初は犯罪者のための矯正プログラムなどに活用されていました。
アンガーマネジメントの目的は、何に対しても怒らないことではありません。怒る必要のあることにだけ怒り、その怒りをうまくコントロールすることを目指します。
子どもが身につけるメリットは?
アンガーマネジメントを身につけると、沸き起こった感情に振り回されることがなくなります。周囲とのコミュニケーションが円滑になることから、研修に取り入れている企業もあるそうです。
怒りにまかせて行動して起こる失敗や後悔が少なくなったり、人間関係が良好になったりするのは、大人、子どもに関わらず得られるメリット。
また、子どもが怒りをコントロールできるようになると、ママのイライラも少なくなり、親子関係も良くなりそうです。
何歳からはじめられる?
子どもが怒りを表すようになるのは、3歳頃からと言われています。今回紹介する絵本の中にも、3歳からを対象としたものがあります。
怒りに対する具体的な行動を取れるようになるのはもう少し経ってからかもしれませんが、すぐ身につくものではないため、早くからじっくり取り組むのが良さそうです。
日本ではあまり馴染みのない子どものアンガーマネジメントですが、海外では幼少期からその教育に取り組んでいるそうです。
アンガーマネジメントを学べる絵本5選
アンガーマネジメントをわかりやすく学べる絵本を5冊紹介します。
アンガーマネジメントを学ぶきっかけに
タイトル:ぼくがおこるとおこること
著者:塚本やすし
出版社:冨山房インターナショナル
男の子の家族とペットの猫1匹の中で、怒ると何が起こるのかが描かれた本です。
男の子が猫に怒ったり妹に怒ったり、今度は猫が怒ったり。最後には出ていってしまう猫を見て、男の子は怒ってしまったこと悔やみます。
怒りが何を引き起こすのか、どのように周りに連鎖していくのかが描かれた、アンガーマネジメントを学ぶきっかけになる絵本です。
怒ることへの理解が深まる
タイトル:おこる
著者:中川 ひろたか
出版社:金の星社
寝坊をして、好き嫌いをして、喧嘩して、毎日怒られてばかりの男の子。なんでいつも怒られるんだろうという疑問から、なぜ人は怒るのか、怒るとどうなるのかという問いに辿り着きます。
怒ることを客観的に見て向き合うことができる絵本です。
著者の中川ひろたかさんは、日本初の男性保育士という経歴を持つ絵本作家さんで、この本は怒られるのが嫌だったという自身の経験から生まれたそうです。
3歳からできるアンガーマネジメントの方法5つ
タイトル:いらいらばいばい
著者:つむぱぱ
出版社:鈴木出版
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会監修の、3歳からできる感情マネジメント絵本です。
怒りを抑えられないかいじゅうの子が、女の子から怒りを静める方法を教わるお話。
深呼吸したり、ジャンプをしてみたり、気持ちを落ち着ける5つのメソッドがわかります。
そして、“おこることはわるいことじゃない”として、怒るときの3つのルールも教えてくれます。
フランスでベストセラー
タイトル:ムカムカ ドッカーン!
著者:ミレイユ・ダランセ
出版社:パイ インターナショナル
フランスの小学校の教室には必ず1冊はあると言われる、定番のベストセラーです。
怒りを手放す方法がわかりやすく描かれており、日本アンガーマネジメント協会初の推薦絵本にも認定されています。
不機嫌な男のこの前に、表紙のような大きな怒りのかたまりが登場します。実はこれが怒りを視覚化する方法で、子どもでも使いやすいテクニックだそうです。
怒りに対する呼吸法がわかる
タイトル:おこりたくなったら やってみて!
著者:オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ
出版社:主婦の友社
こちらもフランス発、世界で読まれている感情をコントロールする方法を教えてくれる絵本。
気分によってたてがみの色が変わるユニコーンの子ガストンと一緒に、怒りを自分で追い出す呼吸法を学べます。
目をつぶって鼻から息を吸い込むところから、肩を2、3回上下に動かすなど、呼吸のやり方が具体的に細かく書いてあります。
ただ深呼吸をしてと言うよりもわかりやすく、子どもに伝わりやすそうです。
実際に6歳娘と読んでみた
わが家の6歳の娘は最近すぐにイライラしがち。絵本で怒りをコントロールできるようになるのか、今回紹介した絵本の中から『おこりたくなったらやってみて!』を娘と読んでみました。
子どもの変化
娘には特に何も伝えずに、普通の絵本と同じように読み聞かせ。
本の中で“きみはきょうどんなきぶん?”、“いきのしかたでおいだすのはどう?”と呼びかける文があるので、子どもにその時の気分を聞いたり、怒りを自分で追い出してみようと自然に誘うことができます。
初めは怒っていない時に読んだので、純粋に絵本として楽しんでいました。それからイライラしているときに、絵本を思い起こさせることなどを試してみました。
正直なところ、まだ読みはじめたばかりなので子どもに変化は見られません。大人だってすぐできるものではないので当然ですね。継続して様子を見たいと思います。
一緒に読んでいる親も学べる
娘の変化は要観察ですが、一緒に絵本を読んでいる私自身にも効果があるなと感じています。
娘は最近すぐにイライラしがちと言いましたが、それにつられて私も一緒にイライラしてしまうこともしばしば。そんなとき、今回紹介した絵本のことを思い出すと、これは怒るほどではないなと気付けたり、ちょっと深呼吸して落ち着こうと気持ちを切り替えることができます。
もちろん毎回上手くいくわけではなく、イライラしてしまうこともありますが、これも継続・繰り返すことが大事だなと思っています。
怒りをコントロールして笑顔で過ごそう
怒りのコントロールは大人でも難しいもの。まずは絵本でアンガーマネジメントに触れてみましょう。
幼いころから絵本でアンガーマネジメントを学び、自分で感情をコントロールできるようになれば、毎日がもっと楽しくなるはず。
怒りをコントロールして、親子で笑顔で過ごしましょう!
<参考サイト>
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 https://www.angermanagement.co.jp